風味絶佳 (文春文庫 や 23-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558062

感想・レビュー・書評

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  • 山田詠美、小説がうますぎる

  • 映画「シュガー&スパイス 風味絶佳」を観て原作を読みました。きっと年代によって感想が変わる本。今のわたしはまだまだ子供すぎて分からないことだらけだけど、もっと歳を重ねて、おばあちゃんくらいになった時には、今とは全く違う感想になるはず。そう願います。

  • 表紙が可愛い


  • 「一日に一度は寂しいと思うことって、人を愛するこつだろう?」

    確信した。
    私の読書ライフには詠美本が必需品だと。
    彼女の織りなす言葉が身体のすみずみまでゆっくりと染み込む。
    極上の時間。
    今、私の身体はきっと美味しい。

  • 味と人の思い出、印象って密接だ。食べ物ってそういや五感全てを使うな

  • 0157
    2019/11/09読了
    登場人物の職業がいいな。専門的なことはわからないけど、人間味があって好き。

  •  「4U」に比べて、暗いアンハッピーエンドな小説が多いようだ。
     「アトリエ」では、ゆんちゃん(裕二)あーちゃん(麻子)と睦み合う夫婦が、妊娠と共に妻の神経症に夫も巻き込まれてゆく。
     「風味絶佳」では、アメリカかぶれの祖母に見守られながら、青年が見事に恋人に振られる。
     「間食」では、年上の加代に世話される雄太が、恋人の花の妊娠を知った途端、花との連絡を切る、後味の悪さが残る。
     「春眠」では、想いを寄せた女性を実父に奪われる。
     男性主人公は、肉体労働者からみばかりだ。現場出身の僕として、本質を衝いていると言えない。

  • よくわからなかった。みんな、自分勝手だと思う。

  • 山田詠美さんの作品はこれが初めてです。テーマは職人。はじめはハネもハライもトメもなくスッとした終わり方がなんだか心細くしっくりしませんでしたが、中ごろには読み入ってしまっていました。
    ほんとうに素直な心の素直な気持ちをまっすぐに表現していると思います。特にここが良いというところはありません。でも、読み入らせる力を持っている作品でした。

  • 恋人たちの話だが、暖か過ぎず冷た過ぎず、愛おし過ぎずクール過ぎずみたいなバランス感覚が絶妙。鳶職の人の話が1番好き。

  • 滋養豊富。風味絶佳。

  • 最後の話が好きじゃない

  • 山田詠美はいちいちねちゃねちゃしていて
    読んでてしんどいムリ

    僕は勉強はできないは好きだったはずなのに

  • 料理に凝った主婦や元気なグランマ、離婚した母と近付く母の幼馴染の作並くん、片想い相手である大学の同級生と父の結婚他、鳶職、引っ越し、火葬場等で肉体的に働く男性たちと恋の六編。恋愛を中心にしている筈で傍目にみっともないという言葉も登場するけれど、溺れた感じのない、湿り気の全くないカラッとした溌剌さ。

  • 十代の頃に繰り返し読んで、大好きだったのに、何故か二十代のうちには読み返すことがなかった作品。久々に読み返した。変わらずに素敵で輝いていた。でも、恋に恋していた十代の頃とは、違うキラキラしたものだと思う。

    1作品目の「間食」から、もう、怖い。え?こんなに怖かったっけ?って思う。表題作の「風味絶佳」のグランマの言葉ってこんなに染みたっけ?「海の庭」のひりひりする切なさも知らなかった。

    6作品ともまさに風味絶佳。大切な短編集。

  • 「肉体を使う」職業につく男たちに纏わる六篇の短編集。おこちゃまなので、ませてるティーンエイジャーが語り部のお話(『海の庭』)が一番しっくりきた。それってどうなのさ、25歳。全体的によくわからん。

  • ミユナさんからのオススメ2
    山田詠美の作品はティーンネイジャーが主人公のお話の方が好きだと思い込んできたけれど、面白かった。勿体無いことしてた!
    アトリエという作品だけはどうしても受け入れられなかったけれど、久しぶりに読んだ山田詠美の文章に、やっぱりこれだ〜〜!と声を出して叫びたくなった。
    まさに絶佳。あらすじまで面白いです、山田詠美先生、どうもありがとうございます。

  • 恋はいつでも甘い。

    いくつであっても、
    記憶のなかでも。

    失われた恋の、舌に残る苦味の中にさえ、
    どこさに甘さを残している。

    ねっとり絡む大人の恋。

  • あまり「美味しそう!食べたい!!」という感想には至らない。人々の日常

  • 山田詠美をまた読むことがあるとは。頂きものの本。さくっと一日で読んだ。山田詠美はどちらかというと苦手だった。男性がいつも主役で、女性の扱われ方がなんだか納得いかないことが多くて。いつも女性は、ふにゃふにゃしてたり、右脳人間過ぎたり、あとは逆に強すぎたり。今回も然り、と思ったけど「夕餉」はよかった。

    「土鍋が音を立てている。私は、床に座り込んだ。紘に食べさせることに情熱を傾ける意味をようやく考えた。証明したかったのだ、と思った。使い終わったそれまでの人生が無駄ではなかったことを。もう一度生き直すには、あやふやな観念なんてお呼びじゃない。食べること。セックスをすること。眠ること。彼のそれらの行為に、自分が、どの女よりも有効であるのを確認したかった。空腹を満たすことから、すべては始まる。私は、彼の始まりを独占しようとしていたのだ。そして、彼の始まりに、私も便乗する。そうすれば、抱き合うことが出来る。同じ夢を見ようと約束出来る。二人にしか意味のないものが、次々と生まれ続けて、彼は手入れせずにはいられなくなる。その時こそ私は息を吹き返す。」

  • 山田詠美らしいギュッとタイトに日常かつオトナの世界が詰まってたと思う。タイトルにもなっている「風味絶佳」が一番すきだった。次点で「間食」。わたしは好みがややお子ちゃまなので星は4。

  • わたしの中に渦巻くことばにしがたい想い。
    ことばという輪郭に収めがたい感覚・感情。
    それを原型に近づくように切り取るにはわたしには度量が圧倒的に足りない。

    小説家はそれをやってのける。

    山田詠美さんはこの短編集でそれを華麗にやってのけるのである。

    作家生活20周年に書かれた作品集というけれど、どれも安定感があり安心して読める。どの短編も味わい深い。
    まさに風味絶佳。

    「夕餉」と「アトリエ」が印象的。
    幸せの形はひとそれぞれだけど、そしてそれは確実に刹那的だけれど、確かに泣きたいほどの「幸せ」がそこにあった2編。

    ラストの高橋源一郎さんの解説がまたよい。
    (2016.6.26)

  • 「夕餉」の美しく流れゆく料理と物語に惚れ込んでしまった。おいしく完成していく料理に対して、崩れていく人間関係からの再生。とても美しく、おいしい。

  • 2016/5/5読了。
    間食:15歳年上の女性と暮らしながらも、年下の子豚のような子を可愛がり恍惚を得ている鳶職の男。15歳年上の女性もただ彼を愛しているというより食事を作ったり彼の世話を自己満足で行っているような感じでお互いのいびつさがぞっとした。読み終わってタイトルの意味がわかりそういうことかと。

    夕餉:ごみ収集の乗務員である不倫している男のために手の凝った料理を作る美々。料理やごみの分別をする描写が独特な怖さを感じ、文書が滑らかですらすら読めた。女性はいつまでも、褒めてほしいし女の子として見てて欲しいんだよなと思った。

    風味絶佳:70歳を過ぎても現役のグランマ
    。ガスステーションで働く孫の志郎の恋の話。志郎はとっても優しいけれど、それだけじゃやっぱり女性は物足りないものだなと思う。

    海の庭:年頃の娘からみた離婚をした母親と同級生の関係を描いた話。30年ぶりの再開でぎこちない雰囲気の二人やそれをみている娘の状況がうまく表現されている。

    アトリエ:汚水槽の清掃作業員の夫と暗く何をするのも不器用な妻の話。妻が弱ると元気にさせる夫は、自分が元気にさせられることに喜び、快感を得ている。妻を愛しているのではなく、そういう自分に酔っている。妻も不気味だが、夫が妻に注ぐ愛情が歪んでいて不気味で怖い。

    春眠:葬儀屋の父と息子の同級生で片思いの相手である女が結婚してしまう。亡くなった母の気持ちを考えず、若い女との生活で変わった父の姿に息子は苛立つ。 母の拾骨が終った時に、炉前にいる作業員に深々と頭を下げてお礼をいう姿、泣かずに礼儀正しく降るまう姿に父の母への愛を感じた。 女は息子に言う"死ぬ時に、一番幸せなのが勝ち"と。

    汗と臭いが伝わってくるような労働者の生活の中での様々な恋愛模様が上手く描かれていた。不気味で共感できない人ばかり出てくるが、考えさせられる本だった。

  • 孫に自分の事をグランマと呼ばせるおばあさんは読み手が若ければ反感を買うだろうし、読み手がおばあさん世代に近ければちょっと羨ましいと思うだろうな。 
    友達から勧められて、書店で装丁買いした本。

  • 読書録「風味絶佳」2

    著者 山田詠美
    出版 文藝春秋

    p76より引用
    “レードルやスクレイパーや菜箸、まな板や
    トングに至るまで、台所用具は、いつだって、
    私を快楽に導いてくれる。”

    目次から抜粋引用
    “間食
     夕餉
     風味絶佳
     海の庭
     春眠”

     恋愛をテーマにした、短編小説集。
    全六編。
     建設会社で働く雄太、イマイチ職場に寂し
    さを感じる彼にとって、職場で少し浮いた存
    在の寺内は気になる存在で…。(間食)

     上記の引用は、料理好きの女性の心の中。
    使い慣れて手に馴染んだ道具は、それを使う
    事自体が快感なのかもしれませんね。
    買って来た新品の道具を、自分の手に馴染む
    まで育て上げると、より一層仕事の能率が上
    がるものなのではないでしょうか。
     甘くて渋くて、少し苦い。そんな短編が集
    められています。私にはあまり合いませんで
    した。

    ーーーーー

  • 2013/05

  • よくある山田さんの話。

  • ほろにが。
    「夕餉」「春眠」が好き。

  • 大工、ゴミ収集員、引越や、ガソリンスタンド店員、下水道清掃員、火葬場職員、
    帯を見て「肉体の技術をなりわいとする人々」がテーマになってることを今回読んで初めて知った。
    学生時代この本何回か読み返してたけど気づかなかった(*_*)

    なかでも風味絶佳はもう、やっぱり好き。
    映画また観たいな。
    これだけ少量のシナリオで、柳楽くん沢尻女史夏木マリをキャスティングしてあの心に残る映画作ったひとたち、単純にすごいと思う。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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