風味絶佳 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2791
レビュー : 307
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558062

感想・レビュー・書評

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  • エロい。
    何だこの、全篇を通じて漂う絶妙なエロさは。
    人間とは、生きてるだけでこんなにエロいのか、という気がしてくる。

    「間食」と「夕餉」は、奇妙で身勝手だけれども不思議と納得してしまう愛の形。
    「風味絶佳」は、柳楽優弥主演で映画化もされた。
    改めて原作を読むと余りに簡素なストーリーに驚愕し、映画の原作の雰囲気を残したままの“肉付け”が如何に素晴らしいか気づかされる。
    「海の庭」。離婚した母が幼馴染と青春をやり直す。
    それを見て、図らずも母の想い人に生まれて初めて“いとおしい”という気持ちを抱いてしまう娘。
    「アトリエ」は一番意味が分からなかった。
    誰か、解説してほしい。
    「春眠」は片想いの相手が義理の母となってしまった男の葛藤と苦悩を描く。

    最後の一篇は号泣しながら読んだ。
    全篇通じてエロいし、涙腺崩壊させられるし、とても人前では読めない。
    家族や友人からも隠れて、一人でこっそり読みたい珠玉の短編集。

    あとがきを読んで気付いたが、この六篇の小説に登場する男性は全て肉体労働者だった。
    彼らがホワイトカラーだったら、あのなんとも言えない空気感は生まれないだろう。

  • 性描写のしつこい小説はなるべく読みたくないのだけど、山田詠美はキレのある語り口がすきなので読んでしまう。

     普段あまり表舞台にたたない職業にまつわる恋人たちの物語。そんなところに惚れ込むとは……と思うことがしばしば。職業に関しても、恋に関しても。なんというか、ちょっと、変態っぽくて、ついていけなかったです。物語も、サクセスストーリーというよりは、恋してだめだめになっていく男と女の物語という感じで、ちょっとねばっこい印象。(表紙がキャラメルというのはピッタリかもしれないですね)
     でも心理描写の鮮やかさに見とれてしまいまうんですよね。強気な女性の容赦ない台詞がすきです。くやしい。

  • 山田詠美ワールド全開な短編集。中でも「夕餉」がびっくりするぐらい好きで冒頭部分は暗記してる位何回も読んでる作品。

  • 2014.2.1 大村さん

  • 短編6つ。
    どの話も少し特殊な仕事をする男たちが登場する。
    ほとんどの登場人物をすきになれず、不快になる話もあった。
    人間が犯罪にならない程度に狂ってるかんじ。
    引用はひとつめの作品「間食」から。

    自分の位置が定まらず二人の女を都合良く使い分ける、ろくでもない鳶職の男。
    前の家庭から逃げてきた女は、清掃車の作業員である男の腹を自分の料理で満たすことにしあわせを感じる。
    アメリカかぶれのグランマの影響を受けて育ったガソリンスタンドで働く男の失恋。
    離婚し実家に帰った母が引っ越し業者の幼なじみと初恋をやり直すのを感傷的に見つめる娘。
    汚水槽の清掃員がベタベタに甘やかすどんくさい妻。
    火葬場に務める父の再婚相手は、息子の片想い相手でもある同級生だった。

  • 恋愛小説・6篇収録されておりました★
    うーん。なんだろう?「山田詠美ワールド」初めてだったのですが
    人が人に求める複雑な想いが、こう…ぐるぐると…(意味不明ですな/爆)
    読んでいて、つい主人公と共に悩んでしまうので
    こう、未消化な気持ちを持ってしまったり。
    しかし、はっとさせられる素敵な言葉があったり。
    うーん。うーん。うーん。でもやっぱり
    すっきりしないーかなぁ~…?(=▽=;うう~ん?
    けれど、「風味絶佳」というタイトルに
    この作品全部を通して「おおっ」と感じました★
    (↑その、おおっ!は読んでもらうしかない…かな?/笑)
    6篇収録されているのですがその中の
    「風味絶佳」と「海の庭」は何やら好きなお話でした★
    「風味絶佳」は、勝気なグランマが素敵!!!
    つい私も、森永キャラメル食べたくなったし(=▽=)←ん?(笑)
    「海の庭」は他と比べ、澄んだ気持ちにさせられました(笑)
    「大人になって純粋な初恋をやり直す淫靡さ」というフレーズに
    思わず「ふ。」と心地よい可笑しさを味わえます(=ー=)+
    あと、少し気になったのは
    「間食」に出てきた、とび職をしている謎の寺内青年!!!
    彼が一体どんな世界を持っているのかもっと知りたかった(=▽=)
    独特の雰囲気で、常に笑みを浮かべていて
    どこか曲がった考えを持った、クールな青年。…気になる(笑)

  • 山田詠美さんの短編集。

    間食
    なんちゅう男や……子どもできたら捨てるとか……我がままな奴。

    夕餉
    「私の作るおいしい料理は、彼の血や肉になり、私に戻ってくる。」なんとなくこの考えは好きです。

    風味絶佳
    不二ちゃんは良いカンジ。主人公はちょっと哀れに思います。

    海の庭
    これに出てくる庭を見てみたいなぁ。キレイな風景が広がります。

    アトリエ
    一番好きな短編かも。一番正統な愛かなぁ。でも、最後どうしちゃったんだろう?

    春眠
    これ、主人公辛いなぁ。好きな人がお父さんと結婚するとか。なんで一緒に旅行行こうとか言うのかわからない。気持ち気づいているのに。

    全体的にちょっと苦手です。なんというか、人間の欲望がオブラートに包まれることなく、目に見えてしまうかんじ。登場人物がみんななんだかんだ言って自己主張が強いし。なんか、しっくりこない。
    もうちょっと、効率的にというか容量良く生きればよいのにと思ってしまいます。

  • 少し寝かして、何度も読みたい

  • すみません、購入動機のほとんどは装丁です。
    山本文緒のシュガーレスラブもそんなんだ。
    (チョコレートの表紙だった。)
    甘味に弱いんです。
    けど、甘味=恋愛、ではないです。
    恋愛小説って、あんまり好きじゃないし。

    映画の雰囲気は結構好きだったかも。

  • 「世界中の人間を殺すのなんて簡単なんだよ」(間食)
    という言葉が印象に残った。
    相変らず独特な世界だけど、感性がすごい。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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