風味絶佳 (文春文庫 や 23-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167558062

感想・レビュー・書評

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  • 異常を正常にもしうる少し”非健全”な恋人同士の時間。他人とは共有できない秘密の時間。そんなものが詰まった作品。”共有できなさ”が結構レベル高くて、読んだ後、ある意味、こころが豊かになった気がした。

  • 「紘」のでてくる話があったのでうれしくてねこに知らせて、しおりを挟んでわかるようにしておく。

  • 「アトリエ」だけすごくよかった


    最期の「春眠」が気持ち悪すぎて…

    弥生の「二人で生きていくんだから」っていう言葉と矛盾してる温泉旅行がなんともああいう家族ごっこみたいのは虫唾がはしる

    いや、わたしの父親嫌いに由来する不快感かもしれないけど。

  • ・間食
    ・夕餉
    ・風味絶佳
    ・海の庭
    ・アトリエ
    ・春眠
    以上6作品が入った短編集。

    どの物語の主人公も誰かに強く依存している。善悪なんてものはつけられない。本人たちにとって、それは心の支えなのだろう。だけどわたしには、その依存性が恐ろしく映った。特に「アトリエ」は怖い。文体が丁寧な分余計に恐ろしい。しかしながら先が気になる。

    ちなみに一番とっつきやすかったのは「海の庭」、かな。たぶん主人公と歳が近いからだろうと思うけれど。

  • 映画『シュガー&スパイス』の原作だと聞いたからたまたま手に取った本で、山田詠美さんの本はこれが初めてでした。実際は6編の短編小説が収録されていて、「風味絶佳」はその内の1作なのです。短編の中でも私が気に入ったのは「夕餉」という作品で、世間体を気にするがために離婚を許可しない夫の元を離れて、自分よりも幾分若いゴミ清掃員の男の子と同居する女性、美々さんの物語。美々さんが食事を作る場面が印象的で、普通の家庭ではなかなか作らない手の込んだものをただひたすら同居人のために作るんです。そもそも美々さんは、旦那さまと決着を付けるに付けられず、逃げてきた結果がこうであって、本来は大人なんだから自分で進む道を決めていかなければならない。けれども、今の今まで誰かの敷いたレールの上を歩かされてきた彼女にはそれをするのが一苦労なわけである。それを、優しい言葉や何気ない気遣いで長い時間をかけて彼女を成長させていく若い同居人。最後の方で、彼が「美々ちゃん、旦那と別れな。」って優しく諭すシーンで無償の愛を感じた。『愛してる』なんて言葉は実際はなくてもいいものなんじゃないかと思った。本当に大切な何かを手にしたとき、人は『愛してる』なんて言う言葉なんてなくてもどこからかにじみ出るものなんだな…なんて感じた。問題の風味絶佳は、とにかくグランマの生きざまに感嘆した。たくさんの恋愛をしてひたすら悲しみや喜びを乗り越えてきた女の発する言葉だから意味がある。「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから。」まったくだ。女の子は優しさだけを求めているわけじゃーない。時には相手を顧みない強引さなんかも見せてほしいものなのだ。主人公の少年は優しすぎたんだ。いうなれば、甘いものばかり食べているよりも、ビターな食べ物を食べた後のキャラメルが絶品であるように、人生も恋も甘みと苦みのバランスが大事なんだろう。

  • きれいすぎて読むの少しだけ苦手。


  • 短編集。
    惹かれます。きっと。

  • 肉体労働者6様の恋

  • 短編集なのでさくさくっと読めるけど。
    ただそれだけ。
    それ以上に何も残るものがなかった。

  • 山田さんの王道。

  • 映画「シュガー&スパイス」をみたあとに読んだ。
    「風味絶佳」以外はちょっと不気味。普段肉体労働をする人と接していないからか。
    こんなこと書いたら差別発言だって言われちゃうかな?

  • あれれれ、良いじゃん・・・。
    ここ1年、青梅線の職場があるので、
    何だかとても身近に感じる。
    中神にアパートとか(笑)

    とはいえ、もしかすると、
    女性主人公ものじゃないと、
    良いのかも、とも思った。

    そして私の読書量の問題かもしれないけれど、
    彼女が書いた精神的に不調な人の話、
    って初めて読んだ気がするけれど、
    その薄ら寒さと言ったら、
    現場の人間から言わせても、かなりの完成度。

  • 読みにくくはないけれど・・・
    不可でないけども・・

  • 超!久々山田詠美。
    最近気づいたんだが、最近の私の読書の傾向として
    映画→原作本
    が多い。
    これが良いのか悪いのかはよくわからんですが、
    とりあえず、これを読んだのも映画の「シュガー&スパイス〜風味絶佳〜」が好きだったからであります。

    んで、風味絶佳はそのうちのひとつの短編。
    いやーーー小説のほうが好きだった!w
    まさに文章の妙ですな。
    おもしろいし、グランマのかっこよさと良い意味での馬鹿馬鹿しさが良い味出してる。


    読みながら思ったんだけど、山田詠美って「!」の使い方が上手。
    ともすればわざとらしかったり安くさくなりがちな感嘆符を、
    うまーーく、ユーモアたぷーりに使える小説家ってなかなかいない気がします。


    風味絶佳はもちろん、
    私は「夕餉」が好きでした。
    内に秘めたものをたぎらせていく女性ってやっぱり綺麗です。
    あと、「間食」の、彼女がかわいくってかわいくって仕方ないって言うくだりを、
    あーこれ超わかるわかる、って思いながら読んだよ。
    男子が読んだらもっと納得するんじゃないかねぇ。
    ちなみにうちの彼氏は、超わかるって言っていたw

    さすがえいみー嬢ですな。


  • やっぱり山田詠美さんの恋愛小説好きです^^

  • 帯がなんともいえぬ可愛さw

    内容としてはステキだったけど僕好みでなかった気がする←

  • 甘いだけではない恋愛小説集。
    裏切られたり、裏切ったりを上手に書き出している。
    キャラメルが食べたくなった笑
    個人的には夕餉が一番好き。

  • こんな作家がいたことを知らなかったなんて。

  • 強いて言うなら夕餉。夕飯のにおいがすき。


  • 短編集。

    表題作「風味絶佳」が良かった。
    おばあちゃんが素敵。
    おばあちゃんを素敵に描く人なのかな。

    滋養豊富。風味絶佳。

    遊ぶような言葉の端々は、さばさばしていて、すごく生きている感じがしました。

    働く人たちは素敵だー。


    火葬場で。
    ゴミ収集車で。

    ご飯を作る話が好きです。
    あとは、小エビのような唇の女の子が出てくる話。
    小エビのような!すっごくプリッとしてるそれって!

    私でさえ、キスしたい、それは。

  • 読後感は全然甘くない

    それなのに読んだ感想は

    さっぱり読める甘い恋愛小説

    なんだか不思議

  • ちょっと切ない物語ばかりですが、恋はすばらしいなぁ…と思う一冊。

  • 山田詠美のデビュー作「ベッド・タイム・アイズ」を、おそらく話題になった当時に読んで、上手く受け入れられず、それ以来この人の作品を手に取ることがなかった。あ〜、もったいない!!
    男のからだを、自分の手料理で充たそうとする「夕餉」の’私’の心情はとてもよく理解できる。
    また「海の庭」の母と作並さんの恋(?)模様も、それは最初娘が思ったようなたどたどしいことではないということも、今のわたしにはよくわかる。なぞることができる。

    この人の作品は未熟だった私には、理解できなかったのかな。(ほとんど年令同じなのに・・)
    しかし、若い頃に傾倒しなかったの案外よかったのか?いや、やはり損したのだろうなぁ・・。

  • 風味絶佳

  • 沢尻エリカと柳楽優弥で映画化されました
    恋愛は甘いだけじゃダメ。。ときにはピりっとスパイスを利かせないと。。
    みたいなかんじです(*^_^*)

  • ままならない

  • なんだか不思議な短編集。
    表題の『風味絶佳』は読みやすくて
    『シュガー&スパイス』の世界観そのまま。

    あとはかなりクセのある物語ばかり。
    一番好きなのは『夕餉』。
    好きな人のことを想い
    好きな人の身体を作り上げるために
    毎日ごはんを作る女の人の話。

  • 感化されてキャラメルにはまる。

  • まず、なんですかこの本の装丁。
    かわいすぎるでしょうが。

    短編集ですが、やっぱり表題作の風味絶佳が一番好きでした。
    あんなおばあちゃんがいたらすてきだ。

    映画も観たいな。エリカ様だけど・・・。

  • たぶん何度も読み返すと思う短編集。
    どの作品も好きだけれど、表題作は特にいい。
    不二ちゃんみたいに、年をとりたい。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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