「危機管理・記者会見」のノウハウ 東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか (文春文庫)
- 文藝春秋 (2011年7月8日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167560171
感想・レビュー・書評
-
やっぱりこの人の文章は面白いし、すごく頭がいいと感じる。
ネガティブリストと、広報の窓口の一本化は大事ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の実務体験に基づき書かれた内容は組織を管理する立場にある者なら大なり小なり共感できる事が多い。大いに参考になる!
-
様々な記者会見、組織の危機における対外発信の事例をもとに、組織の対外発信に係る危機管理のノウハウを記述。
コンプライアンス・オフィサーは、組織の尻拭い的な汚れ仕事だが、社会的に組織を防衛するという、組織において非常に重要な役割であることがよく分かった。 -
・石原慎太郎に偏りすぎ。
・「謝る」「嘘はつかない」「知ったかぶらない」「事前の準備」
・社会部の記者は粗暴な者が多い。 -
著者は元警察官僚にして危機管理のプロという肩書きの佐々淳行
これまでも危機管理に関する著作を多数出版していて、本書も東日本大震災や政変を受けての危機管理・記者会見のノウハウについて書いている。
個人的に民主党政権による震災対応はまったくうまくいっていないと思っているので、著者がそれに理論立てて駄目出ししている点は痛快である
ただ残念なのは、具体的な対応事例の記載がある一方、その元となった具体的事例の記述が少ないことだ。そのため、将来的な活用という点では難しいのではないだろうか。本書自体は危機管理に関する有効な内容なだけにもったいないと負いました。
以下、読書メモから
【なるほどな点】
・危機管理上の陣頭指揮とは、トップが現場に行くことではない。
・これはもうどうにもならないと思ったことも、一眠りしてから起きてみると、さしたることではないことに気づく
・数を増やせば、知恵が増え、能力が上がるわけではない。
・危機管理のコツ:大きく構えて小さく収める
・雄弁の目的は真理ではなく説得である。
・謝るときは誰に向かって謝るかをはっきりさせる
・ほんとうに力量がある人は謝ることも平気である。
・「決して」とは「決して言うな」
・事件問題が起きた時は、窓口をひとつに絞る。
・ネガティブリストを用意して、かつ必要以上に長時間しゃべる続けない。
・ネガティブレポートは、最後まで確実に報告する。
・悪い情報は上に上げなければならない。
ただし、責任を上に押し付けない。上は聞いたら叱ってはいけない。 -
読んだら良いよーとお薦めいただき読んでみました。
こういう本は初めて読みましたが、なるほど…。PRはパブリック・リレーションズだけではなく、プレス・リリースもある。無数の記者会見を行った経験のある筆者が、これまでの様々な事例を出し論じている。理路整然と説明するだけでは駄目なのですね。 -
【要約】
・
【ノート】
・
-
東日本震災時の政治家、東電幹部、また経産省・西山審議官などのプレス発表が如何に拙かったか。そして過去の政治家、企業幹部、芸能人などの謝罪などに触れていきます。佐々氏が歴代の首相から重用されてきたと聞きますが、情報の一元化、悪い情報の出し方など後藤田正晴氏の系譜を引く人ですね。70年前後の左翼学生を暴力学生と斬り捨てる表現には閉口しますが、痛快な本です。この中では小泉純一郎、町村金吾、竹下登などが随分評価が高いですね。草彅剛の謝罪が素晴らしかったのが、むしろ彼の評価を上げたという書き方も全く頷けるところがあります。それにしても巻末のここ数年間の主な謝罪会見リストを見るだけでも圧倒されます。私たちももっと謝罪の仕方を学んだ方がよさそうです。
-
先の大地震後の政府、電力会社のお粗末な会見の記事を追加したもの。記者会見のノウハウと、およそ日常には無縁のネタとも思えるものの、いつ急に事態発生するかは不明。そこで有事に備えた対応、対策が求められる。それが本書にはしっかりと記述されていたのがよかった。
あと、KYは駄目だ、とも。やはりそうだよなあ・・・・。
著者プロフィール
佐々淳行の作品





