マリコ/マリキータ (文春文庫 い-30-1)

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167561017

みんなの感想まとめ

多様な非日常をテーマにした短編小説集で、各話が深い世界観を持ちながらも読みやすいスタイルが特徴です。物語は、海外旅行や音信不通の親類といった非日常的な状況を通じて、日常と非日常の境界を探求します。特に...

感想・レビュー・書評

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  • 海外旅行中に読了。
    短編はどの話も秀逸で、中身が濃い。深遠な世界観。
    特に最終話の「帰ってきた男」に引き込まれた。
    エキゾチックな雰囲気の話が多く、サラッと読みやすいので異国旅にオススメの本!

  • 短編小説集。

    旅行先であったり、音信不通の親類の話であったり、ざっくりとした「非日常」への憧れ(?)取り扱った話が多いのが特徴。あるいは、自分自身にとっての「非日常」が、別な人にとっては「日常」であることの不思議さを描いた話が多い、と書くべきか。

    「日常」を愛している者が、自分にとっての「非日常」を生きる人をも愛したい、と思う。その矛盾(?)を描いた作品群なのかもしれません。

  • 趣向の異なる5話を集めた短編集。
    「理科系」と称される著者が理路整然とした文章で綴る神話のような物語。
    各話通して様々な意味合いで「個」の在り方について揺さぶられます。
    「帰ってきた男」は今まで読んだ小説の中で最も愛すべき作品になりました。
    池澤夏樹…凄いお人だ。

  • 著者の初期の短編五編を収録しています。

    第一話「マリコ/マリキータ」は、南の島を訪れた日本人の文化人類学者が、島に暮らす「マリコ」という名前の女性と出会い、彼女の思い出を追って島を再訪する話。第二話「梯子の森と滑空する兄」は、ある村の村長になったというキミユキ兄の姿を雑誌で目にした青年が、兄との思い出を振り返る話。第三話「アップリンク」は、南の島に天気を観測する機械を調整するためにやってきた男と、彼を待っていた島の女との一夜をえがきます。第四話「冒険」は、兄の妻である知子が家を出たことを知った妹の手紙という形式で、知子の計り知れない胸の内に思いが馳せられます。第五話「帰ってきた男」は、アフガニスタンの遺跡の調査にやってきた男たちの奇妙な体験談です。

    理系的な視点で構築された物語と、そこから一気に想像力を飛躍させて精神的な領域へと移っていくところに、著者らしさを感じます。どの作品も印象的ですが、不思議とたがいに相通じるものがあるように感じられるのは、上述のような共通するテーマにつらぬかれているためかもしれません。

  • 自然の境界線をこえて、向こう側へいったものが、最終的にもどってくる。

  • 手元に読みたい本がなくなってしまって、久しぶりに読んだ一冊。
    いつも池澤夏樹の書く女性は強い。

  • マリコ/マリキータのトマトソースのつくり方がざっくりしていて美味しそう。

    『帰ってきた男』を読むことができて本当に良かった。まだ聞こえる

  • 久しぶりに池澤夏樹を読んだけど、やっぱり面白かった。
    短編が5編。
    マリコ/マリキータが1番好きだったかな。

  • 図書館で借りた


    マリコ・マリキータもよかったが、「帰ってきた男」がとてもよかった。
    ピエールとぼくのやりとり。
    充足され、自然と一体化して何も食べなくなっていくことへの抵抗。
    大いなる自然と、そこに住む人間の折り合い。

  • 「帰ってきた男」:
    アフガニスタン、旧ソビエト、パキスタンに位置するオニロス遺跡。その遺跡にて「帰ってきた男」たる主人公、およびピエールは、現実世界からかけ離れたなんとも不思議な感覚に身を委ねることになります。人間の本質が横溢していない場所。その宇宙的な空間の中で、すべての事物と一体化し、すべての存在の中に溶け込んでいって、ただ過ぎていく時間―。
    やがて、主人公は、元の世界に帰る。しかし、ピエールは帰らない。「自由の刑」から逃れるということが、たとえどんなに魅力的なものであったとしても、「人間」として生きていく以上、現実世界に戻っていかなくてはいけない。それを体現しているのが主人公であって、一方、自らの意思で帰ることを拒んだピエールは、「自由の刑」から完全に逃れるという「理想」に留まり続けるのです。
    「帰ってきた男」主人公が、病室で誰とも話すことができず、ひたすらにアラベスク模様を書き続ける理由。オニロス遺跡での体験。ピエールとの遣り取り。それらが一本の線でつながる、という二次元的感覚よりも、小さな箱の中で立体的に完結していると言い表したほうが適切かもしれません。イメージが立体的に湧き上がるこの感覚。これこそ読書の醍醐味だなあと思う次第であります。

  • 「帰ってきた男」の「聞こえる、まだ聞こえる」の部分でやりきれなくなり苦しくなる。この先の人生をどうするのかと気がかりになってしまって。おはなしだから心配無用なんだけど。

  • 短編集。ちょっと荒削りな感じもするが、それぞれそれなりに心にしみつつ。逃避と冒険のぎりぎりをいく感じがなんとなくしみじみくるのかな。弱っているのか。

  • 池澤夏樹の小説の中で、一番お気に入り。

    短編を集めた作品で、本の名前にもなってるマリコ マリキータが一番好きかな。話の中で書かれているマリコの生き方に、純粋に惹かれる。

  • 砂浜の様に織り成す

  • 大好きな池澤夏樹氏の初期短編集。この人の明晰でシンプルな言葉が大好きだ。他の本を読んだあとで、もっともこの人らしさを感じるのは不思議な遺跡からただ一人帰還した青年の記憶をたどる「帰ってきた男」だけれど、好きなのは「梯子の森と滑空する兄」。青年の思う兄の姿は何よりも自由で、そういう風に生きられない私は羨ましさを感じるし、またその兄を思う弟の穏やかさも好ましい。

  • 5編の小さなものがたり。 表題作は南国の香り。 「帰ってきた男」 は珠玉の作品。 「梯子の森と滑空する兄」 こういう男っている。

  • 収録作品「帰ってきた男」は自分にとって人生最後に読みたい物語と断言してしまいたいほど大切な物語。

  • この短編集の最後、「帰ってきた男」は最高!
    超平和主義者の現実との戦いについての話。

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著者プロフィール

(いけざわ・なつき)
作家。1945年、北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。30代の3年をギリシャで、40~50代の10年を沖縄で、60代の5年をフランスで過ごす。ギリシャ時代より、詩と翻訳を起点に執筆活動に入る。1984年、『夏の朝の成層圏』で長篇小説デビュー。1987年発表の『スティル・ライフ』で第98回芥川賞を受賞。その後の作品に『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)、『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)、『楽しい終末』(伊藤整文学賞)、『静かな大地』(親鸞賞)、『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)など。その他、自伝『一九四五年に生まれて――池澤夏樹 語る自伝』(聞き手・文 尾崎真理子)、編著に『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』(全30巻)、『池澤夏樹=個人編集日本文学全集』(全30巻)などがある。

「2026年 『遙かな都』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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