- 文藝春秋 (1996年8月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167561024
作品紹介・あらすじ
南の島に住む少年ティオが出会う人々との不思議な出来事を中心に、つつましさのなかにも精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに描く連作短篇集。小学館文学賞受賞作。(神沢利子)
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
不思議な出来事が織りなす、南の島の魅力的な物語が詰まった連作短篇集です。主人公ティオが出会う個性的な人々との交流を通じて、つつましさと精神的な豊かさに満ちた島の暮らしが鮮やかに描かれています。物語は、...
感想・レビュー・書評
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受け取る人が必ず訪ねてくるという不思議な絵ハガキを作る「絵ハガキ屋さん」、花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。
「池澤夏樹 公式サイト」内容紹介より
主人公ティオがもっているものは、地方のご年配の方がもっているもの、と重なっていると思った.
理解できるけど、自分は持ち合わせていない、失われつつあるもの.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本のおかげで、週末を幸せな気持ちで過ごせました。
ひとたびページを開くと、南の島にひとっ飛び。
魔法が、精霊が息づく、どこか懐かしい10編の物語です。
きっと、昔はどこもこんな風に見えないものが信じられていたんでしょうね。
文明が発展して便利になる一方で、失われてしまったものもたくさんあったのだと思います。神様がいて、精霊の声を聴く人がいて、生命の息吹を感じられる。魔法だって信じられる。そんな世界の存在自体が、こんなにも自分を癒してくれるなんて。
「絵はがき屋さん」
受け取った人は、必ず来たくなる。
そんな魔法のような絵はがき。ものすごく、わくわくしませんか?
ピップさんが語る渡り歩いた世界の話もわくわくするし、思わず旅先から絵はがきを出したくなりますね。
「草色の空への水路」
ちょっといたずら好きな、すこし子どもっぽい神様の存在が感じられるお話です。
今でも神様に挨拶をしたり、お伺いを立てたりする風習は世界中で残っていますよね。神様が見せたあまりにも幻想的な風景にもうっとり。
「十字路に埋めた宝物」
幸せの連鎖って、あるんだろうな。
そう思わせてくれる、いいお話。責める前に、耳を傾ける姿勢も、独り占めしない姿勢も、とても大切ですね。
「帰りたくなかった二人」
どうしてもその土地に惹かれて仕方がない、ということは、あるのかもしれないですね。
仲良しな二人と冒険のような日々に心が温かくなります。
「星が透けて見える大きな身体」
これもまた幻想的なお話です。
美しい子は神様に愛される、幼い頃に命を落とした子は神様が呼んだからだ、なんて言いますよね。
大事な友達を取り戻すための勇気のお話。暗に親では呼び戻せないと示されてるのが実は切ない。
「エミリオの出発」
失われゆくものを大事に慈しむエミリオ。
周りに流されることなく、自分がすべきことを見つめる強さに惚れ惚れします。
楽をしようと思えばいくらでも楽ができるのに、そうしなかった彼の真摯さがすばらしい。
ひたひたと心を満たす幸せな余韻。あとがきもとても素敵なんですよ。
疲れた週末の読書におすすめの1冊でした。 -
重たい本を読んで、少しげんなりしていたので、小休止的な位置づけで読み始めたのですが、予想以上に癒されました。
気分転換に日帰りの小旅行に出かけてきたみたいな読後感。
目を閉じるとさらさらと波が浜辺に打ち寄せる音が聞こえてくる気がします。
池澤夏樹先生の文章と世界観は児童文学として描かれた本作でもとても透き通っていて美しいのです。
ティオの目を通してみた島での出来事が10篇にまとめられて、その1つ1つが共鳴し合い、心地よいハーモニーを創り出しています。
『帰りたくなかった二人』が特に印象に残っています。
私たちの内側に秘められた願望がぶわーっと溢れ出しているみたい。
『絵はがき屋さん』で「大人になったときに、どうしても好きな人ができて、来て欲しくなったら投函」する手紙がどうなったのかが気になります。
全体的にファンタジーのような不思議な出来事が次々と起こるのに、自然と人が、都会よりも密接に結びつくこの島ではどういうわけかありのままに、さらりと受け止められるのはなんでだろう。
私もティオにこの島を案内してもらいたいなぁ。
《所持》 -
心がホクホクするとても暖かい短編集ですね♪10編ともに懐かしい暖かい優しい清々しい物語です。誰しもティオの島に行きたくなり暮らしてみたくなるに違いないなぁ
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ミクロネシア連邦ポンペイが舞台。「地球に引っぱられた男」タイトルに納得。「エミリオの出発」台風被害にあった故郷の島へ、一人カヌーで旅立つ少年エミリオを応援したくなる。
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豊かな自然と精霊の息づく島の、
透明な、絵はがきみたいな短編集。
見たことがないはずの美しい景色が鮮明に、
なぜか懐かしく思い浮かぶような、
原風景のような作品でした。
それにしても、精霊とか南の島とか、
そんなに馴染みやすい舞台設定ではないはずなのに
なんでこんなにすっとはいってきて、
心地よく馴染むのか。
子供を読者として想定している池澤さんの作品、
すごい好きだ。
風景描写もさることながら、
登場人物のおおらかさ、あっけらかんとした感じも
さっぱりと心地よい。
“たぶん勇気というのは男らしさや元気や
無謀な冒険心とはまるで違うもので、
ひょっとしたら愛と関係があるのかもしれない。”
主人公のティオが優しくて、素直で、
透明で研ぎ澄まされた感性の持ち主なので、
この物語の案内人として
とっても優秀なのもいいんだろう。
実は大学生の頃、『ティオの夜の旅』という
合唱曲を歌ったことがあって、
この作品が原作になってるんだけど、
これも風景の浮かぶ名作なので
ぜひ一緒に味わって欲しい。
複数の表現方法で
ひとつの作品世界を味わえるなんて超リッチだ…! -
人生ではじめて読んだ小説
いまは、セリフのかたちの人間の感情が苦手で小説全般がうまく読めない 感情との向き合いかたをもうしばらくさがしていたいと思う -
どうも短編が苦手なので、やっぱり途中で断念。
児童文学だとはじめに情報があればまた違った見方をしていたかもしれないが、現実離れした内容が多く、短編ということもありどうも入り込めなかった。 -
南の島のティオ
著作者:池澤夏樹
発行者:文藝春秋
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
ページを開けばそこは南の島バカンスを味わえる爽やかな小説です。 -
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「どうしてここがこんなに好きになっちゃったんだろう」
(トム)
読んでるうちにティオのホテルに宿泊してティオたちと一緒に海に遊びに行ったり釣りをしたりゆっくり過ごしている気持ちになれた。 -
優しい語り口が良かった。
多分、この本はもう一度読み直す日があると思う。 -
小さな南の島に住む少年ティオは、父親の営むホテルを手伝いながら、島を訪れるさまざまな人たちと出会う。
少し不思議でほっこりする、まさに児童向け。 -
子供の頃に読み、大人になって読み、何度でも爽やかな夏の空気とじんわりとした優しさを味わえる。また数年後に。
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うつくしくて優しいお話。
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受け取る人が必ず訪ねてくるという不思議な絵ハガキを作る「絵ハガキ屋さん」、花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短編集。
(1992年)
— 目次 —
絵はがき屋さん
草色の空への水路
空いっぱいの大きな絵
十字路に埋めた宝物
昔、天を支えていた木
地球にひっぱられた男
帰りたくなかった二人
ホセさんの尋ね人
星が透けて見える大きな身体
エミリオの出発 -
小さな南の島の、小さなホテル。
島の人々や旅人たちとふれあいながら過ごす日々。
時々起きる不思議なこと。
ほのぼのとしているようでいて、根底にしっかり世の中の不条理さが描かれていた。
それでも生きていく。 -
ブクログ通信の「夏の開放感で気持ちが高まる小説10選!」で推薦されていた一冊。池澤夏樹さんは大好きな作家のひとりだが、こうした児童文学を描いておられたとは知らなかった。昨今の壮大な歴史や震災などを背景にした重厚な作品とは異なり、初期の「スティル・ライフ」の頃のような筆致の軽やかさを感じる。素敵な作品一晩で読了。読書中はこのコロナ禍と未曾有の災害レベルの大雨の中で他所の世界に行ってしまっていたような爽やかな、でもちょっとビターな味も噛み締めながらのひと時を味わえた。登場人物は数名を除けばピュアで、文明も入っているけれどまだ少し人のそb苦な活動も必要な生活をしていた時代を懐かしく思い出す。子供らしさを失わないティオの語り口が良い。こんな父子がいるホテルに泊まってみたい、この島に行ってみたい。でも街や山や川や遺跡の名前はあるのに、また周辺の島の名前も出てくるのに、ティオの住む島の名前は出てこない。その曖昧さが現実的なのに御伽噺の空気も感じさせるところなのだろう。短編10作はどれも好きだがあえて1作あげるなら「昔、天を支えていた木」。
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たぶんこの島くらいの規模の広さと人口と外部との接触頻度が、人が生きていくには本来ちょうどいいのだと思う。そうすれば争うことも競うこともなく、自然とお互いに補完し合うコミュニティができるのではないか。
でも、ティオはその小さい島を出ないのに、歴史的にも地理的にも、そして神秘的にも、どんどん世界が広がっていく不思議な小説!
著者プロフィール
池澤夏樹の作品
