赤い橋の下のぬるい水 (文春文庫 へ 2-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167564032

感想・レビュー・書評

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  • 長年の辺見庸ファンで、著作はすべて買い集めて読んでいます。
    アマゾンのサイトを閲覧していて、本書が未読だったことを知り慌てて購入。
    1996年に第1刷とありますから、20年近く前に刊行された文庫本ですね。
    現在の辺見さんは、文章の端々に老成ゆえの諦念がにじみ、それが何とも言えないユーモアと味わいを醸し出していますが、本書はあふれる才気がほとばしっています。
    表題作「赤い橋の下のぬるい水」は、保険会社で外交員の「ぼく」と、体に秘密を持つ女の性をめぐる物語。
    神秘的なエロスが作中に充満していて目眩がしました。
    今村昌平監督、役所広司主演で映画化もされているので、ご存じの方もいるかもしれません。
    実は私、この映画を知りませんでした。
    この小説をどうやって映像化したのか、遅ればせながら非常に気になるところです。
    本書には、ほかに短篇(というより掌編でしょうか)の「ナイト・キャラバン」と「ミュージック・ワイヤ」を収録。
    実作もする自分は、優れた描写に何度も「うまいなぁ」と舌を巻きながら読了しました。

  • 表題の作品、全編通しての白昼夢のような手触りが良い。性的な描写が多いけど、いやらしくは無い。エンディングにしても大人向けのファンタジー。三島由紀夫の短編にこんなのあったな。

    他の二篇も夢だと分かっているのに妙にハッキリしてる夢のような感触。嫌いじゃない。

    三十代以上じゃないと分からないかな。

  • わかり辛い、設定が。驚くべき体の秘密を持つ女。
    「ナイトキャラバン」も「ミュージックワイア」もちょっとわかり辛いかな。

  • 2011.09.05
    読了後、破棄

  • 富山などを舞台とした作品です。

  • 好みじゃない小説を読むきっかけをくれるというのが
    あの授業に参加している意義の一つでもあります。

    これもそう。

    辺見庸ってノンフィクションとかドキュメンタリー的なの
    専門だって思ってたよ。
    小説とか書いちゃうんだね。しかもかなり男性支配的な
    女性性を
    思いっきり描いちゃってる感じで。

    内容抜きで、こういう構成とかモチーフとか、
    なんかとても男性作家だなぁと思わせる小説でした。

    イメージとか想像とか、理想とか、
    いつも溜めてるのがどっかーんってなった感じ。

  •  中篇が3本。解説・吉本隆明。
     辺見庸という名前は聞いたことがあり、さらに「ものくうひとびと」という本を出しているということは知っていたが、なんかよく分からない、固そうな、私小説みたいなものを書いてるじいさんなんだろうと思っていたのが大間違い。
     こんなに面白い小説を書く人だとは思わなかった。
     「赤い橋・・」は虎ノ門で井筒監督が見ていたのを見ただけであったが、面白い。
     久しぶりに小説を読むことの悦びを味わいました。

  • 2004.05.10

  • 『ゆで卵』を読んだら次はこちら。淡水と海水が交じり合う“汽水”のような、オトナの男と女の交わり。

  • 水がどばーっと出てくる映画の1シーンが印象的ですが(とはいえまだ観たことはないのですが)、あれ2リットル以上あるよなあ・・。
    表題作も面白いけど「ミュージック・ワイア」の日常のような非日常的な風景が好きだな。(2004.1.24)

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著者プロフィール

小説家、ジャーナリスト、詩人。元共同通信記者。宮城県石巻市出身。宮城県石巻高等学校を卒業後、早稲田大学第二文学部社会専修へ進学。同学を卒業後、共同通信社に入社し、北京、ハノイなどで特派員を務めた。北京特派員として派遣されていた1979年には『近代化を進める中国に関する報道』で新聞協会賞を受賞。1991年、外信部次長を務めながら書き上げた『自動起床装置』を発表し第105回芥川賞を受賞。

「2022年 『女声合唱とピアノのための 風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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