知恵伊豆に聞け (文春文庫 な 29-11)

著者 :
  • 文藝春秋
3.74
  • (5)
  • (9)
  • (8)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 70
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167567118

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小話がたくさん集まっているような小説。
    島原の乱が始まるまでは あら凄いですね〜
    と淡々とした感想しか出てこない。
    島原の乱にきて途端に緊張感が増し、読み応えも増す。
    島原の乱が終わると、淡々とした感じ…
    物足りなかった というのが本音です。

    ※評価はすべて3にしています

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    徳川安泰の基礎を固めた家光の陰には、機知に富んだひとりの老中がいた。松平伊豆守信綱、通称「知恵伊豆」は、徳川家に持ち込まれた無理難題を次々に解決する。島原の乱の鎮圧を始め、由井正雪謀叛を未然に防ぎ、川越藩主として野火止用水を完成させるなど、機知と行動力をいかんなく発揮した男の「逆転の発想」。

  • 江戸時代初期に名老中と謳われた松平伊豆守信綱について書いた本です。

    最初、本のタイトルを見たとき、真田信之のことかと思いましたが、松平信綱の話でした。。

    信綱は徳川家光の小姓を経て、老中として活躍しました。
    そんな信綱が、島原の乱の鎮圧や由井正雪の乱の取り締まりの活躍、また玉川上水の起案など、多くの活躍を見せてくれます。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-38c9.html

  • 徳川政権を戦国大名から法治国家の政権に変えていった男。機転の利く男はやはりかっこいい。自分もこんな男を目指したい。


     川越に行く前に川越藩について調べようと思って読んだのだけれど、特にわからなかった。ただ、川越の博物館とかで信綱のことが展示されていたら楽しめそうである。



    ● 「拷問は奉行の恥なり」
     曰く、奉行の詮議が不十分で、聴取の力がないから安易に拷問に走るのだという。すでに人権思想があったのだな。だから徳川の文治主義になれたんだろう。

    ● 玉川上水からの野火止用水
     1653年に玉川上水を南町奉行:神尾元勝の命で庄右衛門・清右衛門が作り始めたのもこの頃。埼玉も水利がよくなかったので、川越藩主だった松平信綱も用水が欲しいなーって思って、玉川上水から水を引き入れた。小平から新座を通って新河岸まで引いてきたのが野火止用水。

    ● 明暦の江戸大火と物価
     明暦の大火で江戸の町は物価が高騰した。それに対して水戸藩主水戸光圀は善意から「我が藩の浪士を人数として派遣して復興に役立てよう。」という提案を出した。しかし、信綱はこれに反対。家事によって江戸はモノ不足で物価が高騰。ここにさらに人間を増やしてはさらなるインフレを引き起こし、資産が燃えてしまった江戸の庶民は生活が立ち行かなくなる。むしろ江戸から人を引き払いたいのである。ここは諸藩の人数を国元へ帰らせていただきたい。
     これは経済学のセンスもあって、素晴らしい。現代でも災害ボランティアとかあるけれど、無駄な人員をつぎ込むと被災者の支援物資を食い散らかすことになりかねないよな。善意の狂気、これをきちんと理解せなアカン。

    ● 信綱の三大美事
     ①末期養子の解禁、②殉死の禁止、③証人(妻子人質)制度の廃止、これらが武家諸法度から変更された。武断政治から文治政治に移行した証左。

  • 才知に富んだ忠臣。有能ぶりもさることながら、将軍家光に対する忠誠、献身ぶりたるや類なし。宮仕えの鑑なんである。徳川幕府の基盤を築いた補佐役として非の打ち所がない。

  • 秀忠、家光、家綱の3代に仕えた『知恵伊豆』こと、老中:松平伊豆守信綱。

  • 中村彰彦せんせいは上手だな・・・最近のお気に入りです
    松平伊豆守信綱・・・悪役が似合う(笑)
    事跡のほとんどが、火事や本人による処分で
    正確に伝わってないこともあるが、同じ歴史的
    行為も視点のとり方で真逆に捉えられるから
    歴史って面白い!

    追記 3年振りに読んだ
    途中まで気が付かず面白く読んだ(笑)

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村彰彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×