ホルムヘッドの謎 (文春文庫 は-14-1)

  • 文藝春秋 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167570019

みんなの感想まとめ

多彩なテーマを取り上げたエッセイ集で、著者がイギリスのホルムヘッドを訪れるエピソードから始まります。地図の描き方やラウンド・アバウトの合理性、世界各国のトイレ事情など、ユーモアを交えた視点で描かれた内...

感想・レビュー・書評

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  • 『イギリスはおいしい』『イギリスは愉快だ』と同時期に出た、リンボウ先生初期のエッセイ集。12篇を収める。
    アーネスト・サトウ、明治維新を挟んだ時期に活躍したイギリスの外交官。サトウだから、日本人の血が入っていると思っていたが、違った。Satowはスラヴ系の姓。彼は日本や東洋について著作を多く残した。A Diplomat in Japan(邦訳は岩波文庫)もそのひとつ。ところが、これだけではなかった。古典籍を収集し、イギリスに持ち帰ったのだ。なんと、その数4万冊! いま、それらは大英図書館やケンブリッジ大学に所蔵されている。リンボウ先生は2年をかけて、これらの古典籍を調べ、書誌を作成した。「愛書家サトウの面影」はその思いが入った一篇、本書の読みどころ。
    冒頭の一篇が「ホルムヘッドの謎」。イングランドの北の外れ、予約した宿(B&B)のあるホルムヘッドへの行き方がどうもわからない。地図を見ても、橋のない河の向こう。かくして、雨が降って、その謎が解ける。愛車シトロエンはAA(イギリス版JAF)を呼ぶ羽目になったが。(p.s.ホルムヘッドはストリートビューで追体験も可能。景観はほぼ当時のまま。)

  • 交通事情やロシアの憂鬱、あばらやの姫たちの話が印象深い。イギリス話だけじゃなくて古文に対する見解なんかも興味深い。

  • ラウンドアバウトや横断歩道は、さすが英国という感じで憧れるし、著者の言うように日本にも導入してほしい!信号にコントロールされるのは昔から苦痛だった
    大英図書館の司書の対応は、イギリスらしくて面白かった。昨日閲覧した資料、次の日には“空襲で焼失しました”と出してきてくれない。最高。
    愛書家のアーネスト・メイソン・サトウについてはもっと知りたい。
    ケンブリッジ大学図書館のトイレ、閲覧者用はジェントルマン、レディースの表示、職員用はMEN、WOMENの表示で、階級差がある、大英図書館のトイレットペーパーにはgovernment propertyと印刷されている、とのこと。確認したい。
    著者の大作『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』を一度拝見したい。


  • 2.00

  • 12篇のエッセイ集です。内2篇は英国に関係ないのですが。えっ、連鎖してるって?

  • 林先生らしさを感じる文章で綴られたそれぞれの国の違いがとても面白いです。

  • うーん、普通ですな、名エッセイとか銘打つので期待したが特に可もなく不可もなく。
    歩道橋の話とか共感するところもあるのだが、何か面白くない。抱腹絶倒な訳でもなく、スリリングな訳でもなく、人情味溢れる訳でもない。こういうのを小粋というのかもしれないが、あまりお呼びでないようで、当方にとっては。
    多分当方が大人じゃないんだろうとしておきます。

  • トイレの話が面白いと進められたのだが、自分はロシアの話がとても面白かった。軽妙な語り口でイギリス大好き〜っという気持ちがとてもよく伝わる文章だった

  • 090227(n 100114)

  • まるでミステリー小説のようなタイトルと装丁の、リンボウ先生こと林望氏のエッセイ。
    タイトルは最初のエピソードに登場するイギリス郊外のホテルの名前から。

    デビュー作である「イギリスはおいしい」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した林氏の二作目に当たるエッセイで、本書では「イギリス~」で触れられなかった英国の交通事情や生活習俗に関するエピソードが納められている。

    特に面白かったのは、イギリスの公衆トイレ事情に関する考察。
    著者によれば、なにかにつけてフランスと張り合って対抗意識を燃やすことの多いイギリス人だけれども、こと公衆トイレ事情に関してはイギリスこそ世界に冠たる先進国であり、フランスは後進国なのだそう。
    なんでも、イギリスの公衆トイレの多くは地下に作られ、清潔で管理も行き届いているが、フランスでは目抜き通りに有っても吹きっさらしで床が水浸しのトイレが普通なのだとか。

    本書にはイギリスに関するエッセイの他にも、ロシアの話や、著者の専門であり一般には馴染みの薄い書誌学に関する話、はたまた和歌の源氏物語に関する至って真面目な考察など種々多様なエピソードが収録されている。
    それぞれのエピソードには一見全く関連性が無いのだけど、全体としてはある種の調和をなしている不思議な一冊。


    P.S.
    本書を読んで知ったのだけど、イギリスでは"public convenience"と書いて公衆トイレを意味するのだそう。
    日本語でも元々は大小便利をなすところで便所と呼び習わしたわけで、日英ともに同じような婉曲表現があるのは面白い。

  • 話は英国の奇妙な館に始まる。日英の地図の描き方の違いに筆は及び、便器についての卓抜なる考察を経て、はては源氏物語をめぐる色恋論へ―。独立したハズの12篇のエッセイが、何故か不思議に連環しあう…。

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著者プロフィール

1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程満期退学(国文学)。東横学園女子短期大学助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社/文春文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で講談社エッセイ賞受賞。『謹訳源氏物語』(全十巻、祥伝社)で毎日出版文化賞特別賞受賞、後に『(改訂新修)謹訳源氏物語』(全十巻、祥伝社文庫)。『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)、『往生の物語』(集英社新書)、『枕草子の楽しみかた』(祥伝社新書)等、古典評解書を多く執筆。学術論文、エッセイ、小説のほか、歌曲の詩作、能評論等も多数手がける。近著に『結局、人生最後に残る趣味は何か』『和歌でたどる女たちの恋心』(いずれも草思社)、『節約を楽しむ』(朝日新書)がある。

「2025年 『古往今来 忘れられた名著を味わう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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