イギリスはおいしい (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1995年9月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167570026

作品紹介・あらすじ

まずいハズのイギリスは美味であった!? 嘘だと思うならご覧あれ——イギリス料理を語りつつ、イギリス文化の香りも味わえる日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。文庫版新レセピ付き。

みんなの感想まとめ

イギリスの食文化をユーモラスに描いたエッセイは、一般的に「まずい」とされるイギリス料理の意外な魅力を伝えています。著者は、適当な塩加減や薄味の料理を紹介しつつ、食事に対するイギリス人の愛着や文化的背景...

感想・レビュー・書評

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  • イギリスの料理は不味い、そんな話をよく聞きます。

    確かに、お茶の話はよく聞きますが、、
    いわゆる“名物料理”というものはあまり印象にありません。

    こちらは、そんなイギリスの“食文化”についてエッセイになります。

    著者の林さんも、食べ物自体の味は適当で濃やかさはなく、
    安定もせずに、お世辞に美味しいとは言えないと一刀両断。

    それでも、イギリス人が“食事”に対していい加減なわけではなく、
    その行為には、人並み以上に愛着を持っているとしています。

    食卓の雰囲気、お酒の飲み方、ケンブリッジでの食事の風景、
    その背景となる文化を踏まえれば、なるほどなぁ、、と。

    個人的には“ティータイム”を一度、体験してみたく、、
    スコン、食べてみたいですね~

  • イギリスの食について、いかに美味しくないか、面白おかしく書かれていながらも、著者のイギリスへの愛が伝わってくる。時々、"そうそう"などと思って、クスっとしながら、あっという間に読了。

  • □感想
    ・イギリス料理「ボイル、ゆで」が中心で、お菓子以外は、不味そうだ、と言う印象。
    ・スコーンは、狼があくびをしているように、パカッと開くこと理想形だそうで、粉を捏ねるのに相当な力が必要だそうだ。

  • リンボウ先生の本でイギリスを好きになったのか、はたまたイギリスが好きだから本を手にとったにのか。

  • 冒頭、”イギリスの食事はまずい”と世界的に定評となっている説に対して、著者なりの考察が語られているくだりがおもしろい。その上で、イギリスならではの味わいや風習、人々との交流などがウイットに富んだ語り口で描かれ、かの国への興味がいや増した。

  • 先日の天声人語に、この本で取り上げられている、赤色の蕗に似た「ルバーブ」が取り上げられていた。

    「イギリスはおいしい」を読んでいなかったら、特に興味も持たなかったであろう。時代も変わり、日本でルバーブが受け入れられる様になったのだろうか…ちなみに私はまだこのルバーブというものを口にした事がない…



    • nejidonさん
      こんにちは♪
      ルバーブに反応してしまいました。
      もう15年くらい前から畑で育てています。
      大きな葉っぱが目立ちますがジャムにするのは茎...
      こんにちは♪
      ルバーブに反応してしまいました。
      もう15年くらい前から畑で育てています。
      大きな葉っぱが目立ちますがジャムにするのは茎の部分で甘酸っぱくて美味しいですよ。
      レビューは2年前のものですが、その後出会えましたか?
      2020/08/24
    • stanesbyさん
      インターネットで検索した際に「フキみたいなんだな~」と思ったまでで、まだ実物にはお目にかかっていません。。。。。ロンドン出張時にも出会う機会...
      インターネットで検索した際に「フキみたいなんだな~」と思ったまでで、まだ実物にはお目にかかっていません。。。。。ロンドン出張時にも出会う機会に恵まれませんでした。
      2020/08/24
  • アメリカ人の妻、日本人の家と並び「地獄」と評されるイギリスの料理。本書の冒頭から、「まずいイギリス料理」が次々と紹介される。またその描写がおもしろい。しかし最後は、「イギリスの食卓には、私たちの国ではもうとうの昔に失われてしまった、なにか美しい『あじわい』が残っている」と締めくくる。

    その「あじわい」の本質は、「雰囲気」と「コミュニケーション」。オックスフォードやケンブリッジ大学の伝統、ハイティーブル・ディナーにしても然り、パブにしても然り、勿論アフタヌーンティにしても然り。イギリスでは、各人が飲み物を手にして、あるいは食事をしながらくつろいで話をする「コミュニケーション」に主眼があるのだ。つまり、料理は、味そのものを追求するものというよりは、ディナーやお茶会や呑み会の席に皆で集まって会話を楽しむためのツールと言えそうだ。だから、旧知の友も初めて招かれた客も心地よく過ごせるように、すごく気を配る。それが、おいしさ」に繋がっているということだろう。

    そして、イギリス人にとっての家庭料理は、家族揃った食卓の、静かな、落ち着いた雰囲気の中でくつろいで談話を交わすという、そのことに実は一番大きな目的がある。料理そのものが主役ではないのである。
    一見、イギリス料理を揶揄しているかのようなタイトルではあるが、実は多くの日本人が忘れかけていた「大切なこと」に気付かされるのである(少なくとも、テレビを見ながらの夕食は止めなければならない…)。

    最後に印象に残った点をもう一つ。「パンは、その素材感、その機能、その食生活上に位置といったことまでも、ことごとく在来の日本の食習慣の構造的影響下にねじ曲げられ、変質して、今では世界中の他に類のない独特な存在となりおおせている」。ここで想起するのは芥川龍之介の『神々の微笑』。日本人が持つ、外来文化を「創り変える力」を、料理においても改めて実感するのである。

  • イギリスの食べ物は美味しくないって散々聞いてきたけど、この本を読んで少し考え方が変わった。先入観と固定概念を壊してくれる本。

  • イギリスの食べ物が中心のエッセイですが、結婚式に呼んでくれた夫婦やワインをアイスクリームとして売ってくれたおじさんの話など、登場する英国人の優しさにほっこりしました

  • イギリスと日本とで同じものでも、捉え方が違うことがあることを学んだ!
    まずは食事そのもの。食事はコミュニケーションのツールでしかないからこそ、あまり手をかけない。確かに高級レストランに行ったら、料理が話の中心になりがちなのはわかる。
    そしてパンの認識。イギリスではあくまで台、日本では主食。だからこそ厚さの違いがあるのかと納得。

    でも単純に食事への興味関心どの違いもあると理解した。何百年も前のレシピが今も本屋のメインに置かれていたり(進歩してない)、ゆですぎていたり、味付けはされていなかったり、味そのものを美味しくすることには重きを置いていなくて、
    それより会話が弾むようにシンプル料理とテーブルコーディネートで雰囲気作りに勤しむ。だからこそアフタヌーンティーのようなゆっくりできるテーブルセットが生まれたのかな?ホットならたくさんおかわりできるし。ずっと食べていたら話しにくいもんね。

    海外で現地のものを食べるだけでなく、こうやってその食事の背景や文化を知ったり、食べるスタイルまで真似ることができたら、本当に現地のものを食べたー!ってなりそう。これからベトナムに行くのでそんなことを考えた。

  • イギリスと言えば料理のまずさでいの一番にやり玉に上げられる国である。この本に出てくる料理もやっぱりあまり美味しそうには見えない(読めない)。ただし、イギリスの食事を楽しむ姿勢に関しては一目置きたい。この本に登場する人物は誰もがとても自由に食事を楽しむのである。この雰囲気を見習わなければならないと思いつつ、本が出てから30年以上経つがこの雰囲気は今でもイギリスに残っているのかも気になったりする。
    他に注目する点と言えば食材の違い。リンゴひとつとっても日本と全く違うものになっているのが新鮮で面白い。鱈(haddock)と真鱈(cod)の区別なんて日本人つかないもんね。
    著者のウィットに富みつつも軽い文体も読みやすいのでおすすめ。

  • 『イギリスはおいしい』(単行本は1991年刊)は、件の国滞在が長かった日本文学者・林望氏が綴る、英国食文化にまつわる<味わい深い>エッセイ集です。

     イギリスの食事はおいしくない、という不名誉な噂をしばしば耳にするわけですが、さて真相は……!?
     実際にイギリスで暮らした著者の舌体験に、食に対する広範な知識をのせて、名調子がくりひろげられます☆

    「他人を外見で判断してはならない」と、よく言われるけれど、著者の紳士然とした容貌、あの口ひげの形! 顔写真を見たことがあれば、「いかにもイギリスと相性がよさそうな方だ」と思ったのは、私だけではないはずだ★

     この単行本版が発表された1990年代、気づくと周り中がイギリス党になっていた時期がありました★
     90年前後に付き合いのあった友がシャーロキアンを気取ってロンドン情緒にあこがれ、私はその隣で、英語圏の児童文学や童謡殺人、切り裂きジャック(あわわ……)などの関連書籍を読みふけるのが、厨二の日常だったものです★
     日本をイギリスブームが席捲した時期だったのか、それとも本書がイギリスブームに火をつけたのか? 記憶が定かじゃなくなりましたが……。

     一行一行一言一言ににじむユーモア、しつこく面白がらせていただきました! 食感はともかく癖になる食事情に思いを馳せたり、エリートが海外で自炊に奮闘する生活を想像したり、熱々のフィッシュ・アンド・チップスに顔をうずめる場面を羨ましがったり。

     久々に再読していて、英食が興味をそそるのもさることながら、林氏の日本言語化がツボにはまるのだとわかりました★
    「~かもしれない」ではなくて「~かもしれぬ」、「いいですか?」ではなくて「よろしいか?」。たまに行間から「うぉっほん」と咳払いが聞こえてきそう……
     真似したくなるけど、決して自分には似合わない、失礼ながら時代がかった日本語で再現されるイギリスは、たまらぬ味……です☆

  • 林望(1949年~)氏は、慶大文学部国文学科卒、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学、東横学園女子短期大学勤務後、1984~87年にケンブリッジ大学及びオックスフォード大学留学、東横学園女子短期大学助教授、東京藝術大学助教授を経て、フリーの著述家となる。国文学者、書誌学者。英国滞在中の体験をもとに、英国の食文化・英国人の食生活について記した本作品で日本エッセイスト・クラブ賞(1991年)、『林望のイギリス観察事典』で講談社エッセイ賞(1993年)、『謹訳 源氏物語』(全10巻)で毎日出版文化賞特別賞(2013年)を受賞。
    私は、1990年代に数年間英国に駐在し、本書の存在は知っていながら、当時読むことはなく(今思えば、なぜ読まなかったのか不思議である)、今般、過去に話題になった本を新古書店で片端から購入して読んでおり、本書も初めて手に取った。
    内容には、英国滞在中に自分でも経験したこと、英国滞在当時またはその後に耳にしたこと(その中の一部は、きっと本書が出所になっているのだろう)、今般本書を読んで初めて知ったこととがあったが、英国の食に関して、何を置いても強調しておかねばならないことは、やはり、英国人には味覚が(ほぼ)ないということであろう。私が強烈にそれを感じたのは(丸ごとまたはその半分の)ローストチキンを食べたときで、あのパサパサかつ全く味のない肉に閉口したのとほぼ同じことが、本書にも書かれているのだが、英国人が料理に無神経なのは、ピューリタン的禁欲主義や、伝統的に「目の前にある飲物や食べ物にある種の無関心を払うのが、行儀がよいと考えられていた」ことが理由である、という記述には正直驚いた。
    一方、英国の食に関して、好感の持てる点ももちろんあり、著者と同意見なのは、パブとチップス(=日本でいうフライドポテト)に関するものである。と言うのは、パブはどんな小さな街にも必ず一軒はあり、国内を車で旅行しているときに、パブで食べられるチップス(+肉とか魚)のランチは、小さな子ども連れにはとても重宝したからである。
    また、本書には、典型的な英国料理(スコーンやローストチキン)の作り方なども詳細に書かれており、その点、料理好きの人の興味も惹くだろう。
    近年は、ロンドンの食事情も様変わりし、最新のミシュラン3つ星レストランの数は、ニューヨークと並んで5店で世界5位!(因みに、1位東京12店、2位パリ10店、3位香港7店、4位京都6店)だというが、英国の庶民の食生活も変わったのだろうか。。。機会があればまた是非訪れて、それを確認してみたいものである。
    (2023年3月了)

  • イギリスの食文化が面白おかしく書かれている。
    何度も吹き出してしまった。

  • イギリスの料理はまずいけれど、美味しいものはちゃんとある。

    僕も2年間ロンドンに住んでいたので共感できることがたくさんあって楽しめました。

    cox's organge pipinも、ムール貝も、ルバーブも、スコンも、ソルトアンドビネガー味のクリスプもたしかに美味しい!

  • 思っていたよりも面白かった。山形由美さんの"グリーンノウの伝説"ってあの辺りのことだったのですね。

  • イギリスのまずいとおいしいを痛烈に書いた本。
    イギリス人が何を大切にしているかという価値観もわかる。

  • 1995年出版。私も学生時代、確か1990年にロンドンへ行ったんだが、狂牛病疑惑で帰国後長らく献血できなかった。やっと解禁になったら、今度はお年頃で比重が足りないとな…あれ、何の話だったっけ?2018年に読んでもあんまり時の流れを感じさせない国だなあと。東京じゃあ、こうはいかない。

  • タイトルに反しておいしくなさそうな内容
    イギリス人のユーモアも垣間見えて面白いです

  • イギリスの食文化について、個人的な感想をたっぷり含めて紹介している面白い本。

    野菜を煮すぎるお話やパブの文化、アフタヌーンティーのお話も好き。発行からしばらく経っていて、今はまた変化しているだろうけどイギリスの食文化を知りたいならうってつけだと思う。

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著者プロフィール

1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程満期退学(国文学)。東横学園女子短期大学助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社/文春文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で講談社エッセイ賞受賞。『謹訳源氏物語』(全十巻、祥伝社)で毎日出版文化賞特別賞受賞、後に『(改訂新修)謹訳源氏物語』(全十巻、祥伝社文庫)。『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)、『往生の物語』(集英社新書)、『枕草子の楽しみかた』(祥伝社新書)等、古典評解書を多く執筆。学術論文、エッセイ、小説のほか、歌曲の詩作、能評論等も多数手がける。近著に『結局、人生最後に残る趣味は何か』『和歌でたどる女たちの恋心』(いずれも草思社)、『節約を楽しむ』(朝日新書)がある。

「2025年 『古往今来 忘れられた名著を味わう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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