- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167572013
作品紹介・あらすじ
出羽の雪深き山里に赴任した青年は深い失意の日々を送るが、策略をかわし苦難に耐え、逞しい武士に変貌を遂げていく。感動と共感の直木賞作品。「厦門心中」「小姓町の噂」併録。(赤木駿介)
感想・レビュー・書評
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新渡戸稲造的でステレオタイプな武士道噺ではあるけれど、自分は時代小説にこういう高潔さを求めているらしい。ニヤけながら愉しく読んだ。
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「狼奉行」「厦門心中」「小姓町の噂」3篇。
「狼奉行」は山代官の下役に左遷された若い武士が土地の者、地侍、風習などに馴染みつつ、お家騒動に巻き込まれないよう配慮された左遷と気づき、敵対派閥との葛藤や土地への愛着を描いている。
「厦門心中」は登場人物の名前が読めなく断念。
「小姓町の噂」が3篇の中で一番面白かった。日露戦争で捕虜となったロシア兵の収容所に勤める通訳が主人公。山形県で実際に捕虜が2年近く収容されたこと、国際法の手前、手厚く扱わなければならなかったこと、ロシア兵にも階級差があり貧しい幼少期を過ごした主人公や同じ収容所に勤める巡査は農民の兵士に同情的なことなどが日記のように描かれている。 -
高橋義夫さん、直木賞受賞の短篇集
不思議な雰囲気の作品集でした
起承転結ですっきりではないけど、独特の雰囲気があって
表題作についても何を書きたいのか、いつの時代にも共通の、流れに巻き込まれる人間の悲哀を描きたかったのか
私は元狼奉行として山にもぐって生きていく爽快な作品として読みました
いずれにしても落としたのはそこか、とちょっと驚きというか不思議さが残る作品
これが直木賞といわれると微妙ですね -
2011.5.10(火)¥178。
2011.5.12(木)。
「狼奉行」1991年第106回(1991年下半期)直木三十五賞。他に中篇「厦門心中」「小姓町の噂」。