蛇鏡 (文春文庫 は 18-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167584016

作品紹介・あらすじ

永尾玲は婚約者の広樹と姉の七回忌のために故郷の奈良へ帰ってきた。結婚を目前にして姉の綾が首を吊った蔵の中で、玲は珍しい鏡を見つける……それが惨劇の始まりだった。(三橋暁)

感想・レビュー・書評

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  • 今年初めての一冊は、日本人でよかった~!と思える伝奇小説。坂東さんの狗神に衝撃を受けて、虜になってしまった。これも、日本的な湿った怪奇小説で、舞台が奈良の土着的なお話。とにかく世界観がドハマリなんです。好き嫌いあると思うけど、日本人でヨカッタ!

  • 蒸し暑く、湿った空気の籠る土地の描写は良いのだが、ストーリーや登場人物については微妙。
    ラストシーンの匂わせ描写で著者の「狗神」を思い出す。
    狗神での恋愛描写はどうしようもない血の縛りを感じさせられる設定で「成程」と思ったが、蛇鏡の恋愛模様は主人公がただ「嫌な女」になって終わるのが残念。
    登場人物のベトベトした嫌な部分を見せるのは上手いけれど、この話に婚約者、もしくは初恋の相手の存在の両方が必要だったんだろうか…と思ってしまう

  • 紙版の本行方不明のため、2019/9/2 AmazonよりKindle UnlimitedでDL。
    2019/9/6〜9/10

     記憶が正しければ、坂東作品は「死国」と「狗神」は少なくとも読んでいるはずだが、記録には残っていない。恐らく20年以上ぶりの坂東作品。独特の薄気味悪さが伝わってきて、すぐに坂東ワールドに引き込まれた。いやあ、怖いわ。読書ローテーションに再び組み込まないと。

  • 死国ほどのインパクトを感じなかったのは彼女の作品も3作目になったからかなあ?悪くないんだけど主人公のキャラがどうにも好きになれないのがきつかった。ラストは意外な方向に来た。

  • こういう古代物の小説が好きなので読んでみたが、これはイマイチでした。
    田舎の因習も浅いし、全体的に軽めでした。
    最後のオチもはっきりと変化があるわけでもなく、ボンヤリと終わりました。
    せめて蛇の子が生まれるとか、一成が蛇神に乗っ取られるとかあれば良かったのに。
    坂東さんの作品は当たり外れが大きくて、これは自分好みではなかったです。

  • 地の神話と呪いの話。蛇神様が最後は彼に移ったのか、それとも・・・不気味でジワジワくるホラーなところが好き。主人公の気持ちも、相手の気持ちもどちらも恋愛感に「そうそう!わかる!」と思わず頷いてしまった。

  • 地元で「みぃさんの祭り」がおこなわれる直前に、恋人の広樹をともなって実家に帰省した永尾玲は、蔵の中で蛇をかたどった鏡を発見します。この鏡は、三年前に自殺した玲の姉の綾が首吊り自殺をおこなった場所に置いてあったものでした。

    斗根遺跡の発掘をしていた田辺一成は、玲から蛇鏡の話を聞き、興味を示します。広樹のつれない態度に、将来の幸せについて漠然とした不安を抱いていた玲は、しだいに一成に惹かれていきます。

    その一方で玲は、父の前妻だった多黄子が、33年前にやはり蔵で首を吊って自殺し、その足元に蛇鏡があったこと、さらに姉の綾が自殺したとき、彼女は婚約していた男性ともう一人の男との間にはさまれて苦悩していたことなどを知ります。しかも、多黄子も綾も、みぃさんの祭りの日に自殺を図ったというのです。自分と同じくうつろいがちな恋に悩んでいた永尾家の女性たちが、みぃさんの祭りの日に自殺していたことを知った彼女ですが、一成に惹かれていく自分の心をどうすることもできず、鏡と向きあいつづけてみぃさんの祭りまでの日々を送ります。

    一成は、地元の鏡作羽葉神社(かがみつうりはばじんじゃ)が蛇と関係の深い大物主大神を祀っていることに興味をいだき、蛇神がよみがえる時が近づいているという神主の東辻高遠の依頼を受けて、蛇神にまつわる謎を解くために、神社に伝わる社伝の解読を急ぎます。

    土俗的なホラー・ストーリーと、恋に悩む女性の心情がからみあって、独特の作品世界をつくりあげています。ただ、大掛かりな舞台設定の割には、ストーリーがやや単調に感じてしまいました。

  • 期待以上に面白かった!
    大好きな奈良と神話が題材となっていて物語にのめり込めた。
    玲の気持ちの変化も、丁寧に書かれていたし。
    ラストがん?という感じも、するけど良かった

  • 意識しての事ではないのだけれど、今年(巳年)に入ってから蛇に纏わる本を沢山読んでいる気がする。

    土地土地によって伝わっている事の差はあるものの、古代から蛇と人間は密接な関係にあるのですねー。

    現代に、こんな不思議な事が起こるわけないじゃん!
    と頭では思っていても何だかゾクっときてしまう。
    終わり方もスッキリしていて好みの本でした。

  • ミステリーというよりホラーかな。馴染みのある奈良が舞台なので、楽しく読めました。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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