玻璃の天 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 178
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167586058

作品紹介・あらすじ

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和初期の帝都を舞台に、令嬢英子と女運転手ベッキーさんが
    不思議な謎に挑むベッキーさんシリーズの2作目では、ベッキーさんこと
    別宮みつ子氏の素性が明らかになりました。

    これで今後は
    桐原勝久大尉とベッキーさんの二人の行く末が気になるところ....
    この二人に何か進展はあるのでしょうか♪
    期待が膨らみます。^^

    このたびも、ちょっとしたミステリの中に
    文学・芸術が絶妙な味わいで織り込まれた三編。
    英子令嬢とベッキーさんは好奇心旺盛に真相を探っていきます。

    ・与謝野晶子・枕草子・あしながおじさん
    ・百人一首・想夫恋.... 

    勉強にもなります。

  • シリーズ1作目の街の灯も良かったが、2作目は言葉では表せないくらい良かった。って言うより、感想を上手に自分の言葉で書き綴ることが出来ない。
    いつもだけど、北村薫さんの本を読むともっと勉強したくなる。
    枕草子も伊勢物語も、平家物語も…。
    そしてこの物語で描かれている時代についても。
    ベッキーさんのことが少し判ったけど、これからどうなるんだろう?
    さあ、シリーズ最終章を読もう!

  • お嬢様と別宮(ベッキー)さん、どちらもしっかり教養と自分の考えを持っていて素敵だった。
    ユーモアもあって面白かった。
    ミステリーとしても面白かった

  • オール讀物2005年11月号:幻の橋、2006年7月号:想夫恋、2006年11月号:玻璃の天の3つの短編を2007年4月文藝春秋から刊行。ベッキーさんシリーズ2作目。2009年9月文春文庫化。第137回(2007年上半期)直木賞候補作。登場人物たちに魅力があります。時代の雰囲気も良く出ていて、楽しめました。

  • ベッキーさんシリーズ二冊目。
    今回でベッキーさんの秘密も明かされてきます。
    今回も主人公英子とベッキーさんの知的な雰囲気に包まれ、背筋がしゃんとするようです。
    著者の表現が日本語の美しさとむずかしさが入り混じり、一段上の世界を歩くように読んでいます。

    ベッキーさんの印象に残った言葉。
    「水中の魚に、己を囲む水は見えないものだと思います」
    こんなこと思いもよらなかった。私たちを包む空気というものが当たり前ではなかったのだなと今さら感じました。

  • ベッキーさんシリーズ第二弾。
    知らずに2巻から読んでしまったが、短編連作なので、2巻から読んでも楽しめる。
    舞台は昭和初期の東京。
    主人公の令嬢と女性運転士のベッキーさんが事件や謎を解いていく、日常ミステリ。
    華族同士のつながりや、学校の友人たちの話など、昭和初期の知らない時代の様子を読むのも面白い。
    ベッキーさんの正体が明らかになるが、そこの章で出てくる会話が、読解力がなさすぎて、何度も何度も繰り返し読んで理解した。
    理解すると、いろいろ繋がってきて納得する。

  • 『ベッキーさんシリーズ』三部作の第二作。昭和初期の東京が舞台、女学校へ通うお嬢様と運転手兼付添人のベッキーさんが活躍するミステリー短編集。表題作では謎多き女性であるベッキーさんの過去が判明する。おすすめ。このシリーズは昭和のお嬢様ワールドが味わえるが、いざ事件発生の場面でも作品全体の気品を損なわない程度の最小限描写にとどめてあり、状況把握がしずらい欠点があると思った。
    収録作)『幻の橋』、『想夫恋』、『玻璃(はり)の天』

  • ベッキーさんシリーズの1冊目「街の灯」を読んで面白くて
    大喜びでこの第二弾の「玻璃の天」を読んだわけですが。
    今回は先が気になり過ぎてゆっくり読めずでした。
    文章もあんまり味わう余裕がなかったです。
    お話の中の雰囲気が、不穏な空気が漂っていて重い感じを受けました。

    違う本のことを書いてしまって良くないのかもしれないけど
    つい最近読んだ広瀬正さんの「マイナス・ゼロ」の中に出てくる時代(の一部)と殆ど同時期で
    あちらは庶民の目から見た銀座界隈の生活を描いていましたけど
    その先の戦争のことも書いてあって・・その辺のことを思い出したりで
    なんか「ああこの先は・・」とか思っちゃって辛かったです。

    ベッキーさんのことが段々と分かってきて、悲しくなったり
    英子ちゃんのこれからを思うと心配になってきたりとか
    とても素晴らしい本なのは確かなのに、レビューに暗いことばっかり書いてしまいます・・。
    シリーズ最終の「鷺と雪」も買ってあってすぐ近くに置いてあるんだけど
    なんとなく手が伸びません・・。
    なんだこの「街の灯」の時とのテンションの違いは。
    もう少し落ち着いたら読むことにしよう・・。

    こんな変なレビューだけど、本当に良い本だからこそ影響を強く受けて気持ちが動いているってことだと思ってます。

  • 柔らかく、優しいミステリーのベッキーさんシリーズの2作目です。

     前作からの個人的な疑問ですが、「私」である主人公、背景となる上流社会、この辺りは私的にあまり興味を感じないハズ。にもかかわらず、2作目も読みたかった。何ででしょうね?
     ミステリーではあるが、「穏やかな流れのなかにある感じ」がして不思議です。

     1作目から少し時間の経った昭和8~9年が背景です。戦意高揚の雰囲気がピリピリしてます。ですが、相変わらず「私」は穏やかな生活の中で、謎を解いていく。「想夫恋(そうふれん)」の謎解きは、読んでもさっぱり分かりません。

     傍らにあり終始冷静で透明感のある「ベッキーさん」こと別宮は、1作とは違い「私」との間に距離を感じます。読み終わってみると、なるほどです。

     1作目最大の謎であった、「別宮が何者であるか?」が分かります。ココに2作目の冒頭から、「私」に距離を感じた理由がありました。

    「ベッキーさんシリーズ」は次の「鷺と雪」で最後で御座います。もうしばらく、この世界感に浸らせて頂きます。

    1作目「街の灯」のレビューはココで
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4167586045

  • 言いたいことも好きには口に出せない、口にすればたちまち糾弾される。そんな時代をうまく物語に絡めてきます。前作に比べると昭和初期の事件が近づいてくる時代を意識してか、少し暗い話題もちらほら。その中で、資生堂パーラーのクロケットなどの明るい流行の話題が混じったりしていいバランス感。ところで、コーヒーが出てくるのはいつの時代からなんだろう・・・。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『ヴェネツィア便り』『小萩のかんざし いとま申して3』『中野のお父さんは謎を解くか』など。

「2019年 『遠い唇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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