玻璃の天 (文春文庫 き 17-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167586058

感想・レビュー・書評

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  • 読了日2010/03
    ミステリーとしては物足りないけど、現代では失われてしまったこの時代の日本の文化の描写は面白い。
    昭和初期の上流階級の生活。日本語の美しさ。
    子供たちに読んでほしいミステリです。

  • ベッキーさんって何者…?
    という疑問が明らかに。

  • 名作です。

  • ベッキーさんシリーズ続けて二作目。英子も中期課程を終え、後期課程へと進み、年齢も丁度15.6。この巻では、そんな少し大人になった英子の周りの男女関係の騒動も描かれる。ベッキーさんの悲しい過去も。世の中には、白と黒だけではなくグレーのこともある。現代だとしたら白と黒に分けないといけないかもしれないが、昭和初期という時代がグレーにせざるをえないことも多々あり。この時代設定だからこその物語が多い。

  • ベッキーさんシリーズ面白い。
    次巻が図書室で見つからないけど、直木賞ならあるはず!

  • 前作を読んだ時には優雅な気分になった気がしたけど、今作はそれよりも考えさせられることの方が多かったと思う。
    文章は美しく、情景描写が多い、それでいて読みやすい。

  • 前に読んでたのに記録し忘れていたので再読。

  • 『街の灯』に続く、ベッキーさんシリーズ二作目となる連作短編。

     昭和初期を舞台にしたこのシリーズですが、時代は徐々にきな臭くなってきました。作中では、大日本帝国を賛美する思想家が登場するなど、大戦へ向かおうとする日本の姿が現れつつあります。

     そして、そうした思想に出会い、英子は何を思うのか、他の登場人物たちは何を思うのか、そこも作品の読みどころの一つとなります。

     特に表題作の「玻璃の天」なんかは、それが大きなキーワードになります。戦場に向かう弟を思った歌、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」をめぐっての、英子とその兄の会話は、自由に言葉を挙げることの難しさを考えさせられます。

     そして、事件の動機にも時代背景と、当時の人間に思想の強さが絡んできます。そこにベッキーさんの過去も明らかになり、事件の悲しさを浮き上がらせるのです。

     どうしようもない過去に対し、二人は前を向いて歩けるのか。しかし、その前も戦争と大きな主義・思想が支配する時代が近づいてきている、と考えると、この二人の生末がどうなるか、心配でもあります。前作に引き続き、今作でも、本をめぐっての級友とのやりとりや、銀座のコロッケに舌鼓をうったりと、少女らしい純真さや、かわいらしさが残っている英子だからこそ、こうした事件や時代に当たり、どのように変わっていくのかも、また心配なところです。

     ベッキーさんシリーズも次回で最終巻。この心配の感情がシリーズを読み終えたころ、どうなっているのか。少し怖くもあります。

  • あと、一冊でシリーズが終わるのが残念

    (>_<)

  • 財閥令嬢 英子さんと、助成運転手ベッキーさんシリーズの第2弾。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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