わたしの渡世日記〈下〉 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.18
  • (23)
  • (14)
  • (14)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 173
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167587031

作品紹介・あらすじ

名演出家、成瀬巳喜男の「浮雲」、木下恵介の「二十四の瞳」など多数の映画に出演した戦後。その一方で、スターという虚像から逃れようと、七カ月のパリ独り暮らしをしたり、谷崎潤一郎や志賀直哉、梅原龍三郎らとの交友を楽しんだり。川口松太郎が「人生の指導書」と絶賛した、女優・高峰秀子の一代記。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • あとがきで、沢木耕太郎がこの本の面白さ、というか文章のうまさについて真っ正面から考察していて、よくぞやってくれたと思った。
    そう、内容じゃなく、文章、語り口の魅力なんだ。そういう意味でいうと安野光雅も私にとっては同じなんだけど。この人の文章ならなんでも読みたいと思わせる。

    『巴里ひとりある記』も、存在は知っていて「あー、はい女優のパリエッセイね」と思っていたけど、俄然読みたくなった。

  • 予想通り下巻も翌週末にてあっさり終了w

    巻末の解説には彼女が司馬遼太郎という人を表現するのに用いた文章が彼女を大した文章家だとして評価するにたる証拠のひとつだとして紹介していた。思えば自分にとっての司馬遼太郎ブームも彼の没後に編まれたある追悼文集から始まり、その中の一人として彼女の名もあったことを思い出すに、こうしてこの種の自分の中での知識の輪廻は続いてゆくのだなということを感じさせられる。

    彼女と義母との間にあるどろどろとした愛情なのか憎しみなのかなんだかわからない部分について扉を開けて語ってもらう部分が何度となく登場する。ただ本作の終盤に差し掛かるに、彼女は彼女でこうした形で整理をつける必要があったのだろうなということが徐々に伝わってきた。これらの部分は二度読んで参考になるようなところはなにもないだろうけれども、他に二度三度と読み返してみたくなるような部分はたくさんあった。それぐらい高峰秀子自身の口から、筆から湧き出る名言にあふれていた作品だったと評価して良い。

    さて、こうしてめでたく別視点の木下惠介と成瀬巳喜男が自分の中にできあがった。いよいよ鑑賞歴を深めていきますか!

  • 「勲章なんて要りませんたら、要りません」なんて、まるで漱石のようですね。この清々しさも女史の魅力のひとつですね。そして、ひとりパリに日本から逃げるように旅立つその姿に言いようもないいじらしさを感じます。幼いころから苦労を重ねてきてつらいことも人知れず経験したことが窺えますが、それにもめげずに素晴らしい人たちと出会い、本当に人生の醍醐味を存分に味わわれて幸せであったのではないかと想います。女史の出演された映画をこれから楽しみたいと思います。

  • 強い意志と、磨かれた知性。高峰秀子の出演作が見たくなりますね。

  • 私の口の中に、まだ「親知らず」は生えていない。

  • 10代のころ、ハリウッドのクラシック映画にはまったことがあるが、20代後半ころから日本の昔気質の作り手の心意気のカッコよさを知ってから、古い邦画も見るようになった。それがきっかけで
    昨年逝去した高峰秀子という昭和の大女優の一人が執筆の才能も絶賛されているのを何かで読んで俄然興味が湧き、丸善で彼女のエッセイを探しさんざん迷った挙句、なかでもひときわ評判のよさそうな「わたしの渡世日記」の上下巻のうち、下巻を購入した。
    本を購入するというのをあまりしない私にとっては、いきなり上下巻購入するのはちょっと勇気がでなかったのと、目次やぺらぺらページをめくった感じでは下巻のほうがおもしろそうだったからだ。
    で、ようやく感想になるんだけれど、スクリーンの中の彼女のキレのいいネエチャンキャラそのままの無駄のないさっぱりとした文章力。こころにジーンとくる文章も大好きだけど、「そんなことどうってことないよ、くよくよしてないでさあ次いくよ」という突き放した暖かさが辛口の文章からも感じられて、「はい、姐さん」って私の心はいつしか秀子姐さんの背中を追いかけているようだった。
    決して親族に恵まれたとは言えない環境で、華やかでもつらいこともたくさんあっただろう彼女だからこそ、書けた自分史なんだろうな。私のone of roll modelsとして大切にしたい一冊です

  • 感想は『上』に書いたので。

    親子間の交々
    ここも読みごたえあり。
    フランス渡航前後のくだりと
    最後の母子間のあれこれ。

  • 激動の昭和の映画史とともに生きた筆者の
    女優人生が、淡々と描かれている。
    優雅な笑顔の女優の素顔は、こんなにも
    気風の良い、さばさばとしたお人柄だったんだなぁと、
    驚くとともに、ますます好きになった。
    義母との確執、かなわなかった恋・・・つらいことも
    確実に演じることにいかさせれていたのではないかな。
    生涯、学校には数カ月した行ったことがない・・・と
    あるが、一流の仕事、スタッフ、文化人と出会い、
    闘い、心のつながりを大切にして、感性が磨かれたんだな
    と感動するほどに、すばらしい自伝だった。

  • 昨年12月28日に86歳で亡くなった女優高峰秀子さんの自伝。5歳から働き苦労の連続だったが頭のよさと潔さに敬服する。「俳優もスタッフも、だれかれの区別もなくみんなが平等に一本のクギであった。監督の命に従って、空に描く楼閣は、一本一本のクギにささえられ、作品として完成する」高峰さんの遺志を継ぎ、映画界に長年貢献した裏スタッフの表彰などを目的としたNPO法人「1本のクギを讃える会」を設立するそうだ。

  • <A HREF="http://tg.cocolog-nifty.com/diary/2008/12/911-ea2c.html" target="_blank">2008年12月1日</A>

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1924年生まれ。日本を代表する名女優であり、歌手、エッセイスト。著書に『私の渡世日記』など。

「2018年 『あぁ、くたびれた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

わたしの渡世日記〈下〉 (文春文庫)のその他の作品

高峰秀子の作品

わたしの渡世日記〈下〉 (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする