にんげんのおへそ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 55
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167587062

感想・レビュー・書評

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  • 昨年末に亡くなつた(元)女優・高峰秀子さんのエッセイ集であります。
    池部良さんの時も感じましたが、これだけの人物が亡くなつたといふのに、通り一遍の報道しかされてゐないやうです。悲しい。
    本書は何となく本屋で逍遥してゐたところ見かけて、購買した次第であります。

    知人のお嬢さんにウェディングドレスを貸す話の「四十三年目のウェディングドレス」。貸衣装で100万円とはべらぼうな話であります。既にスタアだつた高峰秀子が、結婚当時貧乏だつたといふ。なぜ?と思つてゐたら後の「ひとこと多い」で明らかになりました。
    「オッパイ賛歌」は、ある医者の誤診で危ふく乳房を片方失ふところを、石井ふく子プロデューサーのおかげで救はれた話。セカンドオピニオンは大事だな、といふ方向へは行かず、誤診をした医者に思ひを馳せるのでした。

    「おへそ」は映画界の職人の良い話。「ひとこと多い」では、養母との確執が語られる。スタアなのに貧乏だつたのは、この養母にすべて吸い取られてゐたからなんですね。
    「ただ今自分と出会い中」は、自らに忍び寄る老いがテエマ。しかし全く深刻さがなくユウモワで包まれた文章なので、読む方としても辛くないのが良い。
    勇気をもらへる1冊と申せませう。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-208.html

  • すごく文才のある人。
    昭和を代表する大女優であるにもかかわらず、全く違和感なく親しみやすい文で一気に読んだ。
    高峰さんの著作、他にも読んでみたい。

  • さらっと読める洒脱なエッセイ。 でも養母とこんなに複雑なことになっていたとは知らなかった

  • 読み始め…12.2.23
    読み終わり…12.2.24

    高峰 秀子 さんいいですね ! 一目ぼれならぬ一読みぼれ ? です。(笑)北海道のお生まれだそうですが、幼少のころから東京(育ち)にお住まいだからなのか江戸っ子気風たっぷりです。( と 私は思います。)

    それに少しお茶目で可愛らしい所なんかはなんとも私の母そっくりで♪と、そう思ってみれば高峰さんがこちらのエッセイを書かれた頃のお歳と私の母の今の歳がちょうど同じくらいのようでした。これは母にも読むようにすすめたらきっと喜びそう...♪

  • 高峰秀子さんが養女にはいって、養母に苦しめられたり、親類縁者が金を無心に来たりという話を読んで、夏目漱石と境遇が似ているなと思いました。 このエッセイを書かれたのは御年70歳頃でしょう。なんと瑞々しいこと。それにまず、徒な文が一行も無い。けれんみがない。わたしもこのような文章が書けたならと思いますが、生きざまは違いすぎるは、感性はとてもとても及ばないはで、とても無理な話ですね。

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著者プロフィール

1924年生まれ。日本を代表する名女優であり、歌手、エッセイスト。著書に『私の渡世日記』など。

「2018年 『あぁ、くたびれた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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