ソクラテスの口説き方

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 371
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167588076

感想・レビュー・書評

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  • 面白いエッセー集
    決して哲学者による哲学の話…ではない
    …むしろ日頃のうっぷんを晴らしているだけのトイレのようだw
    もしくは人生の哲学の中から鬼嫁日記をカムフラージュさせた笑劇作みたいなコラム集
    面白さでは5つ星なのだが何故か星5つ付けるのにためらってしまいます。。。

  • あいもわらない、屁理屈全開ユーモア・エッセイ集です。日常生活におけるユーモアではないせいか、文章にどことなく超俗的な雰囲気が感じられます。

    解説を書いているのは著者の弟(という体、なのでしょう)。たしか以前は著者の母が登場していた。じっさいに全員がこんな調子の家族がいたら、と思うと、おかしいような、ちょっと嫌なような気がします。

  • 哲学者として 尊敬されたい。
    男として評価されたい。好まれる中年、オヤジとなりたい。
    とつねに 人の目を気にしながら 助手や友人に論戦に挑む。
    なんと言っても、その論戦の相手が 本音で語るのだから、
    土屋教授は たじたじ となる。
    結局は 軽率でさえないオヤジになって 幕を閉じる。
    わずか 4ページで これだけのことを まとめあげる
    『論理力』と『仕舞方力』は、すばらしいものがある。
    ロジカルシンキングは すべて 自分に跳ね返る。

    『私に幸福になってほしいと思わないの?』
    『私のこと 愛していないの?』
    『私のことなんか、どうでもいいと思っているの?』
    『だから バックを買ってもいいわよね?』
    土屋教授は バックと幸福の関係を追求する。
    『あのバックがないと幸福になれないの?』
    土屋教授は バックはちょっと高いという。
    この時点でもう負けているのだ。
    『男のくせに、どうして細かいことにこだわるの?』
    『理屈を言うなんて、男らしくない』ととどめを刺される。
    土屋教授は 男や男らしくにこだわるので、そこの弱点を突けば
    降参するしかない。
    ロジカルディベートの キラーワードを奥さんは知り抜いている。
    こうやって 土屋教授は 愛妻に かぎりなく 愛を捧げるのである。

    助手の 白湯に関する告白や 
    弟の 兄に対するリスペクトが まぶしい。

  • 面白おかしいエッセイ。ただ面白おかしいだけでなく鋭い切り口での批評の目を忘れていない。

    2003年初版ということでジョークが示す世相が若干古い。(老人に関する意識など)
    当時読んだらきっともっと面白かっただろう。

  • 【本の内容】
    「なぜ結婚すべきか」「好まれる中年男」「命令に従わせる方法」「妻のために死ねるか」など、人生におけるさまざまな難問をあらゆる角度から笑い飛ばし、読めば読むほどなぜか戦意喪失させるツチヤ教授の爆笑エッセイ。

    [ 目次 ]
    戦の章(女の論法の研究;人類の不幸 ほか)
    意の章(プロ野球には失望した;みんな専門家 ほか)
    喪の章(神の性質;命令に従わせる方法 ほか)
    失の章(酒飲みは不可解だ;何が自分の望みか ほか)

    [ POP ]
    週刊文春の連載コラム「棚から哲学」をまとめたのが本書である。

    実は、わたしは週刊文春を毎週読んでいて、「棚から哲学」はいつも楽しみにしている。

    毎週読んでいるのなら、文庫を読む必要がないと思う方もおられようが、一度楽しんだ文章もまとめて読むとさらに楽しい。

    回転寿司で、目の前に来た寿司皿を片っ端から胃袋に収めていくような満足感が得られるのだ(もっともそんな食べ方をしたことはない)。

    土屋賢二さんは哲学を専門としている大学教授である。

    自分のまわりで起きたこと、感じたことなどをいつもおもしろ可笑しく書いているが、批判の目を忘れない。

    批判的な視点こそ哲学者に不可欠な要素だからだ。

    哲学者は批判をする場合、自分のことは棚に上げるのが常である。

    棚に上げすぎると棚が壊れて落ちてしまう。

    こうなると、もう笑いが止まらないのである。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読書録「ソクラテスの口説き方」4

    著者 土屋賢二
    出版 文藝春秋

    P110より引用
    “二〇〇〇年問題をあなどってのんきに信念
    を迎えた人もいたと思うが、わたしは違っ
    た。”

    目次から抜粋引用
    “女の論法の研究
     ジャズにおける分類法
     免許証の写真
     哲学の悲しい本質
     命がけの原稿”

     哲学者である著者による、雑誌連載のエッ
    セイをまとめた一冊。
     女性の論理的能力についてからオリンピッ
    クの意義についてまで、自筆のイラストを添
    えて書かれています。

     上記の引用は、2000年問題について書かれ
    た項での一文。また懐かしい話ですね。あれ
    だけ世間を大きく騒がせておいて、特に何も
    起こらずに過ぎてしまいました。大山鳴動し
    て鼠一匹というところでしょうか。
    私のようなのんきな人間が何もしてなかった
    だけで、コンピューターに関わる技術者たち
    は、年が明ける瞬間までヒヤヒヤもんだった
    ようですが。
     初めて見た時は、ひでえ、と思っていたイ
    ラストですが、シリーズを重ねて読むうちに、
    このイラストでなければと思うようになって
    きました。

    ーーーーー

  • 個人的には一番好き。

    特に
    もしも桃太郎だったら
    免許証の写真
    などはちょっと思うところがあったりする。

  • 天邪鬼なユーモアが楽しかったが、途中で少し飽きてしまった。ほかの本も読んでみたい。

  • 4/1読了

  • いつもどおり。

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著者プロフィール

1944年岡山県玉野市生まれ。玉野市立宇野幼稚園、宇野小学校、宇野中学校と、とんとん拍子に宇野地区きっての名門校を進み、中学2年生のとき岡山市立丸の内中学校に転校。岡山操山高校を経て、官僚を目指して東京大学文科一類に入学。2年後、方針転換して文学部哲学科に進学して大学院博士課程中退。東大助手を務めた後、お茶の水女子大学に着任。35年にわたって哲学を教え、現在、お茶の水女子大学名誉教授。 哲学のかたわら、五十歳のときユーモアエッセイ集『われ笑う、ゆえにわれあり』(文春文庫)を出版したのを皮切りに、『妻と罰』『ツチヤの貧格』(文春文庫)、『ツチヤ学部長の弁明』(講談社文庫)など多数のユーモアエッセイ集と、『ツチヤ教授の哲学講義』『ツチヤ教授の哲学入門――なぜ人間は八本足か』(文春文庫)など少数の哲学書を発表、いずれも好評のうちに絶賛在庫中。他に『幸・不幸の分かれ道――考え違いとユーモア』(東京書籍)、『われ悩む、ゆえにわれあり―― ツチヤ教授の人生相談』(PHP)などを矢継ぎ早に発表し、在庫に花を添えている。週刊文春とPHPに連載中。

「2013年 『哲学者にならない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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