「レ・ミゼラブル」百六景 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2012年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784167590062

作品紹介・あらすじ

なぜ警察に追われるジャン・ヴァルジャンは、パリのその街区に身を隠したのか? 里親から虐待を受けるコゼットが、夜店でひとり見つめていた人形はどこでつくられたものなのか? 十九世紀の美麗な木版画二百三十葉を百六のシーンに分け、骨太なストーリーラインと、微に入り細を穿った鹿島茂先生の名解説で、〈みじめな人々:ルビ:レ・ミゼラブル〉の物語をあざやかに甦えります。ラッセル・クロウであのミュージカルが正月に映画公開される今、読み直しておきたい長大な古典の傑作。これ一冊で深く理解できます!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語の深いテーマとキャラクターの描写を堪能できる一冊で、挿絵が豊富に使われているため、視覚的にも楽しめる内容となっています。特に、ジャン・ヴァルジャンやコゼットの物語を通じて、19世紀のフランスの社会...

感想・レビュー・書評

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  • 今年の秋は、岩波文庫版「レ・ミゼラブル」(豊島与志雄訳)と悪戦苦闘している。年末の今ようやく第三巻の途中まできている。

    本筋はかろうじて掴めているのだが、この大作の特徴なのだろうが、ちょい役の人の生い立ちまで丁寧に語り、当時のフランスの政治状況、社会状況を丁寧に描いている。それ故にこの大作が文学作品として特別に優れたものとなり、19世紀の叙事詩と言われているのだろうが、日本人には理解し難い面もある。

    元々は読破してから鹿島さんの本作品を読んで理解を深めようと思っていたが、読み進めるのが苦痛になりつつある今、読破するにはこの本の助けが必要と思い積読本の中からなんとか探し出し読め始めた。

    結論から言うともっと早く並行して読み始めればよかった。
    素晴らしい解説本で、岩波版と同じ挿絵を使って解説している場面も多い。「レ・ミゼラブル」をより深く理解し楽しむためには必読の本と言っていいと思う。また、本作品だけを読んでも「」レ・ミゼラブル」をかなり理解することが出来るのは間違いない。

    最近新刊本屋では見かけないが、切れているようならばぜひ増刷してほしい。

  • 学生時代に一週間かけて読んだ名作。映画でも何度も見た人生五指に入る作品。仏文学者らしい観点での説明も嬉しくわかりやすかった。年齢も時代も地域も関係なく普遍的な作品を再確認させて頂いた。

  • 今、全訳本を読んでいるのだが、その復習に最適。ユゴーがまだ生きていた時代に出版された挿絵つきの『レ・ミゼラブル』から、106枚の挿絵を抜き出してあらすじと解説をつけている。一つの絵に一つのエッセイがついており、その解説が簡にして要を得ている。しかもそれらが、原作のあらすじに忠実に並べられているので、長い全訳本を読んでいて、前の話が思い出せない時にとても便利。挿絵もすばらしい。物語のイメージがより具体的になります。

  • 最初の精読の時、分からない部分が多かったので、この本を手に取った。当時の風俗や地理や歴史が補足されていて、次回の精読の時に役に立ちそう。付録の地図や挿し絵もいい。あらすじのネタバレも多いので、1度作品を読んでから、この本を手に取るといいように思う。

  • 全体像やエッセンスを掴むのに最適。1冊でストーリー全体を説明している。現代の日常語で書かれているため読みやすい。

    本来なら数冊 → 1冊
    読みにくい言葉 → 現代の日常語
    時代背景など説明なし → 時代背景など解説(地図で地理も)

  • ヒュー・ジャックマンの映画レ・ミゼラブルが大好きで、先月も博多座であったミュージカルを見てきました。昔読んだ原作を再読したいと思いながらもあの長編作品を再度読む勇気が持てなくて…と思ってたところ、この本を見つけました。
    ミュージカルなどでは理解しにくい時代背景や、当時の女性の社会での位置付け、生まれてくる子どもの存在価値、貧困層とお金持ちの生活の違いなどとても分かりやすく読めました。
    挿絵と共に説明されているのも良かったです。
    今なら原作に挑戦できそうです。

  • 小説『レ・ミゼラブル』――1815年を起点としてその前後の十数年、フランスは動乱と混乱の時代。舞台は南(ディーニュ、トゥーロン)と北(モントルイユ)、そしてパリ。時代も場所も、波瀾含みの大河小説には申し分のない設定。ユゴーのペンが勢いよく走る。
    その大傑作を鹿島茂が挿絵をふんだんに入れて紹介する。106景ごとの解説、そしてまえがき・あとがきの俯瞰的解説は簡と要を得ていて、すばらしい。
    掲載されている挿絵は232点。画家は総勢で23人、豪華競演と言うところか。ブリヨンやバヤールの絵が圧倒的に多いものの(表紙はコゼットを描いたバヤールの絵を採用)、ほかの画家のものもいい。なかにユゴー自身が描いた絵も1点含まれている。

  • 途中まで読んだところで、ちょうど映画(ミュージカル版)やってたので観て、続きを読んだので、映画が端折っているところなどがわかって面白かった。やはり挿絵っていいものですよね。小学校の頃読んだポプラ社のルパンやホームズ、乱歩の少年探偵ものなどを思い出します。
    映画やミュージカルを見て興味を持った人がまず読むのにいい本だと思います。著者の文章は調子よくてわかりやすい。原作のダイジェストでもありますが、当時のいろいろな背景も理解できてお得。機会があったら原作も読んでみようかな、という気にもなりました。

  • レ・ミゼラブルの映画や舞台を観てから、ストーリーの重厚さに惹かれたので、より深掘りしたいと思い購読。
    約500ページの厚い本だが、半分は挿絵になっているので、情景のイメージがしやすく読みやすい内容になっているの。レ・ミゼラブルの著者のユゴーや各登場人物、時代背景の深掘りがされているので、当時の社会性を学びつつ物語を振り返ることが出来た。
    レ・ミゼラブルをより深く楽しみたい人にはオススメできる本。

  •  世界の名著の一つ、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』を全巻読破するのには、実は大変な苦痛を伴う。原作があまりにも長大で、登場人物一人一人の来歴やパリの街の下水道に関する考察、時代背景などをこまごまと書き連ねていて本編から逸脱している箇所が多いからだ。少年少女世界文学全集のような子ども向けの抄訳版でも十分面白いのは、この冗長な部分が含まれないためである。
     本書はフランス文学研究の第一人者である鹿島茂先生が原作の本文を抜粋した上で当時の歴史的背景や作家個人の事情、私生活との関係、執筆エピソードなどについて解説し、1章あたり2~3ページにまとめたものでとても読みやすく物語のあらすじもわかりやすい。しかも著者がフランスで手に入れた貴重な原書の精緻な挿画を全ての章に挟んでいる。これが19世紀フランス社会の雰囲気を伝えるのに大きな役割を果たしていて、このような稀覯本の挿し絵を原作本文・解説と共に見られることは本当にありがたいことである(これにはミュージカル版「レ・ミゼラブル」で今もシンボルとして使われているコゼットの絵も含まれている)。

     例えばジャン・ヴァルジャンの魂を暗闇から救い出したミリエル司教は社会的にどれくらい偉い人なのか。女工ファンチーヌのように男に捨てられて未婚の母となり、生活のために売春婦に身を落とす女性は珍しくなかったのか。欧米文学を読む時に必ず立ち塞がるキリスト教文化の理解の仕方や、その国の慣習を解説してくれるのは本当に助かるし、むしろ原作より面白いかもしれない!という気持ちにさせられる(もちろん、原作に挑戦してみよう、という勇気も湧いてくる)。これほど内容の濃い、価値のある文庫本にはなかなか出合えるものではない。比類なき深い人間愛と貧困にあえぐ民衆の社会に対する怨嗟の声、革命に懸ける激しい情熱は『レ・ミゼラブル』でしか味わえないものだと思う。

     ちなみに『レ・ミゼラブル』は何度も映画化されているが、2012年公開のミュージカル映画(ヒュー・ジャックマン主演)は最初から最後まで泣きっぱなしで観てしまうほどの感動作で、生涯に一度は観るべき傑作。併せてお薦めしたい。

  •  レ・ミゼラブルの原作をちゃんと読んだことがない、と言い切るのは少し恥ずかしいなあと思っていた。世界的に名高い名作であるし、ミュージカルも映画も実は大好きだ。ミュージカルの中のナンバーは何曲もそらで歌えるし、映画に至ってはわざわざビデオをレンタルして現在入手できる版は全て見たのである。
     でも実はあらすじはWikipediaでざっとおさらいしただけで、一応ストーリーは分かっているけどジャベールの粘着とかちょっとよくわかんないと思っていた。
     というわけで、何かの拍子にこの本の紹介を見かけたとき、著者御自らが「ほとんど読まれることがない」と言い切っているのを見て、なーんだ、やっぱりそうよね、とまず安心した。そして豊富な挿絵とともに筋を追って解説していくという本書のつくりを知り、これなら読めるかも、でも買うのは危険、ということで図書館で借りて読むことにした。
     結論から言うと、大変オススメの良書でした。特に、映画やミュージカルでレ・ミゼラブルには触れたけど、実はストーリーがちょっとあやふやという方に、めちゃめちゃおすすめです。
     おすすめポイントは以下の3つ。
    (1) 各見開きページの右側が文章、左側が挿絵という構成になっていて、各場面の様子を容易に把握することができる。
    (2) ストーリー構成に沿って短いエピソードが並んでおり、1エピソードが4ページ(稀に6ページのものあり)から成っている。つまり文章が2ページ分、挿絵が2枚だが、映画でいうと1シーンくらいにあたり、ストーリーを無理なく追っていける。
    (3) 文章の内容は、ストーリーが半分、解説が半分の場合が多い。場面によっては全て解説の場合もあり、時代背景や当時の風俗など、知っていないと話を理解しにくいものも過不足なく解説されている。
     どうです、読みたくなるでしょう。そして最も大事なことかもしれないが、文章が素晴らしく読みやすい。格調高いが難解でなく論理的でリズムが良い。我ながら絶賛だ。
     ちなみに私はこの本を図書館に返すと同時に、新品を購入しました。

  • ミュージカルの印象が強いので、いい意味でも悪い意味でも一面的な見方をしていたんだな、と思った。
    ユゴーの社会を観る目がわかる。鹿島さんのわかりやすい解説に引きこまれ、もっと、フランス社会を知りたくなる。

  • 値段が安くて、とても良かった。絵が豊富で目で見て楽しめます。

  • 読みやすくて良いです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「読みやすくて良いです。」
      「レ・ミゼラブル」の概要を知るのに持ってこいだけど、360全部の版画で構成した完全版を出して欲しいね!
      「読みやすくて良いです。」
      「レ・ミゼラブル」の概要を知るのに持ってこいだけど、360全部の版画で構成した完全版を出して欲しいね!
      2013/07/16
  • レミゼにそこまで思い入れがないんで(前後するけど、ユゴーには“魅力的な悪”は書けない、想像出来ないんだろうな…と、この本読んで納得がいった。故に物語に物足りなさが残るんだな、と。なおジャヴェールは敵でも、法の正義、ね?)この本は後回しになってたけど、文庫再刊されたタイミングで読んでみた。
    『レ・ミゼラブル』の(訳)注を別冊にしたような本。
    19世紀の挿絵も堪能。(鹿島さんの他著『職業別パリ風俗』『馬車が買いたい!』辺りは、名著ながら、ただしレミゼに関しては思うほど読解の為の情報を得られない気がする分)レミゼを読む際のお供に。
    ユゴーのコゼットに対する思い入れの減少についての指摘に納得。以前、読んでてコゼットに魅力を感じなくなっていった辺りと一致したので。いや、落ち着いて考えたら、もともと魅力なんてない娘ではあると思うけど(だからこそ薄っぺらのマリユスと釣り合うってのもある)

    文庫再刊行時の帯のあおりは「必読超長編古典 “が一冊でわかる”」 でなく 「〜“をより理解するために”」とすべきだったのでは。これだけでは正直物語がわかるわけではないかと…。レミゼは、ユゴーのあのくだくだしいアジテーション紛いの言い回しを堪能してこそ!(ヲイw)


    【以後愚痴】本文中から拾える参考文献の邦訳の多くが、現在は絶版なのが残念ではある。ルイ・シュヴァリエ辺りは再刊してもええと思うのにのう…頼むよみすず。

  • 舞台は何度か見て、その度に感銘を受ける大好きな作品のレ・ミゼラブル!
    でも原作にはなかなか手を出せずにいました。そんな折見つけたのがこちら。
    数多くの絵で見ても楽しめる一冊になっていて、貪るように読んでしまいました!
    ジャンバルジャンって、確かに最強ヒーローみたい。これを読んだことで公開中の映画、これからの舞台、そして原作への挑戦!レミゼへの愛情が一層高まりました( ´ ▽ ` )ノ

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「舞台は何度か見て」
      舞台や映画って、あの長い話(ん十年前に子ども向け「ああ無情」を読んだだけなので憶測)を、どんな風に料理しているんだろう...
      「舞台は何度か見て」
      舞台や映画って、あの長い話(ん十年前に子ども向け「ああ無情」を読んだだけなので憶測)を、どんな風に料理しているんだろう?それが気になります。
      この本は近々読む予定(原作は読むかどうか不明)。。。
      2012/12/26
  • 細部がわかると合点がいくところが多くて、もっと楽しめた。
    ワールドツアーの予習で読んだけど、読めてよかった。

  • 当時の情景が伝わるような筆致
    素晴らしい本

  • 19世紀フランス文学、文化研究者による、図版入りレミゼラブルの解説。

    原作は読んでおらず、子どもの頃に抄訳を読んだり、ミュージカル映画を観たきりで、全体像がわかっていなかったので、本作をよく知ることができ、大満足。

    それにしてもルイナポレオンとか、7月革命とか、パリコミューンとか、フランス近代史をもう一度おさらいしないと文学も訳わからなくなってしまうなあ。

  •  文庫版で再読する。
     英国のディケンズもそうなのだろうが、『レ・ミゼラブル』は当時の庶民から、NHK朝の連続テレビ小説の如く受容されていたに違いない。
     本書は、分冊イラスト入りで定期出版されていたバージョンのみならず、ユゴーの他作品に添えられた挿し絵から、作者による作中人物の似顔絵までも収録した、かゆいところに手が届く1冊。
     完訳版を読んでみて、サブヒロインのエポニーヌに心を惹かれた。映画版やミュージカルでも女優にとって美味しい役回りだろうし、挿し絵を手がけた銅版画家にしても腕のふるいどころだろう。
     エポニーヌの最期を描いた二葉の挿し絵は心を打つ。

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著者プロフィール

鹿島 茂(かしま・しげる):1949年、神奈川県横浜市生まれ。フランス文学者、評論家、作家。東京大学文学部仏文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学名誉教授。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。2017年、『神田神保町書肆街考』を刊行、同年、書評アーカイブサイトALL REVIEWSを開始。2022年、神田神保町に共同書店PASSAGEを開店、現在4店舗を構える。

「2026年 『『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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