憎まれ役 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2009年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167600044

みんなの感想まとめ

テーマは「憎まれ役」としての二人の人生や哲学であり、彼らの経験を通じて共感を呼ぶ内容が展開されています。野村克也と野中広務、異なる分野で活躍した二人が、それぞれの苦労や成功を語ることで、読者に深い理解...

感想・レビュー・書評

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  • 野中広務と野村克也、二人の名前の一冊なんだけど、対談をしたわけでもないし、往復書簡というわけでもない。いうなれば、二人で一冊の本を出すことは知ったうえで一人語りしている感じ。二人は互いに言動をそれなりに知ってはいただろうけど、面識もなかったんじゃないかなあ。
    世の中で「憎まれ役」とされている二人なんだけど、とてもシンパシィを感じた。ある種、グチのような負け犬の遠吠えのような感じの言葉も並ぶんだけど、それさえも共感を覚える。ものわかりのいい言動で愛される器用な輩に対し、地に足をつけ利他的に先を見ながら差配を振る立場の悲哀がこめられているなかなかの一冊。
    そういう意味で、それぞれの単著でなく共著になっているのは、編集者のアイデアの賜物ということか。

  • 「憎まれ役」
    著 野村克也・野中広務
    文春文庫

    タイトルといい、組み合わせといい、バッチリ過ぎる。「長嶋茂雄はひまわりで、自分は月見草である」と語っていた野村克也と、未だに根強い人気がある小泉純一郎元総理に「抵抗勢力」とレッテルを貼られ、小泉劇場でもがきつつも敗れ政界を引退した野中広務。

    二人の悪い意味での酸いも甘いも知っている、人間の扱いに長けていそうな顔。そんな顔が二つ並んでしまうなんて、興味をそそられてしまうではないか。
    この二人、ダークで嫌みなキャラ以外にも共通点が多い。野村がテスト生からのプロ野球をスタート、野中が町会議員からの政治のスタートと、二人共底辺からのスタート、で、京都生まれ、B型、カッとなりやすい性格等。
    本書は、この二人が互いの経験に基づく教訓や哲学を対論していく構成になっている。

    野村の貧乏な幼少期からプロに入って活躍するまでの苦労話は、涙腺が緩くなるし、監督になってから、江本孟紀や江夏豊といったクセも我も強い選手をいかにしててなずけていったエピソードは、野球好きにはたまらんものがあるし、峠を過ぎた選手のまだ勝負で使える部分を見抜く力や彼らのプライドがある故に脱皮できない状態を上手く煽って立ち直らさせてしまう術に、野村克也の野球人としては勿論、人間としての深みを感じる。

    野中広務も小選挙区制という制度に対する苦言、自公連立に向けて公明党を取り込む際の水面下での動きや加藤の乱の話も当事者ならではの面白さがある。

    しかし、この本、ちょっと残念なのが、対論形式である所だ。俺は、対談形式にして欲しかった。この二人が基本的には真面目に語り合いながら、所々で軽い冗談を言い合い、「おぬしも悪よのぉ」的な悪代官トークを期待していたのだ。

    あと、野中広務が己の過去を美化し過ぎている様に感じた。美化せずにダークな行動には触れず、「あいつ、自分が不利な所になると逃げやがって」って、思わせてほしかった。

    それにしても野中広務は、野中本人が回顧した文章より、他者が書いた野中の方が圧倒的におもろいな。

  • 「負けに不思議の負けなし」の野村監督と、「抵抗勢力」野中元幹事長のリレーエッセイ。長島監督と小泉首相の敵役として、世の中の憎まれ役を一手に引き受けてきた彼らですが、実は「現在目線」から見ると、主役と敵役のポジションが逆転して見えたりして。

    2007年の著作のため、原巨人の躍動への言及はないけど、野球人気凋落への危機感、アメリカ追随型日本への危機感から来る「予言」は、2009年時点を全て言い当ててます。

    野中さんの発言には、政治家ならではのキレイ事が見え隠れして、若干の反発を覚えなくもないけど、野村監督のメソッドは、激動の人生に裏打ちされた「真実」がある。

    「野村ノート」でもっと勉強しなくては。

    2009.12

  • 光あれば影あり。

    野中さんが引退した日本はどうすればよいのだろうか。

    メディアの表面的な意見に踊らされているだけじゃ世の中は根本的に変わらない。
    なんだか途方にくれてしまう。

  • ○64日本の自然は、自然にできあがったものではないのです。山といっても、人の手がはいった山であり森林であるから、災害を防ぎます。一番雨の降る季節に田植えをするから田畑に水が溜まり水害にならない。
    ★人の手の入れ方の方向性を間違っているんだろうな。
    ○76格差社会とはいったん貧しい家庭に生まれたら、二度と這い上がれない社会
    ★今は現役の自己責任半分、社会的責任半分、でもこれからは、、、子供の未来が危うい。
    ○87権力をもつ人間、権限の持つ人間こそ、感謝や心配りを忘れてはいけない。
    ★オレも、権限を持つ人間、肝に命じよう。
    ○負けに不思議の負けなし
    ★何回も引用される。でも、勝ち負けではなくそれまでの過程が大事。それによって決まるんだろうな。

  • 野村克也さんと元官房長官も務めたことのある野中広務さんの対談が書かれた一冊です。共通点の多いこの二人は違う世界で活躍したのだが、この二人はどちらかというと世間の脚光を浴びるタイプではなく、脇役で憎まれ役だったと語っていました。
    ひとつの何かを成功ささえる上でリーダーをやって指揮する人が必要なのと同様にチームの中で憎まれ役をやってでも行動させる人が必要だと思う。実際にそれは経験している。私の経験はこの二人の経験からしてみれば小さいものですが共感できました。

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著者プロフィール

京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球解説者としても活躍。

「2016年 『最強の組織をつくる 野村メソッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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