柔らかな頬 下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年12月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167602079

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の心理や行動を深く掘り下げた物語が展開されます。ある五歳の女の子の失踪事件を通じて、登場人物たちの複雑な心情や欲望、業が描かれ、読み手は彼らの内面に引き込まれます。特に、元刑事と失踪した子の母親の...

感想・レビュー・書評

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  • この作品を読み終えてから皆さんのレビューを拝見しました…そりゃあ評価分かれるよね(u_u)

    事件なのか事故なのか?
    真相は分からないままだものね〜

    子どもが失踪するという現実
    カスミという女の母性と肉欲
    ひたすら探し求める母親
    現実を受け入れて先に進もうとする父親
    記憶にない姉の犠牲になる妹

    カスミは自分の感情のままに生きる女で、共感からは程遠いけど妙にリアルなのですよ。

    事件に関わる人たちが最後まで全員胡散臭いのが
    また作品自体を暗くする。
    わたしが読む北海道は何故こうも暗いの笑

    死期が近い元刑事が途中カスミと行動を共にするんだけど…真相は霧の中っていう笑

    現実なのか白昼夢なのか
    犯人と子供の描写が何度も人を変え出てくる
    それがまた全てリアルなの(゚-゚*;)(;*゚-゚)

    まぁとにかく上手いよね〜
    こんな終わり方嫌いじゃないわε- (´ー`*) フッ

    カスミという一人の女の人間ドラマでした。


    • みんみんさん
      たぶんマキさんには信じられない女だったのかも笑
      本能の赴くまま?みたいな女(●︎´艸`)ムフフ
      たぶんマキさんには信じられない女だったのかも笑
      本能の赴くまま?みたいな女(●︎´艸`)ムフフ
      2026/01/07
    • yukimisakeさん
      桐野さんて何から読んだらよろしいのでしょうか、OUT?
      桐野さんて何から読んだらよろしいのでしょうか、OUT?
      2026/01/07
    • みんみんさん
      桐野初心者です〜(*/ω\*)
      OUTは殺人解体だからユッキー君好みかも笑
      桐野初心者です〜(*/ω\*)
      OUTは殺人解体だからユッキー君好みかも笑
      2026/01/07
  • 今、Netflixであるリアリティ番組を観ている。
    私はその人たちのことを映像というフィルター越しに
    少し距離を取って眺める感覚がある。

    人が衝動的に動く瞬間や、
    理屈より先に感情が出る場面を
    じっと見てしまう。

    柔らかな頬を読んでいてその感覚とどこか重なった。
    カスミや石山、内海、別荘地の人々のような存在は
    身の回りにそう多くいるわけではない。
    でも、確かに「どこかにいる人たち」でもある。

    桐野先生はある五歳の女の子の失踪事件を通して
    そうした人間のふるまいを一定の距離を保ちながら、あらゆる視点から描いている。
    人間をよく見ている作家さんなんだなと感心。
    何もないところからカスミや石山みたいな人物を作り上げることはできないでしょ。
    人の視線の動かし方、会話の間、無意識の自己正当化、言葉にしない悪意。
    すごいよこの人。

    桐野先生にかなり感心が湧いているのでまだまだ他の本も読もうと思う。
    ただ内容的にはけっこうヘビーなので間になにか癒しを挟もうかな!

  • 直木賞受賞作というので買った一冊。

    余命宣告を宣言されてる元刑事と行方不明の子を探す母親の話

    夢のシーンがある
    それが紛らわしい

    上下巻通して登場人物の心理描写は細かく描かれてよくわかるが、同情できないし理解もできない部分がけっこうあった。

    ラストもなんだかスッキリしない。
    結局誰が犯人?失踪事件の真相は?

    この小説は事件を解決したり真相を究明するみたいな話でなく、事件に関わる人の心理描写の話なのかなと思った小説でした。

  • 直木賞受賞作品。

    上巻ではグッと引き込まれたが、下巻に入り失速気味になってしまった。

    犯人が誰だとか、娘は生きているのかとか、最後まで明らかにならない。
    ただ、人間の持つ欲、本能、業などを露わにしつつ、一人の女性の生き様を追い続けていく。
    自分の人生であるからどのように生きてもいい。
    世間から批判されようと、誰にも理解されなくてもいい。
    「こうしたい」「こうありたい」
    しかし、立ち止まった時振り返った時、全てを失っていたら?
    何も残っていなかったら?
    何の為の時間だったのだろうかと、何をしてきたんだろうかと思ってしまうのかもしれない。
    それでもそこからまた始めるしかない。
    止める事も始める事もいつでも出来るのだから。

  • 同じような絶望感や孤独感を抱えた、失踪した一人娘を探す母親と、末期癌を患った余命幾許もない元刑事の捜索の旅。過酷な現実に向き合えない2人が、旅を通して変化していく心情描写が印象的。

    娘が犯人に殺害されるシーンが夢として出てきたりして、現実が曖昧になり、徐々に娘の行方とか犯人探しとかどうでも良くなってくる。なんともスッキリしない雰囲気に包まれた内容だった。

    ある意味、失踪した家族を探す行為のリアルはこんな感じなのかもしれない。

  • 読み終わりました!

    何を見せられていたんだろう…と置いてけぼりを食らった感が否めませんでした。

    きっと私は置いていかれたんでしょう、主人公やこの物語に登場する全ての別々の人間たちに。

  • なんか、、、何の話だったんだろう?、、、
    読み終わって、ただただポカーンとしてしまう。

    何一つ美しいものがない。尊いものがない。
    ある種の嫌悪感さえ生まれてしまった。
    そんな風に感じる作品に出会うのも、また読書なんだろう。(と、自分を納得させるしかない)

  • 全く予備知識なしに読みました。失踪した娘をどう探すかというわかりやすいカタルシスをイメージしていたので、読み終わった直後は「え?」となりました。解説を読みこの本のテーマを初めて認識し腑に落ちました。この本のテーマは「人は取り返しのつかない喪失をどう抱えて生きるか」ということで、カスミや内海や石山などの登場人物がどうしようもない現実に対してどう生きるかを読者は突きつけられます。現実にはどうにもならないこともあると思います。この本はこれを読んだ読者にとても深い示唆を与えてくれる素晴らしい作品だと思います。


  • 登場する人物が全員自分のことしか考えていない
    その心理描写がすごい
    生々しくて魅力的でどんどん読んでしまいます
    最後まで救いはありませんでしたが
    だからこそ色々な解釈ができる

    なぜなのか説明はできないけど
    カスミが心の拠り所にしていた
    バスの教会のシーンが好きです

  • 何も起こらなかった…

    彼女は死期の迫る彼に何を求めたのだろう

    夢うつつの中で見たものは妄想で
    真実ではなかった

    ただ
    親を捨てた彼女が親になって
    突然、娘が居なくなるということがどれだけの苦痛か
    親の気持ちを考えることができたということか

  • 登場人物誰ひとり好きにはなれず…個性が強く苦しんでいる人達ばかりで、読んでいてこっちまで苦しくなる。
    最後の最後までカスミの娘を誘拐したのか殺害したのか、犯人も判らず解決しないまま結末

    すべての始まりは不倫をしたことからで、因果なのだと言いたいのかぼろぼろ過ぎて希望も何もなかった

    ただ、最後の有香主観のところは個人的に好きだった。
    行方不明になったあの日、振り返りいた男の人って誰だったんだろう。

  • 『OUT』の2年後の1999年に刊行され、直木賞を受賞した桐野夏生さんの初期長編である。
     5歳の娘が北海道支笏湖付近で失踪する。見失われた長女を捜し求める母親・カスミと、癌を患い退職し、死期を間近に迎えつつある男性の元刑事・内海との、奇妙なランデブーがストーリー中メインの骨格となっている。この両者は「現実と折り合いを付けることが出来ない」点で共通点を持つとされている。
     一般的な写実的描写に基づく小説ではリアリティが大切であり、描かれゆく人物・心理・光景・出来事などが、いかにあり得るものであるか・ありそうであるか・ありがちであるか、といった尺度で現実解と比較し計測され、総合的に見てリアルな感触が得られない場合は「つまらない小説」ということになってしまうだろう。実は先日中村文則氏の『私の消滅』という小説を読んだがこれが酷いクズで、いかなるレベルのリアリティも皆無であり、ただの理屈に基づいて設計された非-人間的なアイディアを垂れ流すだけであって、文学を自称するのは僭越だろうという程度の駄作であった。これが芥川賞作家なのか、芥川賞って全然たいしたことないじゃん、というのが感想だった。
     初期の桐野夏生さんの小説は、もっと後の時期のものと比べて「普通のリアリティ」がより多くあり、ストーリーはリアルな日常世界の中を突き進む。しかし桐野さんの文学の面白さはそういう「普通のリアリティ」に留まらず、もっと野放図な「想像し、創作することそれ自体」が導き出す自己組織化的な言語ストリームがその余りの自在さと勢い故に、しばしば「普通の小説」の型を食い破ってしまうという事態にある。そしてこの次元では、「言語ストリームそれ自体のリアリティ」が前面に押し出されてくるのだ。
     本作では、元刑事の内海やカスミが目の当たりにする白昼夢や妄想が何度か現れる。この挿入された「夢のテクスト」では、誰が何故どのように少女を誘拐したかという「真相」がその都度語られ、読者のパースペクティヴを書き換えるかのような衝撃を惹起する(これは本格推理小説の「あっと驚く意外な結末」と同等の装置である)。しかし、これら夢のテクストが暴いた真相は真相ではなく、次々と切り捨てられる。
     失踪した少女という文字通りの<不在のシーニュ>は、何故(誰によって)拉致されたか、生きているのかあるいは殺されたのかというミステリ的な「真相」を含んでおり、ミステリと同様に<不在のシーニュ>への欲望がストーリー(言語ストリーム)を押し進めてゆく。そしてこの不在という空白=死が、ガンによる病死が刻々と迫る内海という人物にも表象化されている。主人公カスミはかくして空白=死との不思議なランデブーを辿る。
     そして、この小説では、ついに事件の真相はわからない。娘は最後まで不在であり、真実は不可知であり、圧倒的な空虚さを抱えた主人公の心理描写やモノローグ、ダイアローグが連ねられた末に、結局全ては空白のままだ、しかしそれでも生きていかなければならない、生はまだ延々と続いていくのだ、という展望と共に作品は終わる。
     挿入された「夢のテクスト」は結局どれも「夢」でしかないのであって、ディスクールは反転し、捻転しつつもすべてが中心にある<ゼロ>へと帰着するのである。
     この作品の核心にあるのは、空白=死の周りで苦痛にうめきながら自己生成されてゆく言表の生々しいリアリティと、救いの無い現実界の手触りとを兼ね備えた、未知の能力を秘めた創作-場のエネルギーの猛々しさである。

  • 初めての桐野夏生作品。
    柔らかな頬って、そういうことだったのか。

    救われた人は誰もいない。
    カスミは一人で北海道で生きていくのだろうか。そうなったら梨紗はどうなるんだろう。
    小さな梨紗の心の中を思うと、私は胸が苦しくなる。

    最終章では、思わずドキリとした。
    私には娘しかいないけれど、やっぱり母と娘って、何かあるんだよな。

    イヤミスかと言われたら、ちょっと違うんだろう。
    ミステリーではないだろう、これは…
    不思議な小説だったけど、面白かった。

  • 昔見たドラマの印象だと、カスミが娘を永遠に探し続ける印象だったけど、違ってたのかな?カスミと内海の妄想で何通りもの可能性が描かれ…。有香の行方は本題ではないのかもしれないけどもやもや。

  • 何だかなぁ~救いようがない主人公カスミに
    後味の悪い読了感でした。

    最終章でカスミの罪の重さに
    また嫌悪感が・・・。

    有香の行方不明の真相は
    一体、どの人の語りが真相なんだろう。
    モヤモヤするー!!

    掴みどころのないカスミに、子供が行方不明と言う同情は全く起きなかったなぁ。
    桐野さん特有の「女の性欲」??(笑)には
    相変わらず・・・引いてしまいます(笑)

    ミロちゃん的な感じよね。

  • うーん、かなりいまいちっていうか嫌いなストーリーパターン。
    とはいえ、直木賞受賞作品!

    ミステリーというより家族をテーマにした純文学?
    しかし、主人公含め登場人物のだれにも共感できませんでした。

    そしていよいよ下巻。
    内海とカスミが事件の関係者を訪ね歩きます。
    内海が死んでしまう前に真相が明らかになるのか?
    と読み進めると、夢落ち?といったパターンへ!
    すなわち、その事件の真相を夢、想像で語るパターン。
    内海の夢でのパターンと、カスミが視た夢のパターン。
    何が事実で何が想像なのか、作者の術中にはまってしまいます。
    これ、一番嫌いなパターンなんですけど(笑)
    んで、結局、誰が犯人?っていうことになって、後味悪く読み終わってしまいました。
    これ、何を伝えたかったんだろ…

    単なる謎解きのミステリーも嫌いですが、人間の心の闇っていうか心理が描かれすぎて、疲れるミステリーも嫌い。
    さらにはあまりにスッキリ終わらないのも嫌い(笑)

    ということで、評価は低いです。

  • ・5/11 読了.一気に読み切ったけどもどかしさと違和感を終始纏ったこの物語の希望も未来も無い主人公を思うにつけ、この作家にはハッピーエンドの作品は似合わないんだろうなと思った.

  • 解説にもあったけれど、結局何が起こったのかわからないところが、容赦なくてカタルシスがない。
    個人的には、最後の、有香のモノローグだけ本当のことだったのかなと思った。
    (誰が犯人でも、成立するし)
    カスミと内海の、奇妙だけれど嘘がない関係が不思議だった。

  • 桐野夏生さんの本って読んでる間すごくしんどいです。心がめっちゃ持っていかれてしまって、メンタルというかテンションがすごく左右されます。読んでる途中はめっちゃ面白いのに、結末に向かうにつれ読まなきゃよかったなと思うのですが、また桐野夏生さんの作品が読みたいと思ってしまう。

  • 不倫からの娘行方不明事件。
    因果応報といいますか……
    更に石山にも捨てられ、夫にも見放され……
    その割に協力してくれる内海が弱れば弱るほど愛おしくなるカスミ。
    何と自由奔放。自分勝手なのでしょう。
    まぁ、石山も度胸が座っていないし、内海は野次馬心からだし、旦那もカスミをアクセサリー感覚としか思っていないように感じられたので、本当に可哀想なのは娘二人かなと思います。
    夢の世界と現実の世界の描き方が統一されすぎていて区別しにくかったです。
    いなくなった有香は本当大人より大人で……最後の数頁は悲しさと切なさに溢れていました。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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