メタボラ (文春文庫 き 19-14)

著者 :
  • 文藝春秋
3.63
  • (23)
  • (57)
  • (52)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 534
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167602147

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 息苦しさを覚える描写がさすが。
    とくに救いもないけど説教くさくもない。グロテスクだけど読後感はそんなに重くない。おもしろかった。

  • 2021.11/26〜12/25。
    性格が真逆の青年2人の物語。映画を観ているようだった。冒頭の森でのシーンは緊迫感が凄まじい。沖縄の美しい海の色、浜辺近くに佇むコンビニの形、ゲストハウスの室内まで絵に浮かぶから桐野さんはすごい。ジェイクとギンジは今でも沖縄にいそうだ。

  • やばい

  • 記憶をなくした「僕」は沖縄のジャングルで何かから逃げていた。同じく逃げていたアキンツにギンジと言う名をもらい、人と出会いながら少しずつ記憶を取り戻していく。貧困、DV、LGBT、自分探しの旅、沖縄移住、基地問題、派遣・請負、外国人労働者。色々盛り込まれてお腹いっぱいながらも一気読み。

  • 桐野夏生さんの長編小説。

    読み口が良く、一気読みしました。
    ギンジ(雄太)、好きだなぁ。
    不器用だけど、流れに逆らえなくなる時もあるけど、衝突するかもしれない率直な意見が言えて男気がある感じ。
    最後のジェイクに見せた愛情がギンジらしい。
    ミカといた時、ジェイクとミカの間に入り込めない哀れさ、そしてなんとなく健気に見えて切なかったなぁ。

    ジェイク(アキンツ)は怠け者だけど憎めなくて、宮古弁が愛嬌あっていい。
    愛ってそんなにいい女?笑

    読んでいていつか記憶を取り戻すんだろうなぁと思っていてけど、思いがけないタイミングだった。
    あと、沖縄のリゾート地ならではな風土があるのも初めて知った。
    しかしイズムと釜田、かなり胡散臭い。

    若者の労働力をいろんな形で搾取する大人がいて、その上にもまたいて、その上にも…と働けど働けどどうしようもない、貧困の連鎖。
    いつからこんな社会になったんだろう。
    ギンジの生き方は、なにも人ごとではない。

    最後は希望を持とうと思えば持てる、持てないと思えば持てない終わり方。
    命の火が小さくなりつつあるジェイクに、記憶を取り戻したんだと一気に打ち明けるギンジに涙が出た。

  • 大迫力の青春小説。家庭のデストロイとはかくも凄惨なものと。 運命に流されて破滅に向かいっぱなしの青年二人の物語。異性への冷淡さ。同性への無闇な執着。または極端な攻撃。そしてまださまようことはやめられない。
    ラストはなんにも解決して無さ過ぎ。さんざんな目に遭ったら人間はいつか学習したり悟り開いたりするなんて幻想だよね。逃避して記憶失うのがせいぜい。制御不能。たいへんそうだ、どうか彼らに幸あれ、と思っても片方たぶんラスト数分後には死ぬ。

  • 世の中には想像も出来ないような色んな人生を歩む人がいるのね。。と思った。
    この人の本は、ドロドロしていて苦手

  • 冒頭、いきなり小説の中の世界に引きずり込まれる感じで始まる。

    人生、行きあたりばったりでも何とかなる、という展開が面白かった。
    後半は、少しダレてしまったが。

  • 今回は珍しくエロくなかったです。

  • ため息でる。

    アキンツ、バカだなぁ。
    ギンジもバカだ。

    哀しくて、涙がでる。

    読み終えて、重さしかない。
    自分てネガティヴ。

    アキンツもギリ助かって。
    ギンジもムショ入って精算して‥。
    明るく思いたい、明るく。涙

    2016.07

全55件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

桐野夏生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
高野 和明
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×