- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167604066
感想・レビュー・書評
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大河小説的にすればよかったのに
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自らの美貌をたよりに、楽に生きることだけを考える青年ジョフロア。不器用で無垢なガスパール。二人がもし、失業者が不満を募らす1789年のパリで出会わなかったら…。パリ中から無視されていた牢獄バスティーユが、なぜ突然の攻撃を受けたのか。人々が信じた陰謀とは?フランス革命の舞台裏を描く力作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
”陰謀”
なんて怪しげな響き.
このことばに、血沸き立ち、決心した(初めは)名もなき労働者たちが
信念をもって”陰謀”を打ち砕く様を描く.
嗚呼、”陰謀”とはいかなるものか.
それは、誰かが行動を起こすときに明るみに出るものである.
しかし、事実は、それとは異なるかもしれない.
そこに、”陰謀”の謎めいた本性を見るのである. -
416760406x 329p 2002・6・10 1刷
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ジョフロアが、ガスパールの愚直さに反発しつつも惹かれていく様や、やがて革命に身を投じていく、心理的な移り変わりが、染みた。
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市民側から見たフランス革命。
うむ、続けて読むと、似たよーなのが鼻につくのは仕方ないか。享楽的に生きてきた主人公が、純粋な少年に出会って変わっていくあたりが、上手い。でもって、ラストも。
司馬遼太郎はでっかい常緑の木のような歴史小説だけど、藤本ひとみの歴史小説は花を愛でる木って感じがするな。