- 文藝春秋 (1999年4月9日発売)
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感想 : 49件
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167605025
感想・レビュー・書評
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音楽教師が,学生時代の恋人が死ぬ間際に弾いていたテープを聴いたら呪われた話。
キャラに魅力がない,ホラーなのに怖くない,音楽の薀蓄に興味が持てないで,面白くなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012年2月28日読了。SonyのReaderにて。不審な自殺を遂げた天才ヴァイオリニストの遺した音楽テープ。学生時代チェロ・ピアノでのアンサンブルを組んでいた瑞穂はテープを聴くことで奇妙な体験をするが・・・。学生時代にきらめいて見えた「独自の個性」「埋もれた才能」は歳をとり社会にもまれることで「独り善がりな自己陶酔」「臆病さからくる自閉性」と見えて失望するものだが、それは本当にそうだったのか?色褪せてしまった今の自分がかつての輝きを見失ってしまっただけなのではないのか?と、主人公が途切れ途切れに回想する記憶と共に、読む側の価値観も揺さぶられる・・・。(この小説がホラーなのか恋愛小説なのか?という感覚と共に)でも弁護士として成功することも、音楽教師として仕事することも、決して悪いことではないんよ。
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ホラーというホラーではなく
読み始めると
独特な世界に
引き込まれて行きました。
各々が過去に縛られてたんだなぁと
いう風に感じました。 -
学校を出て会社に入り、家庭を作って必死に暮らしている中。
突然あらわれる空虚感。
自分の人生、これでいいのか?これで終わるのか?
と思うような時があるはず。
そのキッカケに友人の死があったりなど。
そんな多くの人が通る通過点を、篠田節子がお得意の音楽とホラーミステリーで描いた作品だと思います。
ただちょっと過去時代と、主人公が関わる2人の男性と、そして音楽と盛り沢山に描き過ぎている感じがします。
とはいえキラリと光る前向きな希望で終わる最後は、篠田節子先生のどの作品でもそうですが、やはり好きなのです。 -
内容(「BOOK」データベースより)
学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。 -
誰しも、手に入れた分だけしがらみもあって、
それでも、残された時間を本当に心が求めるように使いたいなら。
ワイルドに行かないとね、時には。
読後そんな気分に。
自分の心に嘘をつかない人=自分の心に嘘がつけない人
なのかも。
しょうがない人だなあと思うけど、この主人公が結構好きです。 -
2016.2.27(土)¥84+税。
2016.6.27(月)。 -
ホラーではなく、解放と成長の物語。
でも、家族は捨てないでほしい。 -
しっかりとした知識に裏打ちされ、緻密な描写で読者を引き込む篠田節の一作である。
音楽から最後には登山まで、よく取材されているのは感心する。しかしながらカセットテープを中心に、呪いや謎の怪談じみた超常現象が作品のキーとなるのだが、ちょっとばかり消化不良気味。不倫だの学生運動だの、必要だったかどうかという点については少々疑問が残る。というか、全体的に「駄長」としか言いようのない印象で、長編1冊にするより、1冊に2作ほどの中編にするべきではなかったのか。ここまで長くするのなら、テープの逆回転や学生運動、登山など、必要性に関してもう少ししっかりした理由付けが欲しかった。 -
音楽に全く造形がないので、ちょっと読み進めるのがきつかった。
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2人の男性と1人の女性の音楽を軸にしたお話。本当にどういう生き方がしたかったのかを振り返り、再度考えるきっかけを作ってくれた彼。彼の言いたかったことを理解するために何度もあった葛藤。
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仕立てはホラーだけど、内容は人生再構築の話。ある意味安心できました。
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音楽に興味のない人間はかなり読みづらいと思う。
文章はさすがにうまいがと思う。
読み手を選ぶ本だと思う。 -
読んでいる間、ずっと耳にバイオリンが響いて来るようだった。
ミステリでもあり、すこしづついろんなことが明らかになっていくのは読んでいて引き込まれる。ホラーとしても一級。派手に出てこないところがかえって怖い。 -
『本の雑誌』で紹介されているのを見て読んでみた。
こんなにレビューを書くのが難しい本も珍しい。いや、ほんとに面白く読んだし、読んで良かったとは思うんだけんどもね。
間違いなく言えるのは”音楽”が主役だってことでしょうか。 -
ハルモニアに続く、音楽もの。
今回のテーマは、
ベースが少しありきたりなようなきがする。
教師という選択をした音楽をめざした瑞穂が、
青春の時の合宿にさかのぼりながら、
フラッシュバックさせていく。
カノン いわゆる輪唱
フーガの技法 反進行と拡大によるカノン
香西康臣 小田嶋正寛 小牧瑞穂
ナスターシャ 岡宏子 -
どういう展開になっていくのか、と思ったら、
ホラーぽくなって、ちょっと意外だったが、
バカっぽくなく、美しい展開だったのでよかった。
音大時代の同級生たちとの交流や、
舞台が松本なこと(私の母校らしき場所の描写があった)で、
好意的に読み始めたが、
主人公が、演奏をあきらめて教員をやっている今の自分を
卑下しすぎ~。
ここに描かれている音楽感は、超一流のごく一部の人の感覚。
それか、プライドだけが高く、現実がわかってないか。
小説としては、神聖で荘厳で神の領域として「音楽」を描いていて、
嫌いではないけど、
一般の人が、音楽家ってこうなんだと思うのは違うと思う。 -
主人公たちが同年齢ということもあり、
ドキドキしながら読み進めた。
私は恐がりなので、ホラーは苦手なのですが、
この作品は怖いという作品ではなかった。 -
音楽をテーマとしたホラー
著者プロフィール
篠田節子の作品
