秋の花火 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2007年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167605094

みんなの感想まとめ

人生の秋を迎えた中年の男女が、生と死を見つめながら心を通わせる姿を描いた短篇集です。五つの異なる短編が収められており、それぞれが独特の趣を持ちながらも、共通して深いテーマを探求しています。特に、登場人...

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。人生の秋を迎えた中年の男と女が、生と死を見すえつつ、深く静かに心を通わせる。閉塞した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短篇集。表題作のほか、「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」を収録。

  • 5つの短編。趣きはどれも違ったもので著者の幅広い作風が味わえる。短編ながらも落ちがちゃんとあるから一つの作品を読みおえた感があり短編というのを忘れてしまう。

  • 5話の短編集。

    のっけから、おいおいと突っ込みたい展開でした。
    学生服を着ていたから、というほどの要望を知りたい。
    暴走族も、ちょっと考えろ、とも言いたいです。

    一番印象があるのは、4話目の話。
    この落ちには驚きでしたが、写真まで取られているのに
    同じ手がこの先使えるのか? と聞きたい。
    なかなかの商売上手でした。

  • 「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」「秋の花火」の5編からなる短編集。
    どの物語も短編ながら奥の深い、密度の濃いものになっている。設定も、主人公たちの抱える問題もそれぞれ別物でありながら、行き詰まり、鬱屈しているという点で共通している。
    「観覧車」は最後に感じる小さな希望にホッとし、「灯油の・・・」はつらい結末に気分が塞ぐ。
    「戦争の・・・」はどこかコミカルでありながら、痛烈に現実をえぐるところが篠田さん的で、タイトルの「鴨」にニヤリ。
    そして、秀逸なのが標題作「秋の花火」。秋の花火は夜空に大きく開いて消える夏の花火とちがい、手元で闇を一層際立たせながらそっと横顔を照らす。そんな花火に、ひそかに心を通わせる男女の姿を映す物語は静かで、だからこそドキドキするようなエロスがある。
    篠田作品、堪能しました。

  • 閉鎖した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短編集…

    まさしくその通りの5つの話。
    「秋の花火」はオトナの静かだけど胸が苦しくなるような切なさを感じた。

  •  五つの短編集、特に『観覧車』と『灯油が尽きるとき』に惹かれる。観覧車は明るい未来に一歩踏み出し、灯油~は現状から離脱するために一歩踏み出したわけである。人の人生には慣性の法則が働く、一時的な成功を手にしてもしばらくすると自己のイメージに逆戻りするのである。観覧車の二人に幸あらんことを願う。

  • 久しぶりに篠田さんの作品読みましたが、やっぱりいいですね!閉塞した日常にあらわれた転機が表現されています。
    5つの短編集ですが、後味のいい「観覧車」の話が一番好きです。篠田さんの作品が好きな方は是非!

  • 2014 11/27

  • 短編集。
    夏の花火のようにぱっと明るくなってそしてちっていく。
    そんなお話が集まっている。

  • 彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。人生の秋を迎えた中年の男と女が、生と死を見すえつつ、深く静かに心を通わせる。閉塞した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短篇集。表題作のほか、「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」を収録。

  • 短編5話
    観覧車
    ソリスト
    灯油の尽きるとき
    戦争の鴨たち
    秋の花火

    いかんとも、篠田節子らしい、斜に構えた話が多い。
    幸せな終わりではなく、悲惨な終わりでもない。
    思わぬ落とし穴に嵌まるが、恐怖のどん底ではない。

    人間らしさと皮肉屋さんらしさといえばいいかもしれない。
    「戦争の鴨たち」はある意味笑える。
    戦場の近くで、戦場を模擬する商売があろうとは。

  • とても良かった!
    ひとつひとつの短編が、息をつめるほど
    リアルで深く、取材して綿密に組み立てられた
    世界観という感じで、さすが篠田節子さんです。

  • 五編から成る。ソリストはピアニストのお話。秋の花火は弦楽アンサンブル。執筆に関して楽曲の構成、演奏方法等について専門家から実技を含んだアドバイスをもらっている。
    篠田節子は、しっかりとした音楽小説を書ける作家の一人。
    どの作品も、超常現象は出てこない。日常のちょっとした延長にスポットを当てている。いずれも印象深い、素敵な作品。

  • 1つ1つの短編のクオリティが相変わらず高いのでお得感がハンパじゃない

  • 短編集と気付かずに・・・
    サクサク読めるが、読んだ後の充実感はあんまりないかも。

  • しっとりとした、だけどどこかしら怖い部分もある作品集。ここでの「怖さ」っていうのは……誰でもふと感じることがあるであろう「孤独」なのかなあ。「観覧車」や「灯油の尽きるとき」なんてまさにそうだと思う。
    一方でなんともブラックなのは「戦争の鴨たち」。これにはもう笑うしかないのだけれど、ここに描かれているのって……絵空事? いやいや、相当に皮肉だわ。

  • 0912 初篠田節子作品の短編集。各主役の心理描写が時に寂しく時に明るくリアルに描かれている。
    暗い話より明るい話の方が好き。

  • 篠田節子の小説には、いろいろな世界があるけれど、それを凝縮させた一冊という印象の短編集。
    どの話の中にも「人生の秋」が根底に流れている。
    諦めや寂しさ。やがてくる冬への漠然とした不安と嫌悪。
    そんな感情が静かに語られている。
    モテないまま中年を迎えた男とオンナ。天性の才能を持つものとそうでないものの心情。
    篠田節子独特のホラーやミステリーをちりばめたストーリーはもちろん素晴らしいのだが、ラストに収められている表題作「秋の花火」が不思議な余韻を心に残した。

  • 冒頭の「観覧車」を含め、鋭い描写が時に優しく、時に容赦ない。

  • 閉塞した日常に訪れる転機を冷静で繊細な筆致で描いた短編集。
    バラエティーに富んだ5編が収録されており,
    どの作品も設定やプロットがよく練られている印象を受ける。
    女性が理論的に男を見るとこういう印象なのかと思わされる。
    わざと蔑んだような面もあるが,示唆に富んだ視点は興味深い。
    初めて著者の本を読んだが,導入作には適した本だったと感じる。
    個人的には,「ソリスト」,「戦争の鴨たち」が良かった。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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