白仏 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年8月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167612023

感想・レビュー・書評

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  • 他人の走馬灯を見ているわけだが、これは私の走馬灯なのではないかと錯覚する感覚に陥る。そのくらい読者自身が『死』をすぐそばに感じることができる。文章自体の読みやすさやストーリーの展開はもちろん良いのだが、構成のおかげもあって何度でも無限に読み直せる形になっているところが良い。

  • 初めて辻仁成の小説を読む。
    実の祖父の話を小説に仕立て、逃れられない死と向き合う。

  • 今思えば何でこれにしたのか
    よく分からないけど
    卒論のテーマにした作品

  • 生きることと死ぬことを、本当に興味深く考えた。
    静かな感動がずっと残る。
    すごくいい。

  • 白仏という考え方、なんかいいなと思った。

    戦時だから思いついたことなのかなと思う。

    これが事実に則した物語というのも、納得。
    リアリティがある。

  • 生きるとは忘却なのか、全ての人が直面する死とは何か。
    その人を構成していた、存在を織りなしていた本質は、肉体なき後どこへ向かうのか。
    人は死から逃れることができないからこそ、向き合わざるを得ない問い掛けの数々。
    久々に、すぐに自分の中で思いをまとめられない本と出会った。

  • 主人公稔は幼少期から人間の死を通して、死と生に対しする思考を続けた。


  • 人骨をまとめて白仏にするなんて…
    宗教的に許されることなんでしょうか?
    生きてた時には一個人として存在していたのに。俺は死んでも俺だけでありたいってのはエゴ?
    でも愛した人と一緒になれるなら…いいかな?

    緒永久さんの死の真相を知った時は…
    やるせなかった、許せなかった。

    生と死についてずっと考えてきた稔さん。
    作り話ではあるものの、あの世で緒永久さんに
    再開できるといいなって心から思います。

  • 死は誰にも訪れる。生のそばに常に死がある。


    「鵲」と云う鳥がどうも気になる。現地ではどういう取られ方をしてるんだろう、吉凶で言えば。

  • 初めて読んだ辻仁成だったが、意外と文章にクセもなく、とても読みやすかった。
    この話が自身の祖父の体験をテーマにしているというのも驚きだが、命の終わりの走馬灯による人生の追体験は、死という前提を含んでいるというだけに、どこか切なさを感じさせる。
    一冊を通して溢れている島の方言に人情味があり、終始和やかな気持ちで深いテーマに触れる事ができる良書だった。

  • 死とその後についてのテーマ。普段は考えないようなテーマなので興味深かった。

    印象に残った点
    和尚曰く、人間は頭が良くなりすぎると間違いを起こすように仕組まれてる
    死に対しては勝利も敗北もない。
    逃れることのできない死の不安と共に生きていくこと。

  • とても深いテーマを扱っていると思います。ただ私には、細部の説得力が欠けているように感じられました。戦場での体験、緒永久との関係、隼人の死、稔の既視感や倫子の輪廻など、様々な要素が稔にどのように影響して白仏製作という形で結実したのか。これだけ読みやすく書かれているので、表面的には分かりやすい…と思いますが、お腹の底のほうでピンとこないものがありました。
    もっと各要素が掘り下げられた大作のほうがよかったのかもしれません。ただそれでも、戦場での体験に関しては戦後生まれの理解を超えているのではないか、書くには限界があるのではないかという気がしました。

  • 主人公、稔は辻さんの祖父がモデルとされています。 幼いころから死が身近にあり、不思議な既視感を感じることが多かった稔。 戦争を体験し、そこでの壮絶な経験がその後もずっと彼を苦しめ続けます。 なぜ稔は白仏を作るにいたったのか。 戦争や生と死について多くのことを自分に問いかけ続け悩み苦しんだ 稔の心境が胸を打ちます。 大川弁がものすごくリアルなところがいいんだけど、一般人に理解できるのかちょっと心配(笑) フェミナ賞受賞作品だけど、どんな風にフランス語に訳されたのかも気になるところです。
    余談
    私は文春文庫の表紙の方が好きでそちらを購入しましたが、集英社文庫の表紙を見て初めて白仏が「はくぶつ」であることを知りました。ずっと「しろぼとけ」と読んでいました(恥)

  • 命あること、死ぬことについて諄々と描かれている。シベリアでの戦いで敵兵を殺めてしまうことがどれだけ心の傷となったか罪はどう罰せられたのか。既視感が多いのにも注目した

  • 学期休みに読んだ本の一冊。実話ベースの話だとは、読んでる間、一度も想像しなかった。白仏も実在してるとは…。

  • 大河的な話を読む気分じゃなく、それを凌駕する話題もなかった。

  • 仁成さんの祖父が集落の人骨を集め、一体の仏像にしたことを元にした物語である。100体の骨を墓から掘り起こし、麦おっしゃき等で潰し、粉末した骨を仏像にする。5mの立像を作る過程を祖父の7才の頃から死する66才までの出来事を語られているが、どこからどこまで本当の話なのか不明である。戦争のことが冒頭にあり、読みづらかった。(難しすぎて)
    カエルにバクチクなど衝撃的残酷なところも読むのが辛かった。でも、中盤から物語に吸い込まれていった。祖父 稔は、7歳の頃から既視感(どこかで見たシーン)があり、死後のことなど興味があった。そして、勤勉、努力家、発明家であった。

  • つきまとう死とどう向き合うかを描いた作品。
    ある種の残酷さや死との向き合い方といった辻仁成の原点を感じられる一冊。
    和というよりは、オリエンタルな雰囲気。
    これがフランスで評価されたのはスゴイ。

  • 生を全うした者すべてに与えられるのが死。
    死は無ではない。
    死は深い宇宙。

    死=それは自分が生きてきた証。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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