シリウスの道 下 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2006年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167614041

みんなの感想まとめ

人間ドラマと広告業界の厳しさを描いた作品で、登場人物たちの過去と向き合う姿が印象的です。再読した読者は、年月を経た今でも物語の魅力を感じつつも、散らばった印象を受けたり、主人公の行動に少しの違和感を覚...

感想・レビュー・書評

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  • 15年ぐらいの年月を経て、再読。
    平成19年に逝去した作者。
    まだまだ面白い小説を書けると思っていたので、突然の逝去に絶句しかなかった。
    そんな作者の作品を久しぶりに読んでみたが、何だか話が散らばっていて、「こんなんだったっけ?」って言うのが正直な感想。
    ほとんど覚えていないのか・・・
    過去の過ちを抱えた三人の登場人物。
    大人になってから、忍び寄る悪の手。
    この作品が発行されたころは、こんな感じの作品が流行っていた気がする。
    主人公である辰村は単なる広告マンの域を超えているし、守ろうとした三人の過去の秘密も今読むと弱いような。
    全てが辰村の都合の良い方に進んでいき、出来過ぎな感も否めない。
    当時は大好きだった作者だっただけに、こんな感想しか出て来ないのが、何だか情けない。

  • 知らない広告業界を舞台にしたハードボイルド作品。
    人が描かれていて面白かった。
    『テロリストのパラソル』との繋がりも良かったんじゃないかな。

  • 今更ながら藤原伊織の作品をもっと読みたかった。

  • 一気に読めた。
    ただ、バタバタといろいろと起こり、バタバタと解決という印象が。。。
    エピソードが一つ無くてもいいから、もう少し一つ一つの問題をジックリ解決して欲しかった。
    明子の魅力も今一つ伝わって来なかったし。立花さんはすご過ぎ。
    でも、すべては主人公の魅力を引き立てるためかなー。
    戸塚くんも良い上司あってこその成長って感じだし。

    この人の本は始めて読んだので、話題でこの本にも関わりがありそうな「テロリストのパラソル?」を読もうかと思う。

  •  広告代理店を舞台にした、ハードボイルド。

     主人公は、アルコール依存症っぽい38歳、広告代理店の副部長。
     うーん、若い。
     結構、やってることはオジさんなのだけど…。もうちょっと年齢上げたほうが、違和感なかったように思います。藤原伊織の中の38歳って、こんな感じなのかもしれないけど、大多数はもっと子供だと思うんですけど。特に主人公のように、独身で根無し草のような性格だとね。
     にしても、やっぱ、上手いよ、藤原伊織。
     主人公の子供の頃の話が、微妙にからんできてて「永遠の仔」か「白夜行」と思わせながら、そのあたりをばさっと斬ってるのが藤原伊織らしい潔さといえると思います。
     で、出てくるキャラが、皆いいんだよ。
     政治家のコネで入社した若造が、泣けるぐらいいい。
     派遣会社からくる女の子が、またいい。そして、主人公の上司がこりゃまた、いい女なのだ。
     も、このキャラだけで、各三本ぐらい小説かけるよ、ってぐらいの濃密さ。
     キャラを堪能するだけでも、贅沢です。はい。

     でも、話はあんまりハードボイルドじゃありません。キャラはハードボイルドですが。
     「テロリストのパラソル」的なものを期待すると、ちょっとがっくりかも。
     が、面白いのはテロリスト以上です。最高のエンターテイメントになってます。
     結末がね、もっとなんとか、ってジレンマがあるんだけど、これはこれで藤原伊織のテクニックで納得させられるのでありました。

     …なんか、癌宣告されてるそうです、藤原伊織。
     (読んだ週刊誌の記事は、「余命を宣告されて、国民年金の支払いをやめたら、差し押さえるといってきた。もうもらえるあてがないのになんで納付しなきゃいけない」って怒ってた。ホント、これで納付を納得させるのは無理だろ。私だって同じになったら、絶対払わないな)
     落ち着いて、少しでも多くのいいものを書いて欲しいです。
     できたら「ダックスフントのワープ」っぽいのを。ええ、私は「ダックスフントのワープ」のファンでしたから。

  • 急に甲府へ出張することになり、家に寄って支度をして、本も2冊放り込んで出発。時間が遅くなって身延線廻りの電車は無く、久しぶりに新横から八王子と横浜線を乗り継ぐ。概ねその行程の間に読了。

    ちょっと切ない。
    幼なじみとの邂逅でも、漸く会えた人からの告白にも、魅力的な上司との束の間の逢瀬でも、そこで渡っても良い溝を、しかし渡らぬ、渡れぬ男。辰村って僕の周りにいる38歳からすると、とても老成している。
    無理解な客のトップにより敗北の憂き目に会うプロのプロたる所以の集大成。悔しくない負け方、…そうかも知れんが、そんなこと滅多にない。
    戸塚、会社を辞めなくてもよかったと思うよ。それがお前の矜持だとしても、会社勤めってそういうもんだ。
    一気に読めて、それはいいんだけど、上巻での謎の余韻が、下巻はパタパタと終結に向かって進んだ印象も。

  • 藤原伊織作品に登場するキャラクターは皆、傷を抱えながらも自分の人生を全うしている。その美しい描写が読後に深い余韻をもたらしてくれる。余韻に浸り過ぎてお浸しになりそうな作品です。

  • 藤原伊織先生著作の中でいちばん好きなお話。
    何度も読み返しました。

    藤原先生がお若くして亡くなられたのが、ほんまに悔やまれます。
    ご冥福をお祈りいたします。

  • 面白い。登場人物が多めだが、どの人も設定が豊かで良い。
    組織の中でもがいている人間には刺さると思う。
    以前読んだ『蚊トンボ白髭の冒険』に比べると業界や背景知識もわかりやすいのでスピード感があると思った。
    テロリストのパラソルのカメオ出演もガッツリあるので好きな方はぜひ。

    匿名の方の後書きも良かった

  • ひと昔まえの広告代理店、という感じがする。藤原さんの本が、もっと読みたかった。

  • いおりん最高!
    テロパラのお店もでてきます。

  • 2023年9月8日購入。

  • 久しぶりに、目頭が熱くなりました!

  • と、戸塚ーーー!!!
    カタログライフのときにも父親の影は一切出さずに土下座した戸塚が辰村のためには父親の力を使っちゃうの、胸熱展開すぎる…と思ったら父親のせいで足元すくわれてて諸行無常。
    ていうか本当に辞めてしまうのかよー。最初から一年の密約、たまたま辰村は知ってたけど育成コストとかたまったもんじゃなくない!? いやあれで去るのが美学なのもわからんではないけど、他の先輩たちはそれでいいんか?

    浅井パート、テロリストのパラソルと地続きなせいもあるけどほんとお手本のようなハードボイルドだ…
    辰村のやべーやつエピソードでしかないと思ってたシンナー中毒の不良中学生がまさかのキーパーソンだったなんて…勝哉の献身つらい…
    「この高価なコーヒーの味は忘れても、勝哉のいれたあのインスタントコーヒーの苦さだけは、たぶんいつまでも舌に残る。」めっちゃハードボイルドで良かった。というか明子、前回チクリと言われたのにまた高い店に呼び出してて空気読めないのそれでいいんか。

    最後の最後に、ずっと破天荒主人公やってた辰村の上をいく破天荒社長がお出しされたの本当に笑ってしまった。辞表を出せ!からの翌日復職願いを出せ!筋はそれで通る!はおもしろすぎる。

  • 広告業界を舞台にしたヒューマンドラマ。
    「もう少し読みたい」という名残を残して物語を閉じるのが巧い。「テロリストのパラソル」とのリンクも。

  • 広告代理店勤務の主人公をめぐる「いま」と「むかし」が交錯する話。戸塚さんの成長話でもあり、殺人未遂事件でもあり、ビジネス政治の混沌に巻き込まれる話でもあり、代理店の仕事がわかる小説でもある。最後まで綺麗です。

  • 上巻に同じく。

  • 小気味よい小説を読みたくなって本棚から引っ張り出しました。

    やっぱり、この人の小説は、いい。

    組織の中での闘いと仕事としての闘いとの絡み合いが、登場人物たちの生き生きとした言動で展開されていて、何度も読んでいるのに、臨場感が変わらない。
    登場人物たちがみな有能で個性的で魅力的で。とにかくカッコよすぎるんだけれども。
    読了したとき、なんだか大仕事をやり遂げたかのような心地よい疲労感に包まれます。

    いい仕事をする人たちが集まったチームって、こんな風に、キャリアも得意分野もバラバラな一人ひとりが、ちゃんと役割を理解して、能力を、あるいは持てる力以上のものを発揮せんと奮闘してるから、そして互いの苦しみやら努力の影を思いやりながら自分がどう行動すべきか考えて動いているから、こんな風に化学反応が起こせるんだろうなぁ。そんなことも考えました。

  • 昔読んだ本

  • 藤原伊織が描く人物は「男」も「女」もカッコイイ

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著者プロフィール

1948年大阪府生まれ。東京大学仏文科卒。85年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。95年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、同作品で翌年直木賞を受賞。洗練されたハードボイルドの書き手として多くの読者を惹きつけた。2007年5月17日逝去。

「2023年 『ダナエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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