バガージマヌパナス わが島のはなし (文春文庫 い 39-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167615017

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で。面白かったです。

    主人公のような何もしたくない何にもなりたくない人間にも優しい社会。良いなあ~ 働きたかったら日本に行けばいい。そりゃそうだ。でも何もしないで居られると言うのもある意味才能であって貧乏性な自分なんかには耐えられないかもしれない。石垣島は一度だけ行ったことがありますが素敵な島でした。あの珊瑚礁はもう潰されて空港になってしまったのだろうか…。観光の為に作る空港がその目玉となりそうな珊瑚礁を破壊すると言う矛盾。変な話ですね、実際。

    ガンマーの優しさといい加減さは彼女の苦しい人生の末の答えなのかなあと思いました。最後がめつい巫女さんが世話を焼いているのが面白かったです。
    それにしてもデージ困った問題で子供と父親の顔が似てないってのは笑わせて頂きました。

  • なんだろうね、夏休みが終わる一日前って感じ。

  • 綾乃のユタになるまえの生き方が、自分では「したらだめ〜」と思っている生き方を、ことごとくしてる感じで、羨ましい。そう感じた自分が新鮮だった。日々ウン%の改善も程々に…てことかな

  • 色鮮やかな物語だった。沖縄の太陽とオージャーガンマーのもとでは、綾乃のフユクサラー(怠け者)もフラー(ばか)も不自然に感じない。眩しいくらいに自由だ。ろくに学校も行かないのに成績は優秀で、しかも黒髪の美少女だ。無敵だ!強気な性格もオイラ好み、相手にはしてもらえないんだろうけど。いちばんの友だちがオージャーガンマーというギャップもいい。17歳と86歳の友情というか、愛だよね。きっと綾乃はカニメガとも手加減なしのいい関係になると思う。仲のいい友達とはずっと一緒に遊んでいられると疑わないのはオイラもだ。贅沢なんかしなくても、約束もしていないのにガジュマルの樹の下に行けば友だちに会えるなんてこんな素敵なことはない。いつもの店でいつもの顔ぶれで酒を煽っているのとは違うものな。話すことだって会社や家庭の愚痴じゃない。綾乃とオージャーガンマーのユンタクは噛み合ってるかどうかなんてお構いなしだけど、聞いているだけで笑顔になる。幸せって何かわかっていて全力で楽しむ二人だからできる。大好きな友だちとはそんな会話をずっとしたいな。

  • なんくるないさ~(松懈/悠着)が(是)でーじ(重要)。あんまーほんまーがんまー(妈姐妹)。はなもー(冲绳方言)、ほるもー(鸭川方言)ww

  • 下品で馬鹿だけど純粋な主人公たちが読んでいて愉快。
    個人的には女ルフィとババアルフィが遊んでいるお話し^^
    沖縄離島の話ですが、石器時代を舞台にアレンジしろと言われれば簡単にできそう。
    ラストは予想通りのド直球で泣かしてきます。

    あと、題名が良いですね。読み終わった後も意味が分かっていないのですが、この本の題名として、とてもしっくりくる。

  • 大好きな沖縄の島が舞台の物語。
    始めはすごくおもしろく感じたのだけど、途中から退屈になってしまった。
    感情や状況にいちいち説明が多すぎて、それがちょっと鼻につくんだよなあ。設定はとってもいいのに、人物像とか内容も荒削りで、なんだかもったいない感じ。。。

    でも、沖縄の方言、テーゲー主義な雰囲気、怠惰な綾乃とオージャーガンマーはすごーくよかった。
    この人の違う作品も読んでみよう。

  • 職場の上司にお借りした本です。
    多分自分じゃ絶対買わない系統の本なので、
    こういう出会いがあるのが貸し借りの醍醐味ですね。

    さて、物語は沖縄を舞台としたファンタジーです。
    主人公の綾乃が親友のオージャーガンマーという86歳の婆さんと
    ダラダラとした毎日を送る中で、
    突然神様にユタ(巫女のようなもの)になれ、
    と言われて・・・というお話です。

    沖縄の空気感なのか、全く切羽詰った感じは無く、
    ひたすらダラダラした展開に最初はなじみづらいところもありました。
    しかし慣れると意外に心地よいのです。
    何もしなくて良い、ただ毎日生きるだけでよい、
    そういう在り方も許されるんだなぁ、なんて思わされました。

    7割ほど進んだあたりからは綾乃がユタになって、
    物語は急展開を見せます。
    そこからのスピード感もなかなかに良かったです。
    それまでずっとアイドリングで運転したのに、
    突然アクセルを踏み込んだような展開の中、
    急に大人の女性になっていく綾乃はとても魅力的です。

    なかなか面白かったので、その内テンペストとかも読んでみようかな、
    なんて思わされました。

  • さすが日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

    池上作品の原点ですね…言うことなしです!

  • 最初7割のだるい展開しない綾乃とオージャーガンマーのやりとりが、逆に楽しく石垣島の空気を感じられる本だけど、最後はあっさり。あ、それがオチ? みたいな。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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