地を這う虫 (文春文庫)

著者 : 高村薫
  • 文藝春秋 (1999年5月1日発売)
3.38
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  • 本棚登録 :988
  • レビュー :88
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167616014

作品紹介・あらすじ

「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。

地を這う虫 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 矜持なのか意地なのか。その姿は素直にカッコいいと思う。胸に沁みる重い一冊でした。
    あらすじ(背表紙より)
    「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。

  • どうして高村薫さんはおじさんの描き方がこんなにうまいのか…。

  •  そのむかし「黄金を抱いて翔べ」なんか読んで、どうにもキャラクターの心情がつかめずほとほと参った経験があって、カオルちゃんの本はずっと避け続けてきた(>_<)
     でも、今回ひさびさに恐る恐る手に取ってみたら、ぜんぜん違和感なく読めた( ´ ▽ ` )ノ
     たしかにところどころくだくだしくてやたら読みづらい文章もあるけど、慣れればどってことない( ´ ▽ ` )ノ

     本書は「元デカたちの再就職事情」という、かなり変わった趣向の短編集( ´ ▽ ` )ノ
    「武士の商法」というか「三つ子の魂」というか、ちょっと視点を変えたらギャグ・落語にもなりかねない話ばかり( ´ ▽ ` )ノ
     というか、最後のやつなんかあきらかにウケを狙ってるよね( ´ ▽ ` )ノ
     警察という組織がこういう「異常人」を作っていくのか、変わった症候の人間が寄り集まってくるのが警察という組織なのか?( ´ ▽ ` )ノ
    「新宿鮫」同様、ナチュラル・ボーン・ポリスものの支流だね( ´ ▽ ` )ノ
     ただし、鮫島と違って、本書の主人公たちは自らの信条に従って「警官」であるのではなく、強迫観念的な「何か」に取り憑かれて「警官的」なものにさせられているような感じ( ´ ▽ ` )ノ
     そこらへん、面白かった( ´ ▽ ` )ノ

     にしても、本書に出てくる女性たち、誰も彼もテンプレで薄っぺらだね(>_<)
     まるで昔の大御所作家の書き散らした「女ども」みたい(>_<)
     どこか軽く見てるというか、小バカにしてるような感じで、「ほんとにこれ、女性が書いたの?」と首を傾げざるを得ない(>_<)
     一編くらい、女性の元デカが主人公のエピソードがあってもよかった(>_<)

     まあ、でも、男どもの心情は的確に捉えられてて、全編しっかり堪能できた一書でした( ´ ▽ ` )ノ

    2017/12/19

  • やっちゃいました。二度買い、二度読みです。しかも二度目だと言うことに気付かないまま読了(かすかに違和感は有ったのですけどね)。恐らく6-7年ぶりだとは思うのですが。
    高村薫さんは「黄金を抱いて飛べ」で驚かされて以来、続けざまに数冊読みました。重厚で緻密、ひたすら重くしかも長い作品を書く人、そういうイメージが有ります。しかしこのような短編になると、その良さが出てきませんね。決して悪い作品では無いのですが、高村さんでなくても良い、そんな感じがします。警察組織の腐敗を描く作品が多いのですが、それも既に見慣れたテーマですしね。
    そういえば高村さんは最近方向が変わったようですね。そちらのほうを読んでみようかな。

  • 2016/11/24

    ◎愁訴の花

  • それぞれの理由で警察を辞めた男たちの、それぞれの物語四編。
    それぞれ小さな事件をきっかけに、過去に縛られた自分を見て、ひとつ何かを乗り越えていく話。

    『愁訴の花』の須永が泣かせます。こういうひとが地を這う虫だと思う。

  • 福井晴敏を読んだ後には、何故か(?)高村薫も読みたくなる・・・。
    なんとなく文体が似ていると感じるのは、自分だけだろうか?

    さて、本書……。
    特筆するほどのことは無いが、十分楽しめたかな。ただ、短編だからか、文体の高村薫らしさは、やや薄めだった。

    ★3つ、7ポイント。
    2014.07.??

  • 「地を這う虫」髙村薫◆訳あって刑事を辞め、それぞれの思いを胸に生きる4人の短編集。刑事の道を外れた哀愁が漂う。表題作がミステリとして面白いのですが、何より主人公があまりに凝り性なのが可笑しくて、髙村キャラらしからぬ可愛らしさ(?)。ただ、髙村さんの重厚感は長編の方が堪能できそう。

  • 警備保証会社の事務員、金融会社の取り立て屋、代議士のお抱え運転手。そして民間企業の守衛。
    一度は警察官となりながら、しかし生涯警察官として生きてゆくことなどできず、しかし司直の舞台から去ったとてほかの何者かの生き方もなかなかにできるものではない。
    犯罪現場から遠く離れて、世間の生々しさ、複雑さに翻弄されながらも、やがてそこに居どころを得ていく4人の元警察官たちの"その後"の物語。

    表題作の主人公のこだわりに激しく同意する。曰く「この世界で、無秩序こそは浪費と混乱と過ちと悪の始まりなのだ」!! 沢田さん、ぜひ一緒に在庫管理しましょう!

  • 独特の固執感にはまる。

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