豚の報い (文春文庫 ま 13-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167618018

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄の濃厚な匂いが漂ってくる小説。『豚の報い』なんてタイトルは本土ならばホラー小説くらいでしか用いられなさそうだが、沖縄では豚は特別な動物。不穏なタイトルからいきなり豚がスナックへ闖入してくる冒頭の展開になんじゃこの小説と戸惑っていたはずが、見事に沖縄の空気を描き切っている物語にどんどん引き込まれていく。文学でしか表現出来ない沖縄の魅力満載。ラフテー食べたい!

  • 生の象徴であるような3人の女性たちと御嶽への祈りとの対比、またその間に立つ正吉、それぞれの温度や質感が素直に感じられる作品。

  • 沖縄に行かなきゃいいも悪いもわからんのかな。この作品。

  • 小さなきっかけでも、偶然と呼べないほど濃い思い出になるのも、思い掛けのない時に起こるんでしょうかね。後半のまた違った物語も、夏の思い出のような感じで好きだった。何気ないどうでもいい会話もあれはあれで特別なように感じた。芥川賞を取ったので読んだけど、案外普通のストーリーだった。

  • 会話が魅力的だった

  • 高を括って居た。語彙不足のウチナーンチュが書く小説なんて・・・・と。芥川賞を取ったとき読んでいるのですが、覚えているのは、豚がスナックに闖入の場面だけ。改めて読んでみて・・・フ・カ・イ
    やればできるじゃないかウチナーンチュ

  • 表題と芥川賞作品と言うことに引かれ購入したのですが。。。。
    なんだか合いませんでした。
    何か入り込めない、主人公と離れてしまう感覚があるのです。著者には何か下敷きがあって、その上にこの物語が書かれているのですが、その下敷き部分が私とはズレている感じです。
    背景描写の少ない作品なのです。登場人物の年齢も性格も。小説の枕部分でサラリとその人物、背景を特徴的に示すエピソードなどが示されることが多いのですが、この小説にはそうしたものがありません。その所為なのかもしれません。

  • 食用とされるべき運命にまつろわぬ豚は
    世界のシステム・リーンカーネーションの輪から離れ
    再生を拒む亡霊として漂い続けるのだ
    亡霊は、同じくまつろわぬ意志を持つ者のにおいをかぎつけ
    これにすりよってくる
    それが不幸のしるし…いわゆる「厄」である
    しかし、そのように厄を受けることは、結果的に
    生き方を反省する契機となるもので、必ずしも悪いことではない
    懺悔するべきである
    亡霊を引き寄せる心のやましさを
    死者の世界の入り口に向かって吐き出すのである
    そうすれば一時的にせよ
    罪は許され、不幸を遠ざけることができるだろう

    「豚の報い」は、優柔不断な若者がなりゆきで預言者となり
    沖縄本島から、スナックのママたちを約束の地へとみちびく物語
    少年よ神話になれである
    これが、オウム事件の直後にもかかわらず芥川賞を獲ってしまった
    ニューエイジ・オカルトの延命策か
    当時、米兵の暴行事件があって
    沖縄問題がマスコミにクローズアップされていたのは確かだが…

  • いやあ、コングラッチュレーション。

    芥川龍之介賞の受賞おめでとう!

  • やっぱり県民としてはこの辺も押さえとかなきゃね〜、しかも勝連やら与那城やら、もろ地元じゃないの〜( ^ω^ )嬉
    と、ワクワクしたのは最初だけでした…。

    嗚呼、やっぱり私は芥川賞に向いていないんだなあ。と、最後には悲しくなってしまった。
    話が面白い面白くないじゃなくて、「この作品の何が評価されたんだろう?」と考えてしまって、物語世界に没入できてない時点でダメよねえ(T_T)

    女の業のような愚かしさが、生々しい滑稽さを持って描かれているのですが、うーん、私には合わなかったようです。残念…。またいつか再チャレンジしてみたいな〜。

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著者プロフィール

1947年沖縄生まれ。琉球大学法文学部史学科卒。1978年 『ジョージが射殺した猪』で第8回九州芸術祭文学賞受賞。  1980年 『ギンネム屋敷』で第4回すばる文学賞受賞。  1996年 『豚の報い』で第114回芥川賞受賞。

「年 『パラシュート兵のプレゼント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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