患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167620028

みんなの感想まとめ

がんに対する新たな視点を提供する本書は、治療の選択肢やその影響について深く考察しています。著者は、がん治療の一般的なアプローチに疑問を投げかけ、早期発見が必ずしも最善の結果をもたらさない可能性を指摘し...

感想・レビュー・書評

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  • がんを早期発見できれば治療できる、というのは人間の傲慢かもしれない。著者曰く、治療可能ながんは限られている。現代の日本の医療では、治療の一環で身体の部位を余分に切り取りすぎている。放射線治療を使わなさすぎで、使ったとしても照射しすぎだそう。放射線は遺伝子を変化させるため、がん細胞だけでなく健康な遺伝子までも影響を与えてしまう。我々が闘っているのはがんではなく、抗がん剤の副作用や手術の合併症、後遺症と戦っているのでは、と著者は言う。例として胃がんを早期発見した場合、胃を切り取って残りの生涯をチューブで暮らすか、経過観察にとどめて死ぬまで自分の胃で食事を楽しむか。本書を読んだ今、私なら迷いなく後者を選択する。

    現代は「がん発見=治療を行う」という思考が一般的になってしまっているが、著者の言うとおり、発想の転換が必要な時期に来ているのかもしれない。治療を行うことで満足感や多少の希望は抱ける。しかし、がんは老化現象であると受け入れることができれば、莫大な資金を投じ苦しい治療を続けて命を落とさなくて済む。がんでなくても自然寿命で人はいつか死ぬのだから。

    以下、本書より抜粋。
    「抗がん剤でこれまで生存率が目覚ましく向上したものには、急性白血病悪性リンパ腫、子どものがん、睾丸腫瘍、子宮の絨毛腫瘍があります。乳がんも抗がん剤で生存率が向上しますが、急性白血病などほどには目覚ましくなく、他の臓器にはっきりした転移がない場合に限られます。それ以外のもの、つまり胃がん、肺がん、子宮がんなどでは、抗がん剤が生存率を向上させる証明はありません。」

  • ずいぶん前に読んだ本でしたが、私の病気(がん)に対する見方が大きく変わった1冊です。
    内容には賛否両論ありますが、乱暴に言えば、がんを摘出して長く不自由な余生を送るか、それとも放置して短いが今まで通りのクオリティオブライフを維持するかの究極の選択論争のような気がします。
    彼の主張を一方的に批判する前に、一度は読んでみてほしいと心から思います。

  • 古い本だが、それでも現代の問題を考える上でとても参考になる。
    賛否両論あるようだが、私は肯定派。
    がん医療(内科でも外科でも)や、在宅診療、緩和ケアの場で悩む若手にこそ読んでほしい。
    視野が広がり、選択肢が増え、罪悪感が減ることで、自分の緩和ケアやがん医療の質が向上すること間違いなし。
    名郷先生のEBM系のものと合わせて読むと、Do No Harmの原則をより忠実に実行できるようになるかも。

  • がん(病気)とは闘うものだという日本人の
    社会通念。そのために辛いだけで効果のない
    治療を強いられる、がん治療。
    慶応大学病院・放射線科医師、近藤誠が闘わない、がんとのつき合い方、がん治療の真実を知ることが損をしないで対処出来ることを訴える。当時、この本の出現はセンセーショナルで
    医療界が激震した伝説の一冊。

  • 2000.12.24~ 1.3 読了

  • 2014.10―読了
    曰く「抗がん剤は効かない、命を縮める」
    曰く「早期発見は無意味、がん検診は拒否すべし」
    曰く「手術もまた殆ど役に立たない、しなくてもよい手術が圧倒的に多い」などなど、
    知らず知らずの内に受け手=一般人の医療常識となっていることを悉く覆していく。
    '88年の雑誌「文藝春秋」6月号
    「乳ガンは切らずに治る」から始まった折々の連載が
    本書タイトルにまとまり出版となったのが96年
    文庫になったのが4年後の'00年。
    これまでによほど多くの読者が読んできたろうと思われるが、
    もっともっと拡がるべし。

  • 慶応病院の異端児として有名らしいこの方の主張は「患者が闘っていると思う相手はがんではなく、実は抗がん剤の副作用や手術の合併症、後遺症だけ」という一点にあります。舌鋒鋭く現在のがん医療の先端となる医学界を批判しています。納得する面もあるのですが、人物的にどうかと思わざるを得ない印象もあります。この本の中で登場する笹子三津留・国立がんセンター中央病院外科医長とは私の中高の1年先輩だった方で人格的には恐らく優れた人。著者も笹子氏は良心的な方だと書いているのは、そうだろうと思います。抗がん剤、手術のむしろ有害なことを指摘しつつ、放射線医療にもっと日が当たるべきことを強調していますが、最終的には、何も治療しない!との結論には少し心細さを感じる患者が多いように思うのですが・・・自分で治療法を見つけそれを医者に実行してもらう、という主張は現実には難しいです。

  • こういった人の本も読んで理解する必要あり。医療を行う中で限界はいつも感じるが、少しでも患者さんのプラスになる情報を提供して行きたい。

  • 2000年発行。故に内容を”そのまま”受け止めることは出来ませんが、概ね適用できるのではないかと”想像”致します。
    特に病気を作り出すかのような医者、製薬会社、役所の振る舞いは「きっとそうなのだろう」と想像するに値するような行いはあるんじゃないでしょうか? と”想像”します。

    がんを特別視するのもどうかと思います。これだけありふれているんですから。なのにいまだに忌み嫌う風潮が蔓延っているのはなぜなのか――極論すれば、事故や事件に巻き込まれて突然命を絶たれることに比べれば全然マシだと思うのです。

    「天寿」を全うするような、最期(に近い時期)まで美味しい物を食べられるような行き方が出来る選択をしたいと感じました。

  • 難しい部分もあるが全体として理解できるような気がする。人生は有限、生きている間のQOLを維持することの方がよっぽど大切。要は人生観、死生観の問題につながって行く事柄だと思う。

  • ガンの常識と思っていた事が
    ひっくり返りました。

    冷えとりをしているおかげで
    以前から比べガンも怖くなくなりましたが
    こちらを読んでさらに!

    私はガン治療についての知識が
    無いに等しいと実感。

    ガン検診の意味の無さ。
    抗がん剤が効くのは あらゆるガンのなかで1割。
    初期ガンは治る 神話の崩壊。
    日本は手術を乱発する。
    ガンと診断された中にはガンもどきもいる。
    新薬を試されるのはモルモットとおなじレベルでしかない。

    私はガンになると言われて
    ちょこちょこ切り取った部分もありますが
    必要なかったのですね。

    ガンじゃなくてもよんでおいた方よい
    医療界のこわい常識もたくさん載っています。

  • 癌とどう向き合うのかー将来の俺。


    いやはや癌は悪くない。

    と唸らせる本。

    いや、嫌やけど。

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著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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