東京 (文春文庫 し 33-1 世界の都市の物語)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167623012

感想・レビュー・書評

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  • 東京は、新しいものと古いものが入り混じった街で興味深い。




    今回の本は、1999年に発行された古本だが、今読んでも面白い。




    意外なところに神社があったり、通りを挟むだけで静と動の差があったり、緑あふれる場所と都会砂漠のギャップなど、東京は歩いているだけでも楽しめる「レジャーランド」だ。





    エピローグでは「東京の現在、これから」について書いている。




    東京を住みやすく、より味わのある「生活都市」にするには、先ずは歴史や自然のストックを、さらには人々の中に蓄積されている知恵や技術をおおいに生かす必要があろう。




    神宮前の街路樹を伐採して再開発することに意味があるのかとふと思った。




    同時に東京は、先端の経済活動と文化創造の場としての魅力をもつ「世界都市」の役割を担い続けることも期待されているとも述べている。





    建物に注目しがちではあるが、コンテンツがそろっていないとなあ。

  • この本が書かれたのは'90年代。今もこの東京の姿はどれだけ残っているのだろうか。
    (小石川後楽園の見立ては面白かった。後楽園をじっくり散策してみたくなった。)

  •  三浦展さんの郊外論の参考文献。残念ながら絶版。

     バブルがおわった今から10年ぐらい前に発刊された東京論。

     六本木ヒルズとか、東雲など臨海部の開発は当然のっていない。

     陣内さんのおもしろがる建築物は、おおざっぱに言えば、明治や震災復興の情緒、さらにはもっとさかのぼった江戸情緒を伝えるもの。

     自分もそういう建築物など大好きだが、都市計画行政という観点からはなやましい。

    (1)経済合理性という観点からの再開発の動きとどう調和するか?

    (2)仮に保存すべきと考えたときに、耐震性、防火性などをどう考えるか?

    (3)本来そういう仕事は、地方公共団体、特に市区町村の仕事だが、それに任していって、どんどん大事な建築物がつぶれていくのを国が放置していいのか。

     昨日、大手デベロッパーの幹部と懇談したときにも、欧米では環境対応ビルへの支援は、地方公共団体が独自にいろいろやっているのに、日本では地方公共団体レベルではそういう動きが少ないのはなぜか、という議論になった。

     やはり、地方公共団体の職員や幹部の意識改革のために、時間を限って、歴史的建築物、文化財とも言えないけど大事な建築物に、支援措置を講じた方がいいと思う。それと、ちいさなほこらとかお地蔵様とか守っていきたいな。

     財務省には、そんなもの、国がやる必要はないと言われるので、もっと理論武装が必要だが。 あと、政策の必要性の声をあげる応援団がほしい。

     どなかた、情報と発信力のある方を紹介していただけないですか。

  • 2009/07/02 読了

  • 散歩が好きな方にオススメです。

    地図を見るのが好きな方にもオススメです。

    歴史と文化で東京を眺めます。



    東京が、面白いと感じていても

    東京が、醜いと感じていても

    東京が、美しいと感じていても

    東京が、怖いと感じていても



    それぞれに違った一面があるはず。



    そんな気にさせる、東京再発見ガイドです。

  • 都市研究の入門書として最適だと思う。都内各地の特徴をよくとらえている。

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著者プロフィール

陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。

「2022年 『トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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