捨てる神より拾う鬼 縮尻鏡三郎 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 68
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167627171

感想・レビュー・書評

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  •  久々の佐藤雅美。今回は縮尻鏡三郎シリーズ最新刊。佐藤雅美のいくつかあるシリーズはいずれもが面白いのだが、語り口や登場人物の挙動がよく似ていてついごっちゃになる。縮尻鏡三郎はなんだったかなというと、そうだそうだ大番屋の元締で、女房がおりんに娘が知穂と、読んでいくうちにすぐ思い出す。三日に一回の公認された飲み会の日には梶川三郎兵衛に羽鳥誠十郎と脇役もそろっている。
     毎回いろいろな事件が巻き起こり、解決する、という繰り返しなのは他のシリーズと同じなのだが、やはりこのシリーズの魅力はなんといっても知穂だろう。気の強いというか、手習塾の女座の師匠をして自活して、今回はとうとう婿の三九郎を離縁してしまった。でもこの個性。はらはら見守る鏡三郎とのやりとりなど、現代的な父親と娘のようで時代背景には合わない気もするが、それがまた作品の魅力になっている。で、こういう勝気な女の子、ぼくは好きなんだな。読んでいて痛快。がんばれと応援したくなる。まあ、実際にこういうのが娘や身内だったら大変なのだろうか(笑)。
     今回の中から一作あげると「届いておくれ涙の爪弾き」。悲しい物語すぎる。男も女もなんて悲しいのだろう。

  • 第四弾
    短編の集まり、噂から事件解決への道筋を見つける独特のキャラ健在
    相も変わらず、町方から武士までもろもろの事件に首を突っ込んでいく
    ちょっと変わった娘、町方の妻女、同心、剣術屋、さらには勘定奉行を多種多彩な人物構成
    短解決、事件の集まりに江戸の事情が分かりまあいいか

  • 42 3/29-4/5

  • 相変わらずの面白さ。その面白さについては本書の細谷正充さんの解説で言い尽くされているような気がする。
    主人公は基本的に傍観者であるので、胸のすくような爽快感は期待しては駄目で著者の該博な知識に裏打ちされた物語にうなっていれば良い。実際に庶民の間で起きた出来事を主人公の耳を通して見聞している気分になる。しかも、抑えた文章でありながら登場人物の哀歓が伝わってくる。

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著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。早大法学部卒。85年『大君の通貨』で第4回新田次郎文学賞、94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞。おもな作品に『物書同心居眠り紋蔵』『八州廻り桑山十兵衛』『縮尻鏡三郎』『町医 北村宗哲』などがある。

「2016年 『侍の本分』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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