老いらくの恋 縮尻鏡三郎 (文春文庫 さ 28-20)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167627201

作品紹介・あらすじ

浜町河岸のご隠居・武部九郎右衛門に、大金を隠し持っているとの噂あり。その額、五千両とも一万両ともいわれ、金目当ての有象無象がかまびすしい。縮尻御家人こと拝郷鏡三郎も興味津々、事の成り行きを見守るが、ご隠居の覚悟もさるもの、おいそれとは尻尾を掴ませない…。老境の哀歓を見事に描き切った忘れがたき傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 鏡三郎があまり活躍しないのが残念。

  • 相変わらず外れ無しの面白さ。欲得に左右される様々な人間像の中に情と矜恃がさらりと描写され、輝いて見える。もちろんほおっと毎回唸ってしまう該博な時代描写、エピソードも。

  •  何度も書いているので今さらだけど、佐藤雅美の時代物シリーズはいろいろあってどれもがなかなか面白い。ので安心して読めるのはいいがマンネリといえばその通りで、どれもこれもが同工異曲なので複数のシリーズを並行して読むとなんだか登場人物や舞台装置がこんがらかる。
     これはその中での縮尻鏡三郎ものの最新刊。何冊目だろうか6冊目? 帯にはシリーズ最高傑作!という惹句が踊る。まあこういうのは話半分だから、とりあえずは安定した70点くらいのところという心づもりで読み始める。ところがところがこれがなかなかだった。おもしろい。全8話の短篇を通じて軸になる登場人物武部九郎右衛門がなかなかいい。本人自身が周囲には謎でありながら、鏡三郎や梶川、羽鳥という常連と一緒にももんじ屋で鍋を囲んだりしている。それぞれの小編も「瞼の母」とか「江戸では死んでいる男」とかそれだけとってもちょっと読ませる話になってるし。最終話の表題作がうまく進みすぎるところがちょっとなんだなという気もするけれど、まあ年寄りには元気の出る話だからまあいいか(笑)。

  • 縮尻御家人・鏡三郎シリーズ第六弾
    八編の連作短編

    鏡三郎の娘の住まいの近くに住み、米相場で大儲け、大金を隠し持っていると噂されるご隠居、表題の「老いらくの恋」はこのご隠居の恋で、ほかの7編も男女関係のもつれがもたらす話。
    鏡三郎はご隠居の噂を確かめたいと思いながら、話が重なるごとにご隠居との交流が進む。ゆっくりと関係を壊さない。この距離感が心地よい。

  • このシリーズ必ず読んでます。頭の肥やしにちょうど良いかも(^◇^)

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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