センセイの鞄 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 7155
レビュー : 1105
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167631031

感想・レビュー・書評

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  • 2019.4.27読了

    言わずと知れた川上弘美さんの名作。
    解説の方と好きな箇所が同じでした。

  • 10年後にまた読みたい。きっと感慨は更に奥深くなる気がする。
    歳を経てから読むほど、味わい深くなりそうな一冊。

    大人になってしまうと、愛には臆病になるものだと思う。
    さらには恋に落ちたりハマるなんて、もっと嘘くさい。

    でも、大人である、とか、立派に生きている、とかとか。
    そんな小洒落た気持ちを超越して、甘い自分の人生をおくれるのは。
    やっぱり、「大人になってからの恋愛」があるかないか、なのかも、しれないですね。
    この小説ではセンセイでしたが、それが夫婦であってもいいし友人や偶然の知り合いであってもいい。

    大事なのは、しずかな、あわあわと、そして色濃く、流れる、そんな時間を持つことなんだなーと、読後に印象に残りました。

    ~遠いようなできごとだ~

    この言葉から始まる、最後の方の4行文章が、この小説のすべてですね。
    心が揺さぶられて、たまらない。

    この小説が好きになる人達って。
    心のどこかで、いつまでも年を取っても「手を繋いで好きな人と歩きたい」と密やかに思っている人ではないかと、そう思います。笑

  • 高校時代にどはまりした作品。実家にあるが、立ち読みがてらパラパラと読み始めたら止まらなくなってしまい、10年ぶりくらいに同じ本を買ってしまった。

    恋愛のペースというか、この本の中を流れる小説独特の時間の流れ方が好きだなあと思う。

    その中に守られているのが、とても気持ちが安らぐ。誰からも攻撃されないような安心感を感じられる。

    綺麗に消した真っ黒な黒板に、よく尖ったチョークできれいに書いた文字のような作品。

    いま読み直すと、センセイが、男の人というよりも上品な女性なような感じが、しないでもない。

    今好きな人がちょうど年上で敬語でやりとりしているので、それと重ねて胸キュンしたり、とにかく自分の心のなぐさめられるように読むことができる、いい本だなあと思う。

    昔、この作品が「気持ち悪い」というレビューを読んだことがあって、そういう人もいるんだなあと思った。誰かと一緒に人生を過ごすことができるなら、この本を好きだと思える人がいいなあと思う。

  • センセイとツキコさんの距離感や会話の雰囲気が好きです。

    ずっとこのままなのだと勝手に思っていた「ふわりとした関係」が
    「恋愛」変わった時、正直、少し嫌悪を感じました。

    でも、センセイは誰よりも紳士的で思慮深い男の人なのだから
    ツキコさんが乙女のように恋してしまうのもアリなのかもしれない。
    (いやいや、現実は世知辛い理由が複雑に絡んでそうもならないだろうけど...
    でも、小説の中の事だし、私の少しの嫌悪なんてどーでも良いささやかな常識なのかもしれないなぁ~...
    等と、この著者の作品を読むと少々複雑な瞬間に出会えます(苦笑)

    「公園で」
    センセイの気持ちに期待してはいけないと必死で自分を抑えるツキコさんに「恋愛を前提としたお付合い」を約束するエピソード。
    コミカルなのに、初老のセンセイにはツキコさん程、人生の時間はなくて
    そういうのも含めて本気で好きである...というのが、とても切ない事だと思いました。

    もちろん、終わりも切ない。

    これを「大人の恋愛」というべきなのか?
    たまたま本気で好きになった人が元・センセイでずいぶん歳が離れている男性でした
    ....という事なだけでもあるけれど、二人の関係の変化がとてもステキなお話でした。

  • なぜ今まで読まなかったんだろう!
    月子のような日常を送ってみたいし、こんな恋愛がしてみたい。
    穏やかだが、どれも記憶に残るだろうと感じるセンセイと月子の日常。所謂エモい恋愛である。わたしも好きな人と夏に市に行ってみたいわ…。
    そして月子のような子供っぽさを残す大人の女性に憧れる。
    終わり方もすごく良かった。

  • あわあわと色濃い恋。儚く、素敵なお話でした。こんな大人を目指したいものです。

  • 22歳ぐらいの頃に一度読んで
    31歳で再読
    当時はなにを思ったんだろうな

  • 大好きな本。
    儚くも、優しく、あったかく、切ない。

  • 「ツキコさん」「なんですかセンセイ」からはじまる会話が、他人行儀ながらも心が通じ合っているようで好き。二人とも一言で言えばかわいい。
    人を好きになることにきっかけはあっても理由はない。ただそばに寄り添ってあたたかさを感じていたい。二人の間にはそんな儚い恋情がただよっていて、こころが温まった。
    ただタイトルはもう少し考えた方がいいかもしれない。

  • 谷崎潤一郎賞、解説:木田元

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著者プロフィール

川上 弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞と紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨、15年『水声』で読売文学賞を受賞。ほかの作品に『風花』『どこから行っても遠い町』『神様2011』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『水声』などがある。2016年本作で第44回泉鏡花文学賞を受賞した。


「2019年 『大きな鳥にさらわれないよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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