- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167631062
感想・レビュー・書評
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こんなにも好きで、でもみんな容赦なくいってしまう。
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たゆたう。ひらがなが、ここちよい。
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古本屋さんで吉本ばななさんの本が好きだと言ったら川上弘美さんを紹介してくださいました
真鶴を読んで、吉本ばななさんの本の、目には見えないもののが力を発揮してしまう、少し闇っぽい部分が似ているなと感じました
でも主人公の京と、京の失踪した夫の礼との、失踪する前の思い出が読んでいてとてもいとおしくて、京がなんとか現実を受け入れていく心情が伝わってきました -
「女」が溢れてる作品。女性は「海」そのものだ。流されていく「女」の宿命を背負った主人公が「男」を追って海辺の街「真鶴」に通うようになる。「男」は男性でありながら、海と同化し、曖昧模糊な「何か」として描かれている。鋳型に嵌められた性、そして生をも悠々と超えてくる作品。女/男 生/死 といった二項対立で語ることへの限界を感じた。
「からだの方が、きもちよりも、区別しがたい。」『真鶴』本文より
「文学は幽霊のことを扱うはずのものだったんじゃないか、と呟いたのが、村上春樹。そんなのあたりまえじゃん、と応じたのが、川上弘美。これが現代文学の転換と洗練の内実だ。」
『真鶴』解説(三浦雅士)より -
ひらがなが多くて読みにくいが、幻想的な小説。解説も良い。
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女性の小説家の本を読むことがあまりない。自分が男性なのでそっちに偏るのと、やっぱり性差みたいなものを最近ものすごく感じるので。
具体的に言うと、自分はどう頑張っても子どもは埋めないし、日常生活レベルで大きく違うのは生理がないこともそう。当然、社会的な部分でもだいぶ違う。だから女性のことを「わかる」って絶対に言えない。でも少しでもわかりたい、なんとか理解したいという気持ちはある。「わからない」こと前提で。逆に、自分は人として普通に接したいのに、悪い面での女性的なとこがある女性にはイラっとしたりもするけど。
男性は確かに社会的には恵まれてると思うけど、誰しも好き好んで男に生まれたわけではないのです。
で、女性作家のことはやはり女性のお薦めを参考にすることが多く、川上弘美は姉が好きと言ってたので読みたかったんだけどきっかけがなく、読書会の課題本だったので読んだ。
課題本発表された翌日にすぐ買ったんだけど、読書する気が最近全くなくて前日徹夜で一気読みした。初めて一日で本を読んだよ。
昔付き合ってた子に江國香織の短編を薦められて読んだのだけど、サイコホラー的な部分がある作品で、この『真鶴』も霊的なものだったから、またホラーか!!と。女性的なものや思春期的なものとホラーは結びつきやすいんだろうか?ホラー映画とエロが関係あるように。
一気読みしたからそんなに精読できてない。内容、途中の思春期の娘との話のとこは面白かった。ラストはそうでもなかった。
一気読みなので、構造分析はあまりせずに心情描写の方を楽しむことにしたのだけど、文学賞も獲ってる大学の先生(30歳)は逆に構造分析しかせず、恋愛ものとして読んでなかったのは面白かった。
たぶん細かいとこにテクニックを使ってるはずと思ったけど、「礼」=「霊」=「零」というのはなるほどなー、なんで俺気づかなかったんだろうと。おばあちゃんの名前は那由他とかか?と思ったけど、名前出てこなかった笑。
バナナとリンゴ、おたまじゃくしとかは性的なメタファーと成長だと思ったけど、そうならわりとストレート。
お話としてはよくある再生もの。過去のトラウマに決着をつけ手放す。再生というのが、農耕民族の場合一年がめぐるのが大事なんだけど、主人公の再生と共に女三世代の循環、みたいな。
解説の「時代を代表する作品」ってほんとにそう思うか?ってことを先生と話したんだけど、さすがにそれはないなと思う。感覚で言うと10年ぐらい遅い感じ。90年代の川上弘美を読むとまた違うんだろうか。 -
現実と幻想のない交ぜさがあえて読みづらい書き方をしてあるような文章で綴られる。著者が女性であるからといってこれを女性性といってしまうのも違うような気がするが、正直な印象はすごく女性っぽい、男からみた理解しにくさが濃縮されているように感じた。、
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2016年1月30日読了。
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2011/09
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兎に角美しい文章。