川上弘美書評集 大好きな本 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2010年9月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167631079

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

豊かな表現と感受性で綴られた書評集は、読者に新たな文学の扉を開く。著者が愛する作品を紹介する中で、独特の視点や感動が伝わり、思わず手に取りたくなる本が次々と浮かび上がる。厚さ500ページ近くのこの書評...

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美の書くものがたいそう好きなので(よろしい)、そんな弘美さんのたいそう好きな本を、読み漁りたいと思ったのです。弘美さん。ああ、この人は、どう言葉を捉えて、日々を、歩いたり料理の味見をしたり、感動したり、しているんだろう。例えが、本当に豊かなのは、小説家だからなのかしら。岸本佐知子と川上弘美を繰り返し読んでいるので、もうふたりともがむくむく世界を作っていて訳がわからなくなっている。読むという快感、生の喜び。本を読むことに、どれほど喜んでいるのかがわかる。しみじみとした、丁寧な、豊かな、厳しい、文章の中に溢れんばかりの無邪気な感動に触れたからか、読みたい本の頁の角を折り曲げていたら、ほとんど全ての角を折り曲げていて、もはや角を折り曲げる意味がありません。まずは、ニコルソンベイカーと丸谷才一を。

  • ぱらぱら読み。
    吉田修一や江國香織、小川洋子、私も好きな作品がいくつか。
    時間が経って、なんども読み直すと、また違った印象を持つんだろうなぁと思いながらも
    なかなか再読ができていないけれど、
    好きな本を再読してみようと思った。

  • 再読中。

  • 書評集だが、タイトル通り「大好きな本」の紹介なので気負わず読める。自分の本棚もここから知り好きになった本や作家さんが多数

  • 読みたい本がたくさん
    というか川上弘美が読みたくさせる

  • ほとんど読んだことがない本ばかりなのに、読んでみたい本ばかりだと思ってしまう。
    Kindleでは手に入らない本も多かったけどメモできたのでできる限り読みたい。

    2022-27

  • さらっと読んだ。読みすぎてしまうと川上弘美さんの感想になっちゃいそうなので、影響されないように、という気持ちを込めて。

    好きな作家さんの好きな本って、この人の中にない思想の作品か、共感できる作品だと思うのでこれから読む楽しみができました。

  • 書評が、これだけ手間のかかるものとは知らなかった。この書評集では、後半の方が面白い。新聞の読書案内を読んでいるが、やはり万人向きに書いてあるのかなと思った。

    ○ある夜テーブルの上のコップに挿した花の香りをかいで「春だな」と感じ、「きっと、この夜のことをいつまでも思いだすだろう」と考え、そのうえで「夜」の中の「自分」の居場所を広いこの世界の中で一瞬のうちに俯瞰する著者の意識の流れを描きだした文章が、作中にある。
    ○本は好きですが、好きなのはよい本を書く人。大事に思うのは本をよく読む人。もちろん重んじるのは言葉。しかし何より重んじるのは、言葉を誰より重んじる人
    ○真にいいものは、自分自身で読書することによってしか得られない。
    ○「新刊が出たら必ず買う」という作家が、何人かいる。小川洋子という作家も、わたしにとってはそのうちの一人だ。
    ○≪詩》自分のなかにある『権力』をゼロにする。言葉をも追い払う気持ちで書き、死後に託す。生きている人の評価に耳を貸してはならない。
    ○よい小説は、読後にしばしば異物感をもたらす。
    ○作家というものはいつだって「前のものとは違う、今まで自分が見たことのないもの」を書こうとしている
    ○「無数の暗記と模倣の先に独創がある」
    ○その人の話を「無批判に受け入れて」「踊らされて」「誰かを無意味に、決定的に傷つけているかもしれないなんていうことに思い当たりもしない」連中。
    ○突風のようにやってきて、暴力的に人を損ない傷つけるもの。
    ○もっともっと、生きてゆきたい。
    ○「こういう仕事って、手間がかかるじゃないですか」と言いつつ仕事を避けようとする態度、というものが近頃の世の中にある。
    ○トマス・M・ディッシュ 若島正編 浅倉久志ほか訳 『アジアの岸辺』
    ○小説、というものは、なにしろたくさんある。夏目漱石。ドストエフスキー。谷崎。トーマス・マンに、スウィフト。ごちゃごちゃである。
    ○ディッシュやラテンアメリカの物語は、自分にとっては異質な世界なのに、ふしぎに近く感じられた。
    ○長篇『歌の翼に』のことをあらためて思った。ディッシュ本人の作品の中でも、また広く文学の世界においても、これは最上の物語なのであるとわたしは思うのだが、絶版となっている。復刊を、強く請う。
    井川博年
    ○憧れを手放さなかった人だけが手にすることのできる 静謐。
    ○『金閣寺』ならば夕方の博多ゆきの新幹線の中がいい。『こころ』だったら授業中。
    ○柳宗悦『蒐集』、ほんとうに、そうだった。ためになるからではない。趣味として人聞きがよいからでもない。ただばかみたいに、読みたいから、小説を読んでいるのだ。わたしならば「小説を読む」だけれど、たとえば「映画を見る」人もいるだろう。「音楽を聞く」人もいるかもしれない。「旅をする」人かもしれない。「植物を育てる」なのかもしれない。もし、その人がどうしようもなくそのことを行いたくて、人が何と言おうとかまわなくて、世間的価値があろうとなかろうと関係ない、そんな事柄があるならば、きっとこの文章を自分の事柄について、うつしかえて、さまざまに思いたくなるにちがいないのだ。
    ○そもそも、「美」を、自分は求めてきたろうか?楽ちんなもの。一時の満足を与えてくれるもの。ま、いいか、と何かを麻痺させてくれるもの。そのようなものを、「美」を、「いいもの」を求めるよりも簡単に、手にしていたのではない
    ○女の子が考えてほしいと思っているような内容のことは、ほとんど考えてくれない。でも妙なことにこだわって(フリチンの語源とか)ずっと考えつづける。
    ○でも、有意義な人生なんて、くそくらえだ。ある時は頑固に、ある時は憮然として、そしておおかたの時はぼんやりと嬉しく楽しく、わたしはお酒を飲みたい。人生を過ごしたい。
    ○國さんは、漢字とひらがなに関しても独特の選択をおこなう。
    ○「誂え」の靴のように、須賀敦子の文章は、美しい。「語彙の選択、構文のたしかさ、文章の品位と思考の強靭さ」。作者須賀敦子だって人間であるのだから、たぶんある時には自身の卑小さにうちひしがれ、恥じいった瞬間をいくつも持ったことであろう。けれど決して作者はそのままにはとどまらなかった。高みをめざし、腕を広げ、世界を受け入れていったにちがいない。
    ○同じような「評判の一人歩き」がいたるところにあるからにちがいない。いい評判も、悪い風評も、どちらもある程度以上の大きさになると、一人歩きしてゆく。評判の元である実際の作品をまったく知らず、またきちんと理解しようとせず、あれこれ述べようとするおっちょこちょいが、いくたりも出てくる。
    ○自分の力では、どうしようもないところがあるのだ。おかしいと思っても、逆らわずに苦くのみこまなければならないものがあるのだ。
    ○①ストーリーの展開上、重要と思われる場面、②登場人物のキャラクターを端的に示す情報、③年月日、年齢といった数字、④引用するのに適当と思われる文章、⑤自分の心にしみる表現に相当する箇所に付箋を貼りながら読み、読みながら、頭の片隅では「この面白い小説をどうやって紹介しようか」と考えている。

  • 川上さんの新聞に掲載された書評や単行本の後書きが纏められた作品。
    10年以上昔のものばかりなので今その本を探すのは難しいものがあったりする(実際気になった本を大きな書店で探すが売っていないことが多い)。
    書評もそうだが総じて本について深くは書くことはないので勿論ネタバレの心配はない。しかし、その背景、どこが魅力かなどを自身の感性を混ぜて(メインかもしれない)書かれてるのでより魅力的に感じられて面白かった。

  • 川上書評集。解説を書いているのが豊崎社長だからという訳でもないけど、基本的に、同じ方向性を持つ書評集という印象。そこに、同じ作家としての感性が添加された感じ。豊崎書評愛好家としては、本作からも同様の満足度が得られた訳です。あとは、本人のあとがきでも触れらているように、新しく書かれたものほど、作品を読みたくなる度が高まっていく感はあり。そういうところにまで自覚的であれる、ってのが素敵だけど。後半を中心に、読みたくなった本も少なくなく、ふとした折に、ブックガイドとしてお世話になります。

  • 本の本

  • 「好きな本があるよ、いい本があるよ、みんなもよかったら読んでね!」という、あとがきにあった川上弘美さんの声がたくさん聞こえてきた、面白い書評集でした。
    好きな人がおすすめとして語ってくださるのを聞くのは楽しいです。小川洋子さんしかり、この川上弘美さんしかり。読み友さんたちも勿論。
    どれもこれも面白そう…と思いましたが、今すぐにでも、と思ったのは、「むずかしい愛」、ジム・クレイス「死んでいる」、ジャネット・ウィンターソン「オレンジだけが果物じゃない」、倉橋由美子「老人のための残酷童話」、町田康「告白」、古井由吉「辻」、酒井順子「枕草子REMIX」、久世光彦「謎の母」です。
    心に残った一文は「(中略)むろん簡単にその素晴らしさを提示できる本など、ほんとうはつまらない本なのであるから、これでいいのだ。」心強い言葉です。
    これからも読み続けます。

  • 書評集となると、紹介された本をメモしながら読むものなのだが。これだけは、文章の中に漂う空気を破りたくなく、メモなどせず一気に読んだ。

  • 川上弘美さんの小説は残念ながら好きでも嫌いでもないのですが、私の好きな本がたくさん載ってたので、趣味が合いそうと思って購入しました。書評というより、ひとりごとのような、詩のような、感覚的な文章 ですが、本選びのセンスが好きです。

  • 川上弘美さんの書評集。面白かった。普通の書評と違うのは、何といっても、川上さんが小説家という点。あらすじの説明に終始したり難しい言葉を並べることなく、本と正面から向き合い、その印象が川上さんらしい平易で感覚的な言葉で表現されている。文章を目で追うだけでなく、全身で小説を体験している、と思う。

  • 2010年9月10日初版、カバスレ、帯無し。文春文庫
    2014年3月26日松阪BF

  • 今まで読んだことのなかった新たな本にたくさん出会わせてくれました。

  • 単純に、自分の好きな作家の薦める本なら面白いであろうという安直な考えで今後の読書の参考にしようと思ったんですが、案外微妙でした(苦笑)。前半は新聞の書評を集めたもの、後半は単行本や文庫の解説なのですが、この前半部分がイマイチ…。なんていうか、書評なのに詩的すぎるとでも言いましょうか。作者の独特の視点&美しい表現でつづられているのですが、抽象的かつ感傷的すぎて、正直書評としての役目を果たしてないものが多かったです。自分がすでに読んでいる作品や作家のものだと、わかる部分もあるのですが、そうでないと全くわからない。でも後半は比較的面白かったです。何冊かは、読んでみようと思う本も見つかりました。

  • 暑くて本が読む気がしないときに、この短さの文章が続くのは読みやすかったです。個人的にはこれ読んで「あ、面白そう」という本はありませんでしたが。。。

  •  『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 』(文春文庫)著者: 立花隆 と比べてみる。こちらは広範囲で且つ、客観的な書評なので分かりやすい。川上弘美書評集 については残念ながら主観的で分かりづらく、分野にも好みがしぼられる。だからといって、その書評が本を読ませるまでには至らない。とても中途半端な感じを受ける。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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