さらば深川 (文春文庫 う 11-3 髪結い伊三次捕物余話)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167640033

感想・レビュー・書評

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  • お文は本当にいい女だよ

  • 目次
    ・因果堀
    ・ただ遠い空
    ・竹とんぼ、ひらりと飛べ
    ・護持院ヶ原
    ・さらば深川

    伊三次とお文はよりを戻し、それ以上にこじれていた伊三次と不破の関係も修復した。
    おみつが嫁ぎ、お文の家に新しい女中・おこなが来るのだが、この娘がまたキャラクターが強くて面白い。
    もしお文が芸者をやめたなら、彼女の出番はなくなってしまうのだろうか。
    だとしたら、ちょいと惜しいな。

    前妻や生みの親など、家族の話が多かった気がするが、「護持院ヶ原」である。
    幻術使いのでてくる、ちょっと今までとは毛色の違う話なのだが、これがホラーのようなでも切ないような絶妙な読後感。
    そして、伊三次が髪結いであること、不破が剣の使い手であることが活かされているところも、よい。

  • 大好き宇江佐真理の「髪結い伊三次」シリーズ。
    江戸の物語をステキに描く作者は多く、私も好きな作家さんはたくさんいますが、やはり宇江佐真理が好き。
    この著者の作品の中には哀しい・・でも、それだけを憂いていたのではない、江戸時代の人々が生きてる気がします。
    中でもこのシリーズは大好き。
    うまく立ちまわれないお文姐さんも、本当に共感します。
    でも、お母さんには会って欲しかったなぁ。

  • 髪結の伊三次シリーズの第三弾。さらば深川。
    伊三次とお文の関係は果たして・・・。
    今回も面白いです。前半は幻術使いのホラー仕立て。後半は、お文も騙されそうになる詐欺かと思いきや、男の嫉妬。中々良くできます。

  • 今回は本のタイトルが「さらば深川」だ。 これは嫌な予感しかしないではないか。寂しい理由なのか悲しい理由なのか、もしかしてもしかして嬉しい理由なのか、 、、
    結果、悲しいし、悔しくて腹も立つけど嬉しさもあったりして。 何とも複雑な気持ちでエンディングを迎える。
    さてここから、次巻以降、伊三次とお文はどんな展開を迎えるのだろうか。

    ところでこの巻にも宇江佐さんご本人による"文庫のためのあとがき”が収録されていた。 (これはこの後の文庫本も毎回収録されているのかな?
    そこに、『すでにお気づきの方もおられると思うが、本一冊につき、 伊三次に一歳、年を取 らせている。 同い年のお文も当然、その通りである』 『第一作目の伊三次は二十五歳だった。本書では二十七歳となっている』とあった。・・・気づいていなかった。
    これは私の悪い癖なのかもしれないが、特に時代小説では元号がピンとこないのもあり、季節が巡っている様子は、月の表記や気候の描写などで感じつつも、実際に年月がどれくらい経っているのかは気にしていないことが多い。
    そうか、 今回のお話では、2人は27歳なのかと改めて振り返ると、この時代は、女性が18, 19歳にもなれば結婚している時代だったことを考えると、おみつの結婚もあり、深川を離れるお文の様子は、より切なく感じられる。 新たにやってきた女中のおこなと、2人で「花嫁衣裳を着たかった」と話し、空を仰いでいたシーンも思い浮かび、切なさが増す。

    しかし今回は、切ないことの続く話の終わりに、ほんの少し嬉しくなる要素もあり、お文にも、もちろん伊三次にとっても、今後は幸せがやってくるのでは、と期待したい。

    あ、それから 不破が、予想外にきちんと伊三次に謝罪していて、うっかり伊三次と一緒に 涙が出てしまった。この時代に武家が町人に頭を下げるなど、実際は褒められたことではな いのかもしれないが、深くて素敵だった。

  • 一冊抜かして読んだのが悔やまれます!お文と伊三次上手くいくのか心配!

  • 新たな展開への序章。ホラーはチョッと...

  • 竹とんぼ、が佳品

  • 不破の下に戻り、手伝いを再びするようになる。お文は付け火をされ伊三次の家へ。

  • 髪結い伊三次シリーズ、その3。


    やっぱりね…という感じで、文吉に執心の伊勢屋が再登場。
    タイトルから、深川の人々からスッパリ縁を切らなければならない事態になるのかとはらはらしていたが、そこまでではなく、むしろ伊三次とお文にとっては土砂降り降って地固まる顛末。

    読むペースが先行して、感想書き忘れてた。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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