髪結い伊三次捕物余話 君を乗せる舟 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年1月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167640088

みんなの感想まとめ

成長と旅立ちをテーマにした物語が描かれています。主人公の龍之進は、見習い同心として仲間たちと共に成長し、さまざまな試練に立ち向かいます。彼の生意気な口調や「わたしは舟になりたい」という台詞は、彼の個性...

感想・レビュー・書評

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  • 伊佐次も父親となり、周りに登場人物たちも亡くなったり成長したりする。不破友之進の息子龍之助も元服して龍之進と改め、奉行所の無足見習いとなる。龍之進の目でみた世の中で話しは進む。伊佐次、お文の登場が少なく残念。

  •  宇江佐真理さんのライフワークだった「髪結い伊三次捕物余話シリーズ」。今回は「君を乗せる舟」、シリーズ№6、2008.1発行、連作6話。今回は、不破や伊三次の子供たちの話が多かったです。第2話「小春日和」と第6話「君を乗せる舟」が印象深かったです。

  • 目次
    ・妖刀
    ・小春日和
    ・八丁堀純情派
    ・おんころころ……
    ・その道 行き止まり
    ・君を乗せる舟

    ちょっとオカルトっぽい話もありましたが、伊三次のビビりっぷりが愉快でした。
    そして、特別子ども好きなわけではなかったという伊三次が、子煩悩ないい父親になっている様子を見て、江戸時代、「イクメン」という言葉はなくても「子煩悩」という言葉があったなと思う。
    仕事から帰ると当たり前のように子どもを受け取り、夜は親子川の字で寝る喜び。
    家族の縁が薄かったからこそ、今が幸せなのかもしれない。

    この巻では不破友之進の嫡男・龍之介改め龍之進の話がどれもよかった。
    自分の証言により父親を殺人犯としてなくすことになった娘に、淡い恋心を抱きつつ何も言えない龍之進。
    その娘・あぐりは、世間を騒がせている「本所無頼派」のリーダー(次郎衛)に思いを寄せていることを龍之進は知る。

    あぐりに15歳年上の、あったこともない男との縁談が持ち上がる。
    最初は、後妻でもしょうがないと諦めていたあぐりだが、やはり次郎衛のことが忘れられない。
    最終的にあぐりは次郎衛の正体を知り、黙って嫁いでいくのだが、それをそっと見送る龍之進が切ない。

    「わたしは舟になりたいと思いました」
    自分が舟となって、あぐりを自由な世界へ連れて行ってやりたいということなのかと思った。
    しかしそれは、現代の考え方である。
    龍之進は、見も知らぬ男の元へ嫁ぐあぐりを、せめて自分が送りとどけたい、と、そう言うのだ。

    元服したての、現在で言うならまだ中学生の年齢の龍之進にはあぐりを幸せにすることはできない。
    けれどもいつまでも下町の裏店の長屋住まいをしていても、あぐりにいいことはひとつもない。
    あぐりを幸せにするだろう場所へ、せめて自分が連れて行きたいと。

    くう~。

  • 表題作が一番好き。龍ノ進の成長が私も楽しみ。弟子に対して生意気な口の利き方に驚いたけれど、『わたしは舟になりたい』の台詞は格好いい!14歳から見習いを始めるのは今よりだいぶ早い。当時の14歳は今の14歳より大人っぽかったんだろうな。

  • 龍之助が主役みたいな感じだった。ずっと誰かに守られて来た娘が、最後は旅立った。自分一人で立つことが難しい江戸時代では、なかなか生きたいように生きるのが難しい。でもある意味道が決まってるのは楽かもしれないけど。

  • ラスト5頁が圧巻の一言。何度も見返し胸が熱くなりました。

  • 内容(ブックデータベースより)

    伊三次が仕える不破の息子、龍之進が元服して見習い同心になり、朋輩たちと「八丁堀純情派」を結成。本所の無頼派と対峙した。


    令和6年9月16日~18日

  • 髪結い伊三次捕物余話の第六弾。不破の息子が同心見習いとして出仕となり、そこから物語は進みます。妖刀などホラー的な物語も入ります。

  • 不破家の坊ちゃんが成長して、初恋が……
    伊三次とお文は良い夫婦になって落ち着いた。
    このシリーズは皆きちんと年齢を重ねていくのがいい。地に足のついた人物造形で、ご近所さんのような感じ。見守りたくなる。

  • 髪結い伊三次捕物シリーズの人達が好き。

  • お文さんの出番が少ない。

  • 髪結い伊三次にしては、今回、ちょっと、妖怪風な話も、、、、
    子供が病気になったら、神頼みも、、、やっぱり親心が、、、ヒシヒシと。

    そして、不破龍之助も、元服して、龍之進として同心見習いに。
    初恋も、、、結ばれぬ恋を胸に秘める事も、大人になる一歩。
    若者の、焦りや、失敗、戸惑い、友情、色んな思いを龍之進と共に八丁堀純情派の面々に描かれている。

    伊三次よりも、龍之進の話の方が多かったかも、、、(笑)

  • 子どもから大人へ。誰もが経験するこの過程だが、当然のように境界線は解らない。元服した瞬間に大人になるはずもなく、狭間でゆらゆらする時間は長い。それでも、その期間に経験した事が大人になってからの肥やしになる気がする。って読了後にふと思った。未だに前髪の取れない自分を棚に上げたまんまで。

  • 2018/2/1
    龍之介が大人になっちゃう。寂しい。
    九兵衛に八つ当たりするのかわいくない。
    今回は龍之介改め龍之進の回だったな。
    私はお父さんが好きなのでちょっと寂しかった。

  • 同心、不破の息子龍之介が元服し、見習いとして出仕しました。同輩の見習い達と“八丁堀純情派”を結成し、一人前になるべく頑張っています。“本所無頼派”と言われるお騒がせ連中を追ううちに初恋のあぐりと再会し、心乱されます。結ばれることは叶わない相手ですが、あぐりの父の事件のことで負い目もあり、あぐりの幸せを願うのですが…。
     いやぁ、彼は何年後かにはいい男になるでしょうね。楽しみです。

     『妖刀』では伊三次の強運さを、『おんころころ』では親の愛を思いました。昔は病気で子を喪うことも多かっただろうし、お文の悟ったような「寿命だと思って諦める」という言葉は運命に委ねるしかないという気持ちだったと思います。藁にすがってでも伊与太を助けたいという伊三次の思いが届いて良かったです。ほろりとしました。

  • 不破の息子、龍之介が元服し龍之進となり、奉行所に出仕しはじめる。
    成長する若者たちの姿が初々しいし、
    前髪を落とした姿の不細工合戦が面白かった。

    前作の「黒く塗れ」はちょっと、だが、「妖刀」ぐらいの不思議話は許せる。

  • 龍之進の初恋は、切なくも終わった。

  • シリーズ6冊目。
    お文と所帯を構えた髪結いの伊三次は、赤ちゃんの伊与太を育てつつ、とりあえず安定した生活をしています。

    「妖刀」は、いわくつきの刀が盗まれた事件を探るため、問題の邸へ髪結いに出向く伊三次。
    目の前で、凶事が…

    伊三次が手伝いをしている定廻り同心の不破友之進の息子が元服することになり、少年の視点での話が多くなりました。
    龍之助あらため龍之進として、同心見習いになったのです。
    同じ年頃の仲間達六人と、まごまごしながら取り組む仕事の様子が面白い。
    その頃、「本所無頼派」と呼ばれる六人組の若い男らが無茶をする事件が起きていて、彼らを自分たちでつかまえられないかと思うようになる。
    高い所に登って雄叫びをあげるなどの人騒がせな行為だが、逃げ足が速く、おそらく相当な修練を積んでいる。まだ犯罪というほどでもないのだが。
    旗本の次男三男が、行き場のない不満をぶつけているのではないかと。

    不破の下の子で茜のやんちゃぶり。
    女の子なのに、伊与太よりずっと手が掛かるんですね。
    伊三次の手伝いをしている九兵衛が、本格的に髪結いをめざすことになります。
    九兵衛と龍之進の微妙な張り合いもあったり。

    伊与太が重い病気にかかり、皆が必死の看病。
    当時は赤い物が効くというので、家は赤い物だらけに。

    龍之進のほのかな初恋も初々しい。
    表題作はそのエピソードから。
    龍之進の将来が楽しみだというお文は、さすがに深川芸者だった目利き?
    単行本は2005年3月発行。

  • ふわっとした安心感

  • あこがれた人の嫁ぐ日
    舟をしたてた嫁入り道中・・・
    あの、あの君を乗せる舟になりたい

    莫迦ですね~龍之介改め(元服)
    龍之進の純情な一面です

    伊三次シリーズも次の世代の物語が
    多くなりました!

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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