スペインひるね暮らし (文春文庫 な 40-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167643027

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  • スペインで暮らす日々をありありと感じられる愉快なエッセイ。これを読めばスペイン語のちょっとした日常会話も身につくかも(?)
    なかなかに破茶滅茶な暮らしぶりだったり、上品でない表現や言葉も多々あるが……言葉や文化の違いもあるので嫌悪感はあまり湧かない。なにより飾り立てないその文章が、よりリアルにスペインでの日常を味わわせてくれる。

  • 最初は頑張って読んでいたけど、だんだんと面白くなってきた。スペインの日常をそのまま書いた日記のようなもの。スペイン料理のレシピから、文化、人達の観察はとても正確。大げさに聞こえるが、スペインでの生活様式はここに描かれていることに全く相違ない。闘牛、アルコール、賭けごと、おばちゃん、マタンサ(豚の食用処理)、バル文化など、数十年前なのに今現在とほとんど変わっていないことが伺える。著者のスペイン愛がよく分かる。

    ところで気になったことは、著者、中丸明氏の酒の飲みっぷりだ。朝から晩まで酒を飲んでいる。いしいしんじ氏のエッセイでも酒がよく飲まれていて、彼は少し飲みすぎだと自制していたが、中丸明氏はご飯も食べずただひたすら飲む。

    中丸明氏の著本で、ハプスブルク千年とかいうものがあった。あれは読めたものではなく、最初の数十ページを我慢して断念。口が悪いだけじゃなくて、へんな田舎方言をワザと使い、意味が分からないだけじゃなく、下ネタや汚い表現で心底嫌な気持ちになった。
    「スペインひるね暮らし」はまだ良い。文も多少の茶目っ気があり、ユーモアがあった。そして、所々に、彼の優しさや情の深さ、懐の大きさが分かる。

    ところで、中丸明氏は2008年に若くしてお亡くなりになられた。ご冥福をお祈りします。

  •  スペイン、マドリード近郊のビジャルバに居を構えた作者の、スペイン四方山話である。
     社会や政治に関する記述では筆が滑るところも見られるが、全体的に中身の詰まったエッセイである。書くべき中身がないときだけ筆が滑る感じだろうか。
     今現在の情勢とはかけ離れているだろうが、当時の風俗を知る上では貴重な資料だろう。非常に興味深く読ませていただいた。

     記述した当時は、もうかれこれ二十年も前になる。
     著されたスペインはどこかのどかな空気でいて、いまはもう少し厳しいんだろうなと勝手に想像するところだが、果たしてどうなのやら。
     

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