- 文藝春秋 (2000年8月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167646011
みんなの感想まとめ
多様な人間関係と感情の交錯を描いた短編集は、男のロマンが色濃く表現されています。特に表題作は、冴えない40代の独身男と美しい20代の女性との出会いを通じて、純朴さと強さが交差する物語が展開されます。主...
感想・レビュー・書評
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積読してた7篇の短篇集。どれもこれも素直にいいと思います。月のしずく、聖夜の肖像、ピエタの男性は健気だなぁ。
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浅田次郎さんの小説を読むのは三冊目くらいだけど、女の人より男の人の支持者が多いような気がしている。少なくとも私の周りで浅田次郎さんが好きだと言っているのは全員男の人。
というのも、この短編集を読んで少し解った気がする。
あらゆる意味での“男のロマン”が詰まっているように思えたから。
表題作はまさに“男のロマン”。
コンビナートの荷役を30年近くしている冴えない40代の独身男の元に、ある十五夜の晩、ひょんなことから美しい20代の女が転がり込んでくる。
というプロローグからロマンが溢れているように思えるし、主人公の男はこれでもかというほど純朴で、美しい女は気が強い、というところもまさに。
その他も、不倫の関係を精算したあと相手の女に少しの執着心を見せる中年男が主人公の「琉璃想」は、切なくて物語自体は好きなのだけど、主人公の行動は女としては理解しきれない部分もあったりする。
任侠の世界やバイオレンス的な世界に対する憧れが見え隠れする物語もある。
女性が主人公の物語であっても、どこか思考が男性的であるような気がした。言ってしまえば「女はたぶん、もっとずる賢く立ち振る舞うよ」と思ってしまう感じ。笑
それだけ美しい結末のお話が多かった。
映画化に向きそうな物語ばかり、と思っていたら、実際の「銀色の雨」は映画化されているみたい。
ヤクザに匿われている殺し屋と情婦とその情婦を愛する少年のお話。
女よりもきっと男のほうが理解して感動もするだろう。と感じた作品群でした。 -
浅田次郎さんの作品らしい7つの短編集。
ヤクザ、中国人、不器用な男や女が登場し、男と女の関係がまずある。
帯の題にもなっている「月のしずく」が一番だったかな。
美人で次々と男を替えるような女性リエが、金持ちで妻帯者の男性と関係を結び、赤ん坊が出来る。
当然の展開で、結局ケンカ別れになるが、たまたまその場面に出くわしたのが、中年の労務者辰夫。
女性を介抱し小汚ない自分の家に泊めてあげるが、それまで彼女と関係を持った男とは異なり、女性のことを考えて手を出さない。
彼女にとっては新鮮で、心が通うようにもなるが……。
不器用な男の辰夫は、実にいい味を出している。
彼女と関係を結ぶ男性とは真逆だ。
指名手配中のヤクザ岩井章次とその女菊枝、年下だが母親が菊枝のことを可愛がっていた関係で、幼い頃から面識のある和也との、不思議な生活を描く「銀色の雨」も良かった。 -
浅田次郎の本がとにかく好きだ。
これも、なぜ見落していたのかと思った一作。
人間の儚さと強さが静かなトーンで書き綴られている。
そして、いつものように歴史モノや海外モノは「どこでこの人はこんなに知識を拡げたのか」と唸らせられる。
面白かったです。 -
短編集。『銀色の雨』『月のしずく』がよかったです。久しぶりに大人の男と女の物語を読んだような気がします。どれも終わり方に余韻が残って、この後二人はどうなったのか?たぶん幸せになったのだろうと思う。そんな風に思わせる読後感の良い全7編でした。
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「月のしずく」、「聖夜の肖像」、「銀色の雨」、「琉璃想」、「花や今宵」、「ふくちゃんのジャックナイフ」、「ピエタ」の七篇。いずれもロマンチックな作品。
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【月のしずくのひかる場所】
父が浅田次郎を読んでいたと聞いて僕も読んでみようと思った。子どもの頃、流行本ばかり追いかけていた僕に父はこういった事があった。
読んでそれなりに感動して、それで終わりみたいな本は読むな。十年考えられるような本を読め。
今、思うとなかなかいいことを言っているように思う。宇宙学から哲学、詩と歌、子どもの頃の僕が言うに面白くない本ばかり読んでいた父が浅田次郎を読んでいるイメージはなかった。つまり僕の中での浅田次郎のイメージは、それなりに感動してそれで終わりみたいな本を書いている作家だったので、父が嫌いな分野だろうと思っていたのだ。まぁ、こうやって書けば大体読了後の感想は絞られると思うが。結果は打ち破られる事になる。
月が好きな理由はなにかと聞かれたら、未完成のところ、自分だけじゃ光れないところ、そして一日中会えるところ。私達にとても近い、そんなふうに感じるからだ。月のしずくがひかる場所。それは、わざわざ台座があるような王族お誂え向きな場所じゃない。もっと汚くて普通で平凡でそして人の目の中の端でしか光らないような場所だってそう思う。
美しさって完成してたり、整っていたり、綺麗だったりすることだけじゃないと思う。夕暮れあの一瞬だけ光った砂浜のガラスだって、立派な宝物だから。この本の物語は人の情と愛、そして業を兼ね合わせた、人間浪漫。
父が浅田次郎作品になにを思ったのかもう分からないけれど、でもなんとなく父の心の奥のやわらかいところが乾かずにいたのは月のしずくで濡れていたからかもしれないって思った。 -
こんなに一途な男が(=いちぶ女性も出てくるが)ホントにいるのかよ!? という短編集ですが,それはそれとして,ストーリーにはきちんと惹かれます!
1.月のしずく:蟻んこ(=コンビナートでパレットに品物を積み込む現場作業員)と銀座の女性の話
2.聖夜の肖像:3人出てくる.パリに絵の修業に行った男性,その人のかつての恋人だった女性,あとはその女性のいまの夫.
3.銀色の雨:これも3人出てくる.逃亡中の暴力団の鉄砲玉と,その相手をさせられる女性,その女性が面倒をみている高校生(=やくざの事務所にいながら,ちゃんと勉強してる).この話がいちばん面白かったかな.
4.瑠璃想:敗戦時の中国から,極限状態で引き揚げてきた当時6歳だった男の話.(ちょっと印象うすい)
5.花や今宵:男女ふたりの話.似た者同士といっては単純すぎる?→それぞれ傷心で飲みすぎて,中央線を乗り過ごしてとんでもない田舎の駅に着いてしまった,という話.
6.ふくちゃんのジャック・ナイフ:柳ジョージの「アフリカの夢」(だっけ?)という曲を思い出しました.
7.ピエタ:イタリアが舞台.母に捨てられた女性と,その母が再会.娘には中国人の(いちおう)恋人が付いてきた.この男性が泣かせる.中国でも一般のひとはピュアなのかね? でもこれはフィクションですからな. -
どの話も、主人公が作品の中で本当の自分の気持ちに向き合っている。
自分の心に向き合うというのは難しいものだ。
人は、知らず知らずのうちに、いろんな気持ちをなかったことにしてしまっている気がする。
けれども、それは本当になくなったわけでなく、心の奥底の一番柔らかいところに残っていて、時々ちくりと針を刺す。
自分の心にしっかり向き合うことなしに自分の道を歩き続けることは難しい気がする。
だからなおさら、自分の心に向き合える機会に恵まれるのは幸せなことだと思う。 -
死んだ母が「優しさの裏側には強さが必要なのよ」と言っていたことを思い出さずにはいられない、優しくて強い7つの物語でした。
そもそも私は「お月さま」に弱くて、川上弘美さんが書いた「センセイの鞄」なんて、その主人公の月子という名前が妙に刺さったわけで、この本も「月のしずく」というタイトルに引かれて買ったのですが、「銀色の雨」ぜひ読んでほしいです。 -
最近、血生臭い系の小説が続いたので目先を変えて浅田次郎の短編集。
私的には浅田次郎の最高傑作は「壬生義士伝」。
浅田作品は登場する凛とした人物が好きで何冊も読んでいます。
この短編集は7つのお話しが納められていますが私にはイマイチハマらなかった。少し甘めの星3つ。
唯一少しグッときたのは最後の一編の「ピエタ」かな。 -
どれも本当にありそうな、あったんじゃないか、というような、、面白く読めた
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「銀色の雨」は鈴井貴之監督の作品を見てから読みました。映画とは少し違っていて、本編の方が荒々しい感じでした。
「月のしずく」は、男と女の複雑な心情が絡み合って、これこそ映像化すると面白いと思いました。
浅田次郎の作品は男の物語ですね。女の側から見るとよく理解できない所がありました。 -
ずっと積読にしていた本と思ったが、読んだことあった。
浅田先生の「鉄道員(ぽっぽや)」の頃の短編集。
「月のしずく」千葉の姉ケ崎だったら、多少土地勘もあるのに、既読に気が付かなかった。「聖夜の肖像」で、稍々記憶があるなあ。4作目の「瑠璃想」は、覚えていた。他の作品もしっかり覚えていたものも、全然記憶のないものも。
記憶のない作品も浅田節に慣れてしまっているのと、目の衰えで、一文字一文字を追わず、大体の文意を追うような読書になった。 -
多分ああいう感じなんだろうなと、わかってないようでわかったような雰囲気のある浅田次郎。そういうわけでしばらく避けてきたんだけど、短編集だから良いかなと思ったのが間違い。
工場のパッキンの仕分けと品出しをしている、男やもめの40過ぎ。夜にフラフラとしていたら、やくざ者と見られる男が、銀座あたりのホステスを車から蹴り飛ばし、喧嘩の上さるところを見かける。行き先のないホステスを一晩泊めることになったが…。
全体に、純文学になりきらないし、人間ドラマというほどでもないフワフワとした感覚の小説が続く。全体に漂う厭世観や投げやりな雰囲気が書きたいというところはわかるのだが、なんというか、のめり込んだりするほどのものでもない。
最後の過去に捨てられた、実の母親に、好きでもない男と結婚すると言いにローマまで旅立つという話は、女性作家かな?と錯覚させるものがあり、それはそれで秀でたテクニックなのだろうが、それで何か?と思ってしまうのだ。
ヤクザの鉄砲玉に男として惚れてしまう話が、まあまあ読める程度。
なお、微細な部分だが、背中側から抱きしめて寝るというシチュエーションがやたら出てくるのだけど、そういう性癖なのかしらん。
ま、長編を一本くらい読んでから判断。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
浅田次郎の作品

お探し物は図書室まで。
昨日、順番がきて息子に。借りてきてもらいました。先に笑いながら読んでいます。まァ、借りてきてくれたので...
お探し物は図書室まで。
昨日、順番がきて息子に。借りてきてもらいました。先に笑いながら読んでいます。まァ、借りてきてくれたので仕方ないと思っています。でも午後は私です。
月曜日の抹茶カフェ、今まで図書館になかったのですが、月初めだからもし・・・購入予定でした。5番目です!
ただいま神様当番は4番目だし、他にも何冊かあるので、また図書館の襲撃・・・ウウ~ッ 大変だ~
\(◎o◎)/!