- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167646011
感想・レビュー・書評
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積読してた7篇の短篇集。どれもこれも素直にいいと思います。月のしずく、聖夜の肖像、ピエタの男性は健気だなぁ。
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浅田次郎さんの小説を読むのは三冊目くらいだけど、女の人より男の人の支持者が多いような気がしている。少なくとも私の周りで浅田次郎さんが好きだと言っているのは全員男の人。
というのも、この短編集を読んで少し解った気がする。
あらゆる意味での“男のロマン”が詰まっているように思えたから。
表題作はまさに“男のロマン”。
コンビナートの荷役を30年近くしている冴えない40代の独身男の元に、ある十五夜の晩、ひょんなことから美しい20代の女が転がり込んでくる。
というプロローグからロマンが溢れているように思えるし、主人公の男はこれでもかというほど純朴で、美しい女は気が強い、というところもまさに。
その他も、不倫の関係を精算したあと相手の女に少しの執着心を見せる中年男が主人公の「琉璃想」は、切なくて物語自体は好きなのだけど、主人公の行動は女としては理解しきれない部分もあったりする。
任侠の世界やバイオレンス的な世界に対する憧れが見え隠れする物語もある。
女性が主人公の物語であっても、どこか思考が男性的であるような気がした。言ってしまえば「女はたぶん、もっとずる賢く立ち振る舞うよ」と思ってしまう感じ。笑
それだけ美しい結末のお話が多かった。
映画化に向きそうな物語ばかり、と思っていたら、実際の「銀色の雨」は映画化されているみたい。
ヤクザに匿われている殺し屋と情婦とその情婦を愛する少年のお話。
女よりもきっと男のほうが理解して感動もするだろう。と感じた作品群でした。 -
浅田次郎さんの作品らしい7つの短編集。
ヤクザ、中国人、不器用な男や女が登場し、男と女の関係がまずある。
帯の題にもなっている「月のしずく」が一番だったかな。
美人で次々と男を替えるような女性リエが、金持ちで妻帯者の男性と関係を結び、赤ん坊が出来る。
当然の展開で、結局ケンカ別れになるが、たまたまその場面に出くわしたのが、中年の労務者辰夫。
女性を介抱し小汚ない自分の家に泊めてあげるが、それまで彼女と関係を持った男とは異なり、女性のことを考えて手を出さない。
彼女にとっては新鮮で、心が通うようにもなるが……。
不器用な男の辰夫は、実にいい味を出している。
彼女と関係を結ぶ男性とは真逆だ。
指名手配中のヤクザ岩井章次とその女菊枝、年下だが母親が菊枝のことを可愛がっていた関係で、幼い頃から面識のある和也との、不思議な生活を描く「銀色の雨」も良かった。 -
浅田次郎の本がとにかく好きだ。
これも、なぜ見落していたのかと思った一作。
人間の儚さと強さが静かなトーンで書き綴られている。
そして、いつものように歴史モノや海外モノは「どこでこの人はこんなに知識を拡げたのか」と唸らせられる。
面白かったです。 -
短編集。『銀色の雨』『月のしずく』がよかったです。久しぶりに大人の男と女の物語を読んだような気がします。どれも終わり方に余韻が残って、この後二人はどうなったのか?たぶん幸せになったのだろうと思う。そんな風に思わせる読後感の良い全7編でした。
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「月のしずく」、「聖夜の肖像」、「銀色の雨」、「琉璃想」、「花や今宵」、「ふくちゃんのジャックナイフ」、「ピエタ」の七篇。いずれもロマンチックな作品。
お探し物は図書室まで。
昨日、順番がきて息子に。借りてきてもらいました。先に笑いながら読んでいます。まァ、借りてきてくれたので...
お探し物は図書室まで。
昨日、順番がきて息子に。借りてきてもらいました。先に笑いながら読んでいます。まァ、借りてきてくれたので仕方ないと思っています。でも午後は私です。
月曜日の抹茶カフェ、今まで図書館になかったのですが、月初めだからもし・・・購入予定でした。5番目です!
ただいま神様当番は4番目だし、他にも何冊かあるので、また図書館の襲撃・・・ウウ~ッ 大変だ~
\(◎o◎)/!