壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年9月3日発売)
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レビュー : 730
  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167646028

感想・レビュー・書評

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  • 新選組隊士、吉村貫一郎の話なのだがそこに描かれる思いに、それに関わる色々な思いが凄いです。

    生きることこそが武士、生きて忠孝の限りを尽くし、畳の上に死するが武士の誉…義を通すため生きなければならない為に切る貫一郎、それができるのは強いからなのではあるが。
    そして強さと優しさがあるからこその「おもさげなござんす、お許しえって下んせ。」

    義を通して守ろうとした息子嘉一郎は自らも父と同じく義を通して…、何ともせつない。
    義とは何だろうか、不変のものではあるはずだが時が違えばもう少し…と。

    上巻だけで入りこみクタクタになる。
    下巻へ続くであんす。

  •  毛嫌いしていた新撰組。なんのなんの、これには引き込まれました。
     南部藩を脱藩して新撰組に加わった吉村貫一郎の人生を、吉村の息子、新撰組の隊士などが語っていく・・・そこには、ただひたすらに義を通した侍の様々な顔が。
     初めはそれぞれのパーツがバラバラな感じがしてすんなり入ってこなかったけれど、それが一本の線につながってくる頃には、うなってました(笑)

     本筋の感想は下巻を読んでから・・ということで、まず、この時代の背景。
     江戸城大奥では篤姫が徳川のお家を守ろうとしているその頃、こんな時代だったんだ・・というのが大きな驚きでした。
     飢饉が続き、このままでは冬を越せないという現実を前に、身重の妻は口減らしのために自ら命を絶とうとします。助けられてもなお「この体をば、食ろうてくらんせ」。
     それを見ていた数えで九つの息子は「わしは兄者ゆえ、腹などへりはせん。飯なぞ食わねでも良がんす」と・・・・。
     もちろん小説です。ですが、こんなドラマとともに日本の歴史を学べたら
    もっともっと、社会の授業は面白く、濃いものになるのにな~と。

     出自で人生が決められていた時代。それでも、その定めをただ真っ直ぐに歩いていく、その生き様が素敵・・なんて思っていたけれど、それはそれは凄まじいことなのだ・・と、これまでの軽い考えを打ち消しました。

     これからどんな展開になるのか・・下巻、期待大です。

  • なにかの名作100選で堂々の1位を獲得していたため、Y氏から借りて読んだ。
    新撰組の隊士 吉村貫一郎の独白と、彼と関わった人々の彼に対する語りを交互に読むという感じの構成。

    ひたすら故郷と家族を想う、あまりにも生真面目で不器用な男の生き方。こんなに過酷な生き方では報われなさすぎるのではないかと切なくなった。
    でもじゃあ、他にどんな選択肢があったんだろう?と思うと彼の生き方を否定することはできないのだけど。

    吉村もだが、他の登場人物にもそれぞれの生き方があり、深い。後半へ進むにつれ、涙、涙、涙。 特に吉村の望郷の想いがほんとうに切なくて、とにかく涙なくしては読めない感動作だった。
    ただ、また読み返したいかと聞かれたら即答はできない。 あのやるせなさをもう一度追体験したいとは思えないので。 それでも1度は読んでみていい名作だと思う。

  • 友人から薦められて読み始めた1冊。
    約1000ページ×上下巻の大作!
    そして、電子書籍の偉大さを再認識(笑)

    色々な人の語りによって、
    幕末に、時代に翻弄されながらも、
    精一杯生き抜いた人たちの姿が生き生きと描かれてる。

    最初は断片的な話が
    ポツポツと続く印象だけど、
    一つ一つをじっと読んでいくと、
    徐々に一つの話につながっていく。

    この時代、新撰組とかあまり詳しくない私だけど、
    上手い具合に時代背景も説明してくれているので、
    無理なく話に入っていける。

    じんわり、
    のめりこんでいく、
    上巻でしたっ!下巻も期待大!!ヽ(*^ω^*)ノ

  • 個人的には感情移入できる作品ではないけど、時代の描き方が好き。

  • 宝塚見て感動したため借りてきました。
    劇では首を捻った貫一郎の最後の行動にも、納得。
    てーか吉村貫一郎のできたお人っぷりに、こいつはほんと最後の侍だよ、義士だよ!と一人で熱くなってました。

    もっと昔からあるお堅い原作と思っていたら、割りと最近だったのか、とか、一人称で読みやすい、とか驚きでした。

    さて、日本史には疎いもんで、
    これまで新撰組っつーたら、風光ると銀魂と、大河の新撰組と、えーと大河の龍馬伝位しか知らないと思われますが。
    美化された新撰組しか知らないもんで、この作品での、底辺の寄り集まり感に、驚きつつも説得力あるーと目から鱗でした。
    斎藤一だけは、宝塚るろ剣の、あのビジュアルしか思い浮かばないのですが、それに近しい、触れなば切れん、な印象でした。
    そして私の頭のなかでは、土方と永倉はそのままゴールデンカムイに移行しています。

    今風光るが読み返したくて仕方ない。

  • 吉村貫一郎という一人の新選組隊士の死の間際のモノローグと、彼の生涯を取材する人物が様々な関係者から聞き出した吉村の人物像を交互に配し、隊の内部から見た新選組と主人公吉村貫一郎を描く。幕末の政治の下で翻弄される新選組隊士たちと、吉村貫一郎の貫こうとした義の在り様を見て、それは歴史的、社会的な観点からは、否定的にとらえられるものであっても、決して打算的でも利己的でもないことはもちろん、個人的なものですらない、もっと大きな「何か人間にとって大切な物」とつながっている。人としての義とは何か、このテーマを後編でどう深掘りしていくか楽しみ。新選組隊士たちのキャラも、おおむね大多数のイメージを踏襲していて、読んでいて楽しい。

  • おもしろかった。そこまでするの?っていう感じもありますが。岩手の人は読んだら特におもしろいかも。江戸時代における大坂の役割もわかっていいかも。

  • 2019-02-02読了。

  • 秀作。
    なかなか文体が格式高い。優れた作家なのだろう。近年には少ない気がする。
    幕末、南部藩出、新選組となればドラマチックになるのは間違いない。見た目は冴えないが魅力的な主人公。幕末に最も武士らしい武士がいたという事実に驚かされた。少なくても新選組の一部はそうだったのだろう。今に思うと、なんでたくさんの人が斬りあう必要があったのかとは思う。

著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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