壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167646035

感想・レビュー・書評

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  • 上巻からの斉藤一の回想から、親友の息子、親友の下僕、最初の新撰組隊士と続き、主人公の末息子の回想で終わる。
    下巻では、吉村貫一郎だけではなく、吉村貫一郎の長男と、吉村貫一郎の親友で切腹を命じた大野次郎衛にスポットライトが当たる。

  • 嘉一郎が母へ宛てた手紙がすごく好きです。とても良い本を読みました。吉村貫一郎という男を知ることができて何より。

  • 泣き過ぎて目が腫れるという恐ろしいことになった。

    しんみりとそして穏やかに石割桜と車窓からの風景を思い浮かべて語りを聞いていたのに、最後の大野様の手紙でまた泣かされた。義士ですよ、もう。最期にあの手紙を認めることが出来る大野様、紛れもなく義士。
    貫一郎も嘉一郎も次郎右衛門もみんな義士。

  • 嘉一郎の母への手紙に震えた。父が好きだった。南部弁が心に染みる。男性偏重の凄まじさ、悲しさ、今の日本に通じる。ただ、平等の世もこのような封建の世を正しく生きた人がいてこそ、生まれてくる、根付いてくるのだろう。

  • 新撰組の裏面史で生きたという吉村貫一郎なる男の物語。
    下級武士の極貧生活に窮し、家族を養うためやむなく南部藩を脱藩、新選組に名を連ねたという剣士である。吉村は、新撰組でも随一の剣の強者で、幕末の京、大阪の幾多の修羅場を斬りぬけてゆく。
     
     小説は、新撰組の生き残りの者達が、往時の吉村について証言する、という形式で、面白い構成で飽きさせない。
     
     また、幕末の乱世で新撰組が担わされていた微妙な捨石的な役割を改めて知ることが出来た(私は日本史は不勉強なので…)。 
     
     函館五稜郭の戦。北の果ての大地の最後の戦いを、哀愁と寂寥感を漂わせて語り、巧みである。
     
     会津藩と南部藩、武士の道理を貫き滅びゆく悲哀…。 
     吉村が遠い盛岡に残した家族に寄せる思い、故郷盛岡への想いがいじらしい程に一途で、胸を打つ。 そして、吉村の息子 嘉一郎が五稜郭の戦へ旅立つ際、親友と水盃を交わす場面が胸に迫る。  

  • 上巻に続いて、最後まで心を込めて読めた。
    最後の手紙、古い形態で書かれているが、内容を
    じっくりと読むと、この物語の最後にふさわしい
    手紙でぐっとくる。

    ひとりの人間の生き様をこんなにも壮大に描かれ、
    見事にその人物像を目の前に表現する浅田さんは
    すごい作家である。
    ここ最近では自分のベスト小説である。

  • (まだそんたなこと言うておるのか。これはな、貫一。身も心も燃やし尽くし、捧げ尽くした者の末期の有様じゃ。しかと目ば開けて、座敷を埋むる血ば見よ。お前は、おのれの体に流るる血を子らに分かち、その意味をば身をもって十全に教え諭した。座敷にはっ散らがした血は、子らに与えた残りもんだ。よくぞここまで、おのれをふり絞った。お前の体には、最早一滴の血も残ってはおらぬ。ええか、貫一。お前は父母の与えた身体髪膚をば、いたずらに毀傷したわけではねぞ。一筋の髪、一片の肉、一滴の血すら無駄にはせず、すべてを使い果たしたのじゃ。この始末ば見た者は、過てる武士道に目覚むるじゃろう。武士道は死ぬることではなぐ、生きることじゃと知るじゃろう。わかるか、貫一。それこそがまことの武士道ぞ。南部の士魂ぞ)

  • 上巻に続き、読み終えたときはとても真面目な気持ちになった。
    泣きたいときや、やる気のないときにまた読もうと思う。

  • 泣き所は沢山あるけど、個人的には最後、博士が盛岡駅に着いたところから、次郎右衛門の手紙という流れ。博士が受け継いだのは、父だけでなく、次郎右衛門の魂でもあったのだ。

  • 物語半ばで、主人公の吉村寛一郎は退場し、その後は、彼が命をかけて残したものに焦点が当たります。

    血まみれでありながら、清々しい人の物語。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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