姫椿 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 197
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167646042

感想・レビュー・書評

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  • 設定は現実だけど展開がファンタジックだったり、ラストにカタルシスを感じるとともにぞっとしたり、簡単に言ってしまえば「世にも奇妙な物語に出て来そう」な物語たちの短編集。
    これだけ全部違ったインパクトが残る短編集もあまりないかも、と思った。

    精神的にぐっとくる要素がある本だと長めに語ってしまうのだけど(笑)、これはシンプルに物語がおもしろいし、全体を通してぐっとくる感じだから、どこかに焦点を当てて語るのが難しい。

    「マダムの咽仏」のこんな一節が心に残った。

    「嘘でもハッタリでも、腹をくくっちゃえばいいんでしょう。そしたらなれるわよ。役者でも、医者でも、オカマでも。もしかしたら総理大臣にだってなれるわ。でも、とりあえずそうなってから、そのさき本物になるっていうのはものすごく難しい。それが、芸ってやつじゃないのかな」

    説明不要。本当にその通りだな、と思ったのでした。

  • 8つの短編。どれも、浅田さんらしぃ、という感じ。表題作、姫椿。椿姫の関連かと思ったが全く違った。前提に自殺を持ってこない未来を今後作れるだろうか。希望の光りは小さくっても見えていたように思う。なんだかミステリー風味な、「再会」「トラブルメーカー」「零下の災厄」。余韻がそれぞれ違うんだけど、「トラブル・・・」での早期退職したおじさんの行く末を思うと怖い。「永遠の緑」、ゴメンナサイ、本当競馬への熱情って理解できない。あの「先生」は浅田さんなんだろうなぁ。でも斜め読みしました。

  • 「シエ」がおすすめです。不幸の涙を食べて生きる動物シエと、がんばりやのOLふーちゃんとのお話。「涙を流した分だけ、幸せになれるんだ。」こころがあたたかくなりました。

  • 飼い猫が死んでしまったOL、経営に行き詰まり、死に場所を探す社長、三十年前に別れた恋人への絶ち難い思いを心に秘めた男、妻に先立たれ、思い出の競馬場に通う大学助教授…。凍てついた心を抱えながら日々を暮す人々に、冬の日溜りにも似た微かなぬくもりが、舞い降りる。魂を揺さぶる全八篇の短篇集。

    母に借りて読んだ。
    サラッと読める「世にも奇妙な物語」風のお話ばかりなので、旅行や通勤の移動中に読むのにぴったり。
    堅苦しい話ではないので、箸休めとして読むのにおすすめ。

  • 短編集、浅田次郎の人情もの、おすすめするほど好きじゃない

  • 04:しっとりと穏やかな、人と人との温かなつながりを描いた短編集。どれもどっしり骨太かつ落ち着いたたたずまいで、読んでいて安心できる作品ばかりです。想像を絶するどんでん返しで肝を冷やすことはありません。この安定感は、さすがベテランのわざ。暗めの作品もありますが、明るい読後感のもののうち、「シエ」「マダムの咽仏」「永遠の緑」のがお気に入りです。

  • 気楽に読めて面白かった。
    ちょっと不思議なのが良い。

    話してはならぬ、言葉は穢れている とはなるほどだ。
    沈黙は金。

  • 短編集。「シエ」「姫椿」「再会」「マダムの喉仏」「トラブル・メーカー」「オリンポスの聖女」「零下の災厄」「永遠の緑」
    個人的には「シエ」「再会」が好み。

  • 8つの短編を集めた作品集。
    ベタな浅田ワールド全開のケモノ偏に解って書く「しえ」ってお話が良かったです。

    やっぱり我が家は動物好きだからさぁ~。
    しかもノラ猫ちゃんや捨て犬ちゃんを育ててきたから、こういったお話に特に弱いんだよねぇ~。

    「浅田さんのお話を読むと、やっぱり(ストレートな)男性は女性が好きだし、精神的なプラトニック・ラブを重宝しがちな女性作家さんと違って、愛し合うならカラダごとってところが素直だな~って思います。」by太郎

  • いいですね、浅田次郎。短編集で、総じてほんわかする人情ものが多いですが、ちょっとミステリアスに終わるものもいくつかあって楽しめます。

  • 浅田次郎の短編集も読んでみたいなあと思って読んでみた。


    時代物長編を呼んだあとだと、同じ人が書いたのかな?と思うくらいなんか違う。
    違うんだけれど、こういうのが描きたかったかな、と感じた。泣けるもの、ではなくって全く別のタイプの小説、つまりこちらがわが本来の浅田次郎そのものなのではないかと。

    正直主人公たちの感性が古くて、現代じゃないなあ感プンプンで首をひねることもおおい作品群でしたが、高度成長期からバブル期を過ごしてきた年代にはドンピシャかと思う。
    その分、おそらくそれ以後の人にはわかりづらい部分が多いんじゃないかな。

    これは読む年代層を選ぶ短編小説集かもしれない。

  • ハートウォーミングな短編集です。
    主人公は孤児として育てられ「淋しくない事が幸せ」と考えている女性だったり、生面保険を目一杯掛け自殺寸前の不動産社長だったり、陸軍幼年学校の生き残りでオカマの道を歩き続けた人だったりとバライエティに富みます。
    そうした主人公が最期には何らかの形で救われるという話がほとんどなのですが、いかにも物語という感じで、いわば「おとぎ話」のようです。そういう意味では荒唐無稽の話なのですが、そこに違和感を感じさせないのが朝田さんの美味さのように思えます。
    何かに疲れたとき、ちょっとふさいでいる時、ほっとしたい時に読むのに良い本です。

  • 内容紹介

    忘れないで、誰かがあなたを見守っている ペットに死なれた独身OL、不況で死に場所を探す経営者、妻に先立たれた大学教師……。凍てついた心を優しく包む八つの物語──

    内容(「BOOK」データベースより)

    飼い猫が死んでしまったOL、経営に行き詰まり、死に場所を探す社長、三十年前に別れた恋人への絶ち難い思いを心に秘めた男、妻に先立たれ、思い出の競馬場に通う大学助教授…。凍てついた心を抱えながら日々を暮す人々に、冬の日溜りにも似た微かなぬくもりが、舞い降りる。魂を揺さぶる全八篇の短篇集。

    内容(「MARC」データベースより)

    ペットに死なれた独身OL、不況で自殺を考える経営者、妻に先立たれた大学教師…。凍てついた心を抱える人々に、救いの手はさしのべられるのか。魂をゆさぶる8編。 --このテキストは、単行本版に関連付けられています。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    浅田次郎
    1951(昭和26)年、東京生まれ。著書に「地下鉄(メトロ)に乗って」(第16回吉川英治文学新人賞)「鉄道員(ぽっぽや)」(第117回直木賞)「壬生義士伝」(第13回柴田錬三郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    目次
    〓シエ(xi`e)
    姫椿
    再会
    マダムの咽仏
    トラブル・メーカー
    オリンポスの聖女
    零下の災厄
    永遠の緑

  • 浅田次郎の短編集。個人的感想だがこの人の作品は時間のプレイバックが印象的。過去と現在で自分の置かれている状況が変わっても、人はどこかで過去を忘れられない。例えば昔の友人や恋人の話など。ふとしたことで自分の昔がよみがえる。
    肯定的にいえば、過去は否定されるものではなく現在につながる時間の連続。「色々あるけれど、まぁ今を頑張りましょうよ」そんなことを伝える小説(のような気がする)。

  • 幻想的だったり、ブラックだったり、ひんやりしたり、胸にじんわりきたり・・・テイストの違う短編が8つ。
    中でも、「ーーマダムは完璧な女だった。」で始まる「マダムの喉仏」は秀逸。

  • 雰囲気はいいのだけど、終わり方がいまひとつ

  •  借金を返さない人間に銀行は容赦しない。
     かつては上場企業の社長であった高木は現在では自己破産を待つだけの日本のお荷物へと成り下がっていた。銀行は彼に莫大な金を貸しており、それを返済するよう正当な権利の主張を行ったが、立場もわからぬ愚か者はあろうことにもさらなる融資の提供を命じてきた。
     馬鹿野郎が、お前のような屑は腐るほど見てきた。甘い見通しで借金をして自らの首を絞める無能に、会社という大きな『村』を率いる資格はない! さっさと首をくくって生命保険を充てにしろ! お前にできる唯一の手段は腹を切って金を生み出すことだけだ!
     次回『生きねば』――本当にかわいそうなのは切られた社員です

  • 幸せとは寂しくないこと、そうだろうなぁ。
    お父さんとお母さんに会いたいなぁ。

  • 2016.6

  • ちょっと不思議な
    ほんのりあたたかい作品も混ざりつつ
    次のお話はどんなかなーって
    ひとつひとつ楽しめた短編集でした。

    シエ:ほろほろろろ…
    姫椿:ほわっ
    再開:なんと…
    マダムの喉仏:マダムかっこいい
    トラブルメーカー:その後がしんぱい
    オリンポスの聖女:あんまりひっかからなかった
    零下の災厄:何者だったんだ…!
    永遠の緑:いい子だなあ

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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