輪違屋糸里 上 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2007年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167646066

みんなの感想まとめ

物語は、壬生浪士や新撰組の人物像を描きながら、当時の女性たちの強さと生き様を浮き彫りにしています。特に、土方歳三の複雑な人間性や、永倉新八の愛嬌あるキャラクターが印象的で、歴史的な背景とフィクションが...

感想・レビュー・書評

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  • アニメ「青のミブロ」が大好きで、芹沢鴨暗殺に興味が湧いて読んでみた。とても面白い。
    壬生浪士達の人物像や出来事、芸妓達の生き様がドキュメンタリーを読んでいるようで、フィクションであることを忘れてしまう。
    女将達の会話シーンがあると、女性の強さを感じる。

    壬生浪士、新撰組についてはいろいろな作品で語られているが、作品によって人物像が違うから印象が定まらない。

    土方歳三はかっこよく描かれていることが多いけど、この作品では信頼されているが、優柔不断な部分を感じる。
    永倉新八はおしゃべりで笑えた。



  • 何を守ろうとしているのか分からない時代があったのだな。

    土方は捉えようもない男。
    非情でもあり、情け深くもあり、鳥瞰的に物事を考えて最善の道をとる者でもあり…。

    土方は「侍」になりきれなかった「百姓」だったのかな。
    いや、「百姓」になりきれなかった「侍」だったのかも。

    一方で
    世の中という化け物に向かっていく男を、戒め慰め包む女たちが仏のよう。

    糸里天神が小浜という海の町から買われた芸妓であることが象徴的。
    海は母性そして波は運命に流される当時の女性の象徴。

    京都弁のしとやかできっぱりした口調を楽しめた。
    文字が芸妓の奏でる琵琶や三味線に成り代わり響く。

  • 鬼の副長だは...下巻を読んで感想。

  • 非常に面白かった。てっきり史実に基づいた話かと思ってしまったが、基本的に虚構のようらしい。浅田次郎の幕末ものは、思った以上に生き生きと登場人物が描かれており、面白く読める。早く先を読みたいと思う。

  • とにかく新しい。
    私は今までの自分の新撰組観が180度引っくり返る程の衝撃を受けた。

    何が新しいかって、新撰組の歴史に、多分、初めて女性の視点を持ち込んだこと。

    女性の視点から語られることで、冷酷無比ではあるがひたすら己の信じた道を突き進む男たちのカッコ良さは、あっという間にどこかへ行ってしまった。

    私は今まで読んだ新撰組関連の書物(小説・漫画)、今までに見た新撰組の物語(ドラマ・映画)の中で、あそこまで沖田総司が格好良くないものは知らない。

    女の目にかかれば、美青年剣士・沖田総司も、粗野で野蛮で、剣にしか生きる意味を見出せない下らない男。
    土方歳三は、自分の目的を果たすためなら、惚れた女さえも人身御供に差し出し、利用し、あまつさえ殺そうとまでするのに、それでも彼女を好きだとのたまう、矛盾する心を抱えた卑怯な男。

    しかし女の目にかかると、乱暴者で傍若無人で酒豪の芹沢鴨は、純粋すぎるほどに純粋で、真っ直ぐで、生きるために嘘がつけない、不器用なだけに切なすぎる男に変わる。

    この小説の中で最も女心をくすぐる男は、なんと言っても芹沢鴨なのである!
    これを衝撃と言わずしてなんと言う!?


    男とはかくも愚かしく、それ故にこそ、かくも可愛い生き物なのか……。

    というのが、この小説に登場する女たちに共通する真髄か。

    そしてこの小説に登場する5人の主要な女たち、糸里、吉栄、おまさ、お勝、お梅は、男の身勝手に翻弄され、振り回されながらも、自らを縛っていた「男と女」の鎖を解き、自らの意志と力で運命を掴み取っていくのである。

    例えそこに待つものが、死であろうとも……。

  • 芹沢鴨がメインのお話。
    寂しく切ない、男女の物語。

    今の世の中普通に恋ができて生きていけるというのを改めて感じさせられた。

    リアルですね・・・。

    命の大切さを改めて感じさせられた。

  • なんとも胸が苦しくなる話で、人物の心情がひしひしと伝わってくる。

    新選組に巻き込まれた女達の話し、島原に生きる女性の辛さがいたたまれない。改めて新選組ってめちゃくちゃな集団だなと。

    新選組を外から見た視点で書かれていて、素直に面白い、一気読みでした。

  • 歴史とは物理や数学等の様な純粋科学ではなく、歴然たる過去の事実にも拘わらず、数十年も過ぐれば何が真実なのか分らなくなる非常に厄介な代物。芹沢鴨と言えば新撰組に関する話を少しでも齧ったことのある者なら誰もが稀代の悪漢として知る人物である。本作は正史の視点を横にずらして見た時、そこに何が見えて来るかの実験と言える。前作『壬生義士伝』では新撰組の陰の象徴である斎藤一の昔語りに圧倒されたが、ここでは陽の化身たる永倉新八の現在進行形の今語りが目を引く。読みながら青春期の偏愛作家・澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』を想う。

  • 女性視点から見る新撰組。

    新撰組だけではなく、戦う・働く男性たちにとって、女と酒がいかに重要なのか思い知らされますね。

  • 2012.7.12.thu

    【経路】
    akanehigeの一等のお気に入りと聞いて。

    【感想】
    新撰組の内部抗争を、各々の心理に迫って描写した話。
    芹沢派について特筆されている。
    当時の身分の考え方、在り方をどう考えているのかを、ジレンマやコンプレックスなど細かくリアルに書かれてあるのが興味深い。
    土方や沖田を主とした作品はいくつか見てきたけれど、芹沢をここまで深く考察している作品に出会ったのは始めてで新鮮。
    akanehigeには登場する女たちがそれぞれ身震いするほどカッコいい!と聞かされていたのだけれど、まさにその通りで、浅田次郎やるなぁと思った。



    ※下記後日編集予定

    【かっこいいポイント〜男】
    ●芹沢
    ●平山
    ●平間

    【かっこいいポイント〜女】
    ●糸里
    ●音羽
    ●吉栄
    ●お梅

  • 久しぶりに浅田次郎の本を読破。
    やっぱり読みやすいね。

    壬生義士伝は最後もらい泣きしましたが
    今回はどうか!!

  • 久々の浅田次郎の小説。

    内容は、新選組の話。映画にもなった壬生義士伝の続編ともいうべき作品。解説に頼ると、壬生義士伝が
    男性から新選組を描いていて、今回は、女性から新選組を描いている。

    新選組というと、どこか艶やかな印象だけど、この小説を読むとその奥にある、武士と農民に象徴的な身分による差別がえぐりだされる。さらには、華やかさの裏にあるお金の工面という問題。やはり江戸末期になると、お金は商人がもっているのであった。

    お金、身分差別・・・そして貧困の中で身を立てるために、必死になって芸をみにつける女性。いわゆる教科書の歴史の中では学べない世界がそこにあった。壬生義士伝は涙がでたが、糸里は、胸に響いてくる小説で考えさせられた。

  • 壬生浪士組が正式に新選組となった。
    水戸派の芹沢鴨とは何者だったのか!?
    酒が入ると人が変わるが
    飲まなければ一角の人物なのだが。
    やがて訪れる暗殺事件の謎に迫る…

  • 輪違屋糸里を読んで、芹沢鴨や平山五郎ら男たちが暗殺によって凄惨な最期を迎える一方で、その裏で糸里や吉栄といった女性たちが命を繋いでいく姿が印象に残りました。男たちの「死」と女たちの「生」が対照的に描かれていて、幕末の厳しさと、それでも続いていく命の流れが自然と感じられます。

  • 新選組中心とした周りの話
    壬生義士伝のように、心情に訴えてくる内容で好きだった。糸里や吉栄、お勝やお梅など女の生き様がよく伝わってくる。男女差別などと言うが、この時代から女もしっかり強かったではないか。いや、いつの世も男は剛力はあっても内面が女より弱い。

  • 女性たちから見た新撰組の芹沢鴨暗殺にまつわるストーリー。江戸時代末期の京で一生懸命に生きる女性たちの心の揺れ動きが描かれている。とにかく悪く書かれることが多い芹沢鴨に対して理解を示す描写が多いのも新鮮であった。
    一般公開期間は限られるが、京都・島原の角屋は内部を見学することができ、新撰組の隊士たちが残した柱の刀傷も見ることができる。この小説を読む前後で見学をすると、この小説で描かれている糸里の世界はどこか遠い場所の話ではなく、時間を隔てただけの「ここ」なのだと実感できる。

  • 題名は「糸里」だけれど、糸里からみの話が少ないのがやや不満。上巻のラストで糸里が可哀想すぎる。。

  • 糸里のストーリーというよりは近藤勇たちと芹沢鴨たちの物語と言える。

  • 新選組がまだその名を与えられる前からの様子を島原と芹沢鴨を中心に描いている。
    初期に退場した芹沢鴨は新選組を取り上げた作品にもあまり登場することがないので、改めてじっくり向き合ってみると興味深い。
    単なる酒乱の無法者か、それとも策士でもある真のリーダーだったのか、本当はどっちだったのでしょうね。

  • 何故か今まで手を付けていなかったけど、さすがの浅田次郎さん、昨夏、角屋と輪違屋の前を通って壬生まで歩いたけど、また改めたい。
    2024-045
    巻末に思わぬ蔵書印、その後すぐ本人からLINEで驚いた

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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