1809ナポレオン暗殺 (文春文庫 さ 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167647018

作品紹介・あらすじ

1809年、フランス占領下のウィーン。仏軍工兵隊のパスキ大尉はオーストリア宮廷の異端児ウストリツキ公爵と出会い、ナポレオン暗殺の陰謀に巻き込まれていく。秘密警察の追及、身を焦がす恋-。激動期のヨーロッパをさらなる混沌に陥れようと夢見た男たちの、華麗で危険なゲームを精緻に描き上げた歴史活劇。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本を手に入れたので再読。
    佐藤亜紀さんの古い本は、見つけたら出来るだけ買うと決めている。この本も復刊されたらいいのになあ。でも装丁はこれが好きだ。

    内容は大体覚えていたけど、さらに一つも取りこぼすまいという気持ちで臨む。というか、読み取るほどに面白さが増すので、ついのめり込んでしまうのだ。
    1809年、ナポレオン暗殺計画の、その準備段階からの駆け引き、読み合いの応酬。どきどきする。
    最初に読んだ時は、どうなるんだ、大丈夫か、とどきどきしていたのだけど、先を知った上では、登場人物たちの共通の認識の上で成り立つようなやりとりが、いちいちかっこよく思えて楽しかった。

    ところで、手袋って本当に投げていたのかしら。ないと言いつつ決闘に持ち込もうとするってことは、そんな作法はあってないようなものだったのかしら。
    あの場面は、大佐がなんだか可愛かった。

  • 公爵様がかっこよすぎた。

  • 2000-08-00

  • (蔵書管理)よくある似非ではない、複雑怪奇な真に貴族らしい貴族を堪能できる、親しみやすい「佐藤亜紀」。

  • 何年か前に読了。佐藤亜紀さん2冊目。
    天使の後に読み始めたのだが、文体はともかく物語の序章が長く長く時代背景や人物の設定を語られて洋画の画面を字幕スーパーで観ているような気で読んでいた。そのうちに主人公が動き出し周囲の人と関わっていく。長編洋画を観ているように読み進めていった。クライマックス、エンディングと華麗に流れ幕が降りた。

  • 1809年、オーストリア。工兵である主人公が不思議な陰謀と争いに巻き込まれていく。

    ストーリー展開に驚きが隠されているわけでは無いが、テンポよく描かれていく世界観に巻き込まれていく。

    主人公の心情が理解出来ないことがあるが、そんなことは捨て置いて力強い文章に魅了されてしまうのだ。

  • よくわからなかった。文体も好みではないためか、人の区別がつかず、内容が頭に入ってこなかった。読み通してもすっきりせず、何度か読めば味わいがでてきそうなんだけど…、それに挑戦する気力もない。

  • 渡米時、「文庫は3冊まで!」と決めて持って行った一冊。著者の1番好きな作品はどれかと聞かれれば答えられないこと必至だが、連れていきたい作品は間違いなくこの作品。

    世界にどっぷり使って感性を研ぎ澄ませて読むことが求められる作品が多い中、1番ソフトでエンターテイメントとして読める。その為、短い時間でも気軽に手に取れる。
    私自身は「天使」で佐藤亜紀デビューだったが、順番が勧められるならこれをデビューにオススメしたい。

    絶対して欲しくはないが漫画化なんてしたら、キラッキラした美形が立ち並ぶキャラクター設定だが、その容姿の造形よりも癖の強さが魅力的。

  • 読む前は、歴史物だと思って躊躇していた(歴史に無興味なので)のですが、こりゃあ歴史小説ではなく、その舞台を借りたハードボイルド風味のイケメンエンターテインメントだった(笑)

    筆者の作品の中では、かなりわかりやすい方だと思うので、入門にはこれをお勧めします。

  • 先日レビューした「天使」と同じ作者。
    いかにも同じ人が書いた、っていう感じなので、両方好きか、両方嫌いかどっちかだと思います。


    舞台は1809年のウィーン。フランス軍工兵隊(橋を架けるのが専門だってよ)のパスキ大尉が、ナポレオン暗殺計画に巻き込まれていきます。

    暗殺計画の中心にいるらしい、ウストリツキ公爵がいいキャラ。
    中産階級的倫理感とは別世界に生きていて、でも彼なりの貴族的倫理感みたいなものはあって、エレガントで頭がよくて乾いたユーモアのセンスがあって、男も女も周りの人がみんな彼に振り回されてしまうのも納得の魅力。


    ある意味少女マンガっぽいキャラ(美形率高し)と、若干の歴史的知識を要求されるサスペンスと、無駄を省いた文体の取り合わせが全部好きな人が意外と少ないのか、2000年文庫初刷なのに8年目にしてすでに入手困難。
    図書館で借りました。
    確かにおもしろかったけど誰に勧めていいのかよくわかんない…。

    「バルタザールの遍歴」「天使」が好きな方ならぜひ。
    「天使」の星5つがややおまけだったので今回は4つで。

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著者プロフィール

1962年、新潟に生まれる。1991年『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。2002年『天使』で芸術選奨新人賞を、2007年刊行『ミノタウロス』は吉川英治文学新人賞を受賞した。著書に『鏡の影』『モンティニーの狼男爵』『雲雀』『激しく、速やかな死』『醜聞の作法』『金の仔牛』『吸血鬼』などがある。

「2022年 『吸血鬼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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