わが母なる暗黒 (文春文庫)

著者 : ジェイムズ・エルロイ 佐々田雅子

• 文藝春秋 (2004年1月10日発売)

感想・レビュー・書評

[hushhushdさんの感想 · 2015年8月14日]

徹底的に過去形を貫く訳文が内容の凄みを増している。内容とは。ジーン・エルロイという女が殺された。その息子は後にジェイムズ・エルロイという作家になった。エルロイの作品の特長は、精密機械の如く複雑かつ正確なプロットであるが、もう一つ特徴として、女の被害者、あるいは生きている女に囚われる男、というのがある。彼らが女に囚われることに対する論理的な説明は一切ない。その理由が本書を読んでわかった。説明など不要なのだ。エルロイにとって、男はその生死に関わらず女に囚われるものなのだ。なぜなら、自分がそうだったから。

[管理人★篠宮さんの感想 · 2009年3月1日]

これも数年前から読みたいと思いつつ、読み始められずにいます。
これを読み切れれば、きっとLA暗黒三部作とかも、読み切れるに違いない！と勝手に思い込んでいるんですけど〜（汗）。

[poipoisaさんの感想 · 2005年12月24日]

奥行きのないむごい文体が次から次へとこころの潤いを奪う。なんというかひび割れたせつなさというかいてーｯ沁みるァアー！な読後感。各章のプロット？は神さま・・ま・・！！！！