幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784167651664

みんなの感想まとめ

科学と宗教の対立が深まる19世紀から20世紀にかけて、心霊現象の研究に取り組んだ著名な科学者たちの姿が描かれています。ウィリアム・ジェイムズやキュリー夫人など、さまざまな分野の先駆者たちが、科学的な立...

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀の半ばから20世紀にかけて、科学が飛躍的に進歩した時代。科学に携わる人々の傲慢な考え方、不遜な態度、高慢さに警鐘を鳴らした人たちがいました。それがウイリアム・ジェイムズをはじめとする、当時第一線で活躍した物理学者、博物学者、数学者、心理学者、哲学者らです。中にはノーベル賞受賞者も数人含まれています。彼らが本業の傍ら、本気で取り組んだ研究が、心霊あるいは超常現象といえわれるものでした。彼らは、宇宙や世界の成り立ちが、すべて物理の法則で説明できるとし、宗教や道徳、倫理をも否定する世の流れを憂慮し、苦言を呈するかたちで、科学的な実験と検証を積み重ね、それでも説明のつかない不可解な出来事が存在するという問題を提起しました。が、しかし、当然同業者からの大きな反発や、マスコミや一般大衆の好奇の目に晒されてしまいます。けれど本書を読むと、不可知論を唱える人たちに比べ、彼らの姿勢の方が、科学者として正しいことのような気がしてきました。宇宙の真理を解き明かそうとするなんて、それこそ人間の思い上がりなのかもしれません・・・ネ。

  • 近代心理学の祖ウィリアム・ジェイムズや犯罪学の祖ロンブローゾ、マーク・トウェイン、コナン・ドイル、キュリー夫人など、分野違いの著名人が心霊研究という横糸でつながっていく展開が面白い。心霊を探求しようとした人々の多くが、愛する人との喪失経験をもっていることも特徴的だと感じた。

     難があるとすれば、登場人物が雑多で、巻末にある主要人物一覧の他にも両手に余る人名が登場したこと。読中はロシア小説を読むかの如く右手でメモしながら。

  • 科学の発達によって人々が幽霊の存在を疑問視し始めた時代、幽霊の正体について真剣に研究しようとした人々の物語。ノンフィクションなので最終的に何がどうなるというストーリー的なおもしろさはない。また、どちらかというとゴーストバスターズの人間ドラマ的な側面も強い。しかもけっこう長いので、読むのが割と大変だった。ただ、結局のところ、当時から現代にいたるまで、科学の幽霊に対するスタンス(不可知論とか)はあまり変わっていないように思う。

  • 19世紀から20世紀、科学と宗教の亀裂が深まる中、客観的に、科学的立場に基づいて心霊現象を研究した人々のノンフィクション。

    オカルト話はいつの時代も人々を惹きつけてやまない。幾度科学で否定されても、心霊番組は放送され、オカルトはネットを盛り上げる。
    もしかしたら本物が紛れ込んでいるかもしれない!というワクワクした好奇心は、きっとゴーストハンターズにも共通するものがあっただろう。

    今のところ私個人は、生物学的な知見から人間が特別な生き物であるとも、意思や知能が人間固有で神秘的なものだとも思っていないし、幽霊や死後の世界も信じていない。
    ただ、現代科学が"絶対的に"正しいとも思わない。慢心と盲信は破滅を産む。
    だから、科学の一般論に抗い、苦難の道を走り続けたゴーストハンターズには敬意を表する。
    いつか彼らの努力が報われる日が来る…かもしれないのを、楽しみにしている。

  • ふむ

  • [ 内容 ]
    19世紀半ば、欧米で心霊現象への関心が高まり降霊会がブームになった。
    多くの科学者が否定するなか、ケンブリッジ大を中心とするノーベル賞学者2人を含む研究会が、本気で幽霊の存在を証明しようとした。
    時に協力し合い時に見解の相違を見つつ、様々な心霊現象の解明に挑んだ彼らが行きついた「死後の世界」とは。

    [ 目次 ]
    タイタス事件
    ポルターガイストと幽霊屋敷
    「科学vs宗教」の時代
    ケンブリッジの三人組
    サイコメトリー
    死の間際のメッセージ
    幻覚統計調査
    テレパシーか、霊との交信か
    エクトプラズム
    よみがえった霊
    死の予言
    交差通信
    終わりなき探求

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 今でも時折、テレビに取り上げられる
    「心霊現象を科学で暴く」(もしくは「科学が説明できない心霊現象」)
    という話題。

    テレビ番組の中には心霊現象肯定派と心霊現象否定派の「漫才」に堕しているものもあるが、全てに共通するのは
    「結論なし」という結論
    (そもそも、この類の番組で結論を出そう、としているものは無いだろうが)

    心霊現象を科学の手法で調べよう、という動きは19世紀半ばの欧米の心霊現象ブームが起きたころから。

    当時から研究者も肯定派と否定派に分かれ、研究対象にされる方も自らの力(?)が何なのか、解明して欲しい、と思っている者から、詐欺師まで様々。
    そして、どちらも科学界からは「胡散臭いもの」と軽蔑され、世間からは「興味深いもの」として人気があったそうだ。
    (その点では、今も全くと言っていいほど変わらないが)

    本書の中に出てくる科学者たちがやっている事は、今とほとんど変わらない。
    「科学者立会いの下、霊媒に心霊現象を起こさせ、検証する」
    というもの。

    そのために心霊研究協会(SPR)が設立される。
    この協会には肯定派も否定派もいたため、(結果的に)調査結果にはバランスが取れていたもののようだ。
    (両派が少しずつ満足し、同時に少しずつ不満な結果であるという点において)

    化学が錬金術から生まれたように、心霊研究から「何か」が生まれる事をSPRは目指していたのだが、致命的に異なる点が一つあった。

    それは、錬金術は「物体」が相手なのに対し、心霊研究は「人間」が相手だということ。
    つまり「物体」は同じ事をすれば、同じ反応をするが、「人間」は、そうではないのだ。

    そのため、SPRがいくら事例を集めても、それは心霊現象を肯定する決定的な資料にはなりえない。
    が、同時に、この分野は数学などと異なり「(原理的に)ありえないこと」の証明も極めて難しい。

    本書も多くの事例は紹介しているが、最終的に結論めいた事は書いていない。
    どちらか一方の結論を期待していた人には、回りくどいし、物足りない結果になっていることだろう。

    結局のところ、この問題には結論が出ることはないのだ。

    死後の世界についての問いに対するエジソンの答えが、それを象徴している。
    「我々は分かっていない。
     分からないんだ。
     分かるには限界がありすぎる。
     本当に重要なことは、人間にはまだつかめていないんだ。」

    結局、テレビ番組で(興味本位で)取り上げられる時の「結論」と同じになってしまった。
    一周して、また同じ所に戻ったのと、一周もしていないという違いがある、という事で・・・。

  • 途中迄はおもしろかった。 歴史的に、幽霊、まやかし、ショウビズ、超能力との関連、、幽霊と思っていた物とは違う展開だったが、面白かった。

  • この「幽霊を捕まえようとした科学者たち」というのは、文字通り、霊的な現象を科学的に研究しようとした科学者たちの格闘の記録。

    なぜ彼らは、自らの立場を悪くする超常現象に関わり続けたのか。

    この本の醍醐味はここにある。

  • 次に読む

  • 紹介されるエピソードのいくつかは本当に驚くべきもので、盲信するのも害だが、無視することも人類にとって大きな損失と思う。
    いつか、これらの現象をすべて科学的に説明出来る時がくるだろうが、(僕にとってすでにそうであるように)科学そのものがクラークの言うとおり、魔法のようになっているだろう。

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