バチカン・エクソシスト (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2010年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167651671

みんなの感想まとめ

悪魔祓いという神秘的な儀式をテーマにした本作は、現代におけるエクソシストの実態や、その役割について深く掘り下げています。バチカン公認のエクソシストが実際に登場し、悪魔憑きの症例と精神疾患との違いを明確...

感想・レビュー・書評

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  • 小説「エクソシスト」のなかにこんな台詞がある。「エクソシストに会いたければタイムマシンにのって16世紀へ行くことだ」
    しかし著者はいう。

    その必要はない。現代のイタリアへ行けばすむ話だ。

    エクソシズム-悪魔祓いの儀式は中世の物語ではなく、バチカンも公式に認め現代イタリアで実際に日常行われている儀式だという。

    本書はロサンゼルスタイムズ誌の記者による、エクソシストへの多面的なアプローチによって成り立っている。
    複数のエクソシストと実際に悪魔祓いを受けている被術者にインタビューを行い、飽くまで客観的な視点に立ち、読者に現代の悪魔祓いの持つ意味を問いかける。

    超自然的な現象に懐疑的な人、それを受け入れられる人、双方に興味深い本だと思う。


    記事URL:http://spenth.blog111.fc2.com/blog-entry-10.html

  • なんと複雑な問題だろうか…。結局「悪とは?」「悪魔とは?」に行き着いて、その捉え方は人により様々。悪の定義なんてそんな簡単にいかないもんなあ…。

  • 忘れた

  • 映画でしか知らない「エクソシスト」いわゆる悪魔祓いですが、実は現代イタリアではエクソシストがたくさんいて、エクソシストを頼るキリスト教徒もいっぱいいる…という、真面目なレポートです。
    現代の日本人からすると、悪魔憑きなどありえない…と思いますが、そう信じている人にとっては、現代医学よりもエクソシストを頼ってしまう傾向があるようです。
    しかし、悪魔憑きといってもその患者はほとんど女性であること、イタリアでは精神病を忌み嫌い理解しようとする心が薄いこと、また、無意識にエクソシストに合わせて演技したり、罹患することによって、人にかまってもらえるので悪魔憑きになったような気持ちになってしまう…ということも、本書では指摘してます。
    かっちりした記者レポートって感じで、独創的…ってほどでもないですが、この手のノンフィクションってあまりないし、イタリア人の精神性も伺える本でした。

  • イタリアにおける"現代"のエクソシスト事情。イタリアではエクソシストに対する需要が増えて居るのだとか。精神病を恥と捕らえる環境から精神病と認めたく無い人達、また精神科医の治療で改善できない人達がエクソシストを頼る。

    タイプの違う現役エクソインタビューや、エクソシストを頼った人達の体験談が興味深い。熱心なキリスト教信者だけではなく、あまり宗教に熱心でなかった医学生も検討の結果、自らを悪魔憑きと認め悪魔払いを望んだ例もある。

    そして教会のエクソシストに対する扱いも一枚岩ではない。

    治療として見た場合の悪魔払いは、サイコセラピストが医学的観点からやらないようなこともやってしまうのでなかなか問題があるようだ。ただそれで問題を解決出来る人も居るというのが難しいところ。

    日本にも狐憑きというものがあるが、キリスト教のように神と悪魔という概念から来る物ではないため少し事情が変わって来るらしい。

  • 現代でも、というか、現代だからこそなのか、悪魔祓いが増えているとのこと。

    精神の病気と一言では片付けられないことがあるという。

    大変力の入ったレポートだった

  • エクソシストで思い出すのはやはりあの映画である。キリスト者では
    ないけれど、インパクトがあって怖かった。でも、信仰がない分だけ
    現実感とは乖離していた。

    悪魔ではなくても、何かに憑かれるという現象は多かれ少なかれ
    正解中のいろんな国や地域にある。日本ならさしずめ狐憑きか。

    憑きもの落としと言えば京極夏彦の京極堂シリーズなのだが、
    カソリックのエクソシストも京極堂に通じるものがあるのでは
    ないだろうか。

    本書は実際に悪魔祓いの儀式を執り行っているエクソシストや
    悪魔に憑かれておりエクソシストの祈祷を必要としている人、
    またカソリック教会のなかでエクソシストの位置付け、賛否両論
    を併記している。

    「ああだから、こう」という結論は出していないが、その分、公平性が
    保てている良書である。

    極端なオカルトは好きではないが、科学では解明出来ないことも
    この世にはあると思う。でも、悪魔憑きの人の口から釘だとか
    ガラスの破片だとかが吐き出されるっては信じがたいな。

    社会が発達するにつれ、人間の心の病は多様化している。もしか
    したら、エクソシストはカソリックの信仰の中で精神科医の役割を
    担っているのかもしれない。

    それにしても悪魔が本当にいるのなら会ってみたい。あ…日本には
    いるな、大相撲好きの悪魔が。蝋人形にされちゃうらしいけど…。

  • カトリック協会、エクソシスト、精神科医、警察それぞれの組織内において、悪魔払いに対して意見が統一していない。

  • なんかノストラダムスの大予言とか、あんな感じのつかみどころのなさ。
    エクソシストってそんなにたくさんいるのか、とかは思いましたが。

  • なぜにコレ?とおもわれたでしょう(笑)^^;
    ふらふらっと手にとってみたら意外や意外、かなり知らないことが満載でした。
    ほんと、人間って知らないことのほうが多いんですよね。だから、めぐり合った本はちゃんと読まなきゃ!

    信仰と悪魔
    キリスト教と悪魔祓い
    悪魔祓いをする人(エクソシスト)の現状
    日本にはなぜエクソシストが存在しないのか
    女性の罪はイブまでさかのぼるしか仕方がないのか
    悪魔祓いはでっちあげか
    医学と宗教

    これらのことについてきちんと向き合って書かれている点が多く見受けられました。私もこの本を手にとったのは不純な動機でした。エクソシストなんて映画しか知らない。でもその映画もきちんとローマ教会の許可を得て作られており、悪魔祓いのシーンには、本当のエクソシスト(司祭)2名が同席していたとか。そもそもエクソシストは公的な職種ではないにしても、現実的には200名近いエクソシストが現在も存在し、活動している。また大学で養成講座も行われているという。
    どうでしょ?ここまできたらなんだかよ見たくなりませんか?(笑)
    時代をさかのぼればイエス・キリストそのものが、悪魔祓いをしたということがマルコ伝にものっている。そもそも悪魔(デーモン)だって、天使だった。その天使の堕落により悪魔と化しているわけだから、その悪魔が人間に憑依するには何かしら意味があると私は思う。だが・・だ。日本には悪魔という認識もない。しいていうと妖怪だ(笑) どうしてもその国、その土地の土壌というものがかかわっているらしい。
    現代は、医学、科学も進歩し、解明できなかったことが事細かに解明されているため、猫も杓子も体の異変は悪魔のせいにする輩もおり、また宗教に偏りすぎて本来治療で治るべきものも悪化させてしまうということも多いらしい。エクソシストの役割が現代に本当に役にたってるのか否かは正直わかりません。

    ただ、宗教とのかかわりの中で、人間の意志ではどうにもできない部分があるということだけははっきりとわかりました。

    すべてが自然科学で解明することは不可能。信じる信じないは別にして、一読する意味はあると思います。

  • エクソシストの歴史と現代イタリアにおけるエクソシストがどんなことをしてるかの概略をまとめたノンフィクション。
    薄い本だからあまりつっこんだ内容は入ってはいないんですが、現代イタリアの聖職者たちや一般の人々、あるいは精神科医等のひとたちのエクソシストに対する意見や考え方などが纏まっていてとても興味深かった。
    エクソシストってもっとこう、陰謀論的なあやしいスピリチュアル的な感じのものかと思っていたけれどそんなこことはないんですね。ごくごく普通。日本でいうと沖縄のユタとかが近いのかなあ。
    もちろん、ユタよりずっと理知的だし、教義の上にのっとってるから論理的に見えるんだけど、でも実情は同じじゃなのかなあ。
    まあ、悩みを人に話すとすっきりするよね。悪魔憑きが本当にあるのかどうかは置いておいて、こういう、相談出来る相手が存在しているっていうのはいいことなんだろうなー、と思いました。

  • 今でも悪魔払いが行われているという話は聞いたことがある。その事情を描いたルポ。でも期待とは違って、やや失望。「どんなに調査しても、悪魔によるものとしか思えない事例」というのを克明に知らせてくれるのかと思ったら、現代の悪魔払い「こんな事情だよ」ぐらいの話で、やや肩すかし。

  • 衝撃的なタイトルだが
    中身はかなり冷静な作りである。

    だが正直、もう一歩先に踏み込んでほしかった。
    カトリックのお膝元であるイタリアのエクソシスト事情はわかったが
    実際のところはどうなのか。
    記者がカトリックと心理学の知識のどちらも中途半端にしか無いのが悔やまれる。
    本書を足がかりに次の本に行けばよいのかもしれないが
    奥付を見ると参考資料はほとんど日本では未訳である。

    語学の壁が次の一歩の前に立ちはだかる。

  • 悪魔を祓うエクソシストについての取材をまとめたもの。
    エクソシスト、というと映画の『エクソシスト』をイメージする人が多いと思うけれど、実際のところ何をしているのか(本当にいるのか?)などの疑問に答えてくれる本。

    そして、カトリックという巨大な組織の実態をチラリと垣間見せてくれる本。

    この本はおもにイタリアのエクソシストを中心に、彼らの元にやってくる「悪魔祓い」の依頼者たちや、精神科医の見解、エクソシストを支持しない教会関係者にインタビューして集めた意見がまとめられています。

    カトリック宗派はもとより、エクソシストたちの間でも悪魔祓いについての意見は分かれているようです。
    それでも、この本で取材されていたエクソシストは、信者の話を聞き、救いの手を差し伸べることが重要だと考えている点ではだいたい一致しているようでした。
    それだけでも結構感動しました。

    そもそも「悪魔」って何なのか?
    抽象的な概念なのか、なんらかの実態を持った「悪」というのが存在するのか。

    何かとても悪いことをしてしまった人がいるとして、あるいは人間は戦争をおこしてしまうことについて、その責めはすべて個人に帰されるべきものなのか、あるいはもしかしてとてつもなく大きな「悪」とか「悪意」みたいのが存在していて、人間は抗いようもないのか。そんな風に考えるのは、ただの責任逃れなのか。

    いずれにしても、とにかく教会内部にもいろんな考え方をした神父たちがいることを、改めて確認。

    私自身は「悪魔憑き」ということが実際起こるというのには「ほんとかなぁ」と懐疑的で、どちらかというと科学的な説明のほうがストンときましたが、バチカンに敵視されても無視されても、「これが信者を救う道なんだ」とがんばる神父さんや、傷つき苦しんでエクソシストを頼る人たちを笑い飛ばすことはできません。

    エクソシストの歴史、彼らが今置かれている立場、彼らが「悪魔憑き」と呼んでいるもの、エクソシストのもとに通う信者の様子、精神科医による「悪魔憑き状態」への科学的アプローチなど、多面的で多様な意見が載っていて、かつ著者自身の私見は読者を誘導するようなものでもなく好感が持てました。

    総じてとてもおもしろかったです。

    2010/6/11 読了

  • 2010年5月14日(金)に読んだ。

  • 現代のイタリアで悪魔祓いを求める人々は急増しており、それを行うエクソシスト(悪魔祓いを行うことをバチカンから正式に認可された司祭)の数も増えているのだという。
    その有用性について肯定派と懐疑派・否定派の意見が―カトリック教会内においてすら―大きく分かれる“悪魔祓い”。
    「悪魔祓いは大いに有効だ」と主張する司祭、問題ありと懐疑的な者、「中世の風習の遺物」と一笑に付し効果を否定する医師、精神的癒しを求める人々の多さのあまり、司祭というよりもカウンセラー、セラピスト的役割に疲れきってしまった者、「科学では解決できないものもある」とエクソシストの役割に肯定的な精神科医……様々な立場の人々の意見が語られて興味深い。

    詳細はこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2010-05-06

  • イタリアで活動するエクソシストと、その周辺の人々の実際を取材したノンフィクション。
    悪魔祓いを希望する信徒が増加しているイタリアでの、「現場の情景」を切り出した本だ。カトリック所属の司祭たちの間ですら意見の分かれるエクソシストの存在を通して、現在のカトリックが抱える苦悩を透かし見る。

  • 2010.04.25 朝日新聞に紹介されました。
    2010.04.25 日本経済新聞に紹介されました。

  • イタリアにおけるエクソシストの現状。

  • 単行本で既読。

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