絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか (文春文庫)
- 文藝春秋 (2010年10月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784167651725
みんなの感想まとめ
生物の進化における酸素濃度の影響をテーマにしたこの本は、地球の歴史を通じての生物相の変遷を新たな視点から探求しています。高酸素環境では多様性が増し、逆に低酸素環境では異質性が強まるという仮説を基に、恐...
感想・レビュー・書評
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仮説ではありますが、地球上の酸素濃度を切り口とした生物進化について書かれたこの本はなかなか面白かったです。
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読書録「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」4
著者 ピーター・D・ウォード
訳 垂水雄二
出版 文藝春秋
p158より引用
“ ある動物が利用できる酸素の量が、その
体の最終的な大きさを決定する要因であるこ
とがわかっている。”
目次より抜粋引用
“哺乳類の呼吸とボディ・プラン
地質年代における酸素濃度の変化
カンブリア紀大爆発はなぜ起こったのか
ペルム紀絶滅と内温性の進化
酸素の未来を危ぶむべきか?”
古生物学者である著者による、地球上の動
物に関する、進化と酸素濃度の関係について
の仮説を記した一冊。
生物の呼吸器官と体の形成についてから地
質学的研究から見る各古生物の時代ごとの姿
と生態まで、学校での授業のような文章で書
かれています。
上記の引用は、シルル紀における最大の捕
食生物であるウミサソリ目について書かれた
項での一文。
これが人にも当てはまるなら、傷の治りを良
くしたり疲労を回復すると聞いたことのある
酸素カプセルを、子ども頃から常に使ってい
たら、巨人化したりするのでしょうか?
酸素カプセルを使い続けられるかどうかの貧
富の差が、目に見えて体格に表れる世の中に
なるのは、正直嫌だなと思います。
p48の、“水中と空中で同じように上手く働
く呼吸器官を進化させた動物がいないという
事実は、生物学的な材料を用いてそれをなし
とげるのが不可能なことをうかがわせる。”
の部分を読んでいると、何もかも出来るもの
を手に入れるのは、自然においても難しいこ
とであると、改めて思い出させられます。
歴史的に繰り返されている大絶滅を、せめ
て人間の行いが原因となって起こしてしまわ
ないように、毎日を丁寧に過ごしたいもので
す。
生物に興味のある方であれば、ワクワクせ
ずにはいられないような、進化に関するエキ
サイティングな仮説が記されてますので、一
度読んでも損のない一冊ではないでしょうか。
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酸素濃度の高低が生物相に様々な影響を与えたとする仮説。 高酸素では多様性が、低酸素では異質性が増大されるという仮説だが、幅広い現象に対して辻褄が合っていて面白い。 外的要因が多すぎて酸素濃度の一択で論じるのは簡素化しすぎた感もあるが、タイムスリップして現在とは違う地球を想像させたり、時代を追ってまとめて説明されているので読み物としても面白い。
今では使われない哺乳類型爬虫類との表記が説明に使われていてややこしかったり、初期の恐竜がすでに気囊を持っていたかについて章によって違った立場をとっていたりする難点はあり。 鳥盤類は骨の構造から気囊では無かったということは、もともと持っていた最強の呼吸方法を退化させたということなのだろうか。 魚竜と首長竜、モササウルスはそれぞれ違う時代に別の爬虫類が海棲に回帰した?ため肺呼吸なのか、その違いが絶滅を乗り越えられなかったのだろうか・・どのタイミングから内温性が出現したのかも非常に証明が難しいところ。低酸素の時代がそんなに長期間に渡ったのであれば、気囊以外にも様々な呼吸法が進化してきていても良かったような気もする。
捕食圧や温度など自然淘汰で注目される環境に、今後は酸素濃度にもっと焦点を当てても良いと納得させられた。実際にカンブリア爆発も呼吸への対応がメインだったのかもしれない。 -
なんとも面白く読める本。
内容は、地球上の生物の進化や絶滅には大気に含まれる酸素濃度が影響している、とのこと。
読了後、その考えに納得している自分がいるのも不思議な感じ。とても説得力がある仮説の一つじゃないかな。 -
前適応とは、ある適応された形質が形作られる場合に、以前から存在した別の機能を持つ形質が用いられたことを指す。
前適応の例は、恐竜から鳥へ進化した経緯が分かりやすい。
恐竜は、数億年前、生物の大絶滅で酸素が急激に減った環境から生まれた。
そのため、恐竜は低酸素の環境でも生存できるように、気嚢と呼ばれる優れた酸素ガス交換機能を持つようになり、その機能が鳥にも引き継がれた。
実際、鳥を解剖してみると、気嚢とよばれる器官が肺から体中に伸びていて、新鮮な酸素を体中に行き渡らせることができているらしい。
その機能のおかげで鳥は、ヒマラヤの高山の空という低酸素の空間でも飛ぶことができる。
更に、小型化した恐竜は体温を維持するために、羽毛を持つようになった。
その羽毛が翼に進化して、鳥は飛べるようになったという説がある。
この考え方と地球大気の酸素濃度と二酸化炭素濃度の歴史と絡めて、仮説として提示したのがとても面白い。
ITの地殻変動はどこで起きているのか?~チケット駆動開発が進むべき道: プログラマの思索 http://forza.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/it-aeb8.html -
進化と環境(酸素量)の相互関係を仮説も交えての展開。一理あるかも。
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途中まで読んだが、面白くない!というか分かり辛い!最終的な結論も予測できるので、多分続きはもう読まない。
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酸素の濃度が、恐竜の進化に大きく関わっているという話。難しかった…。
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原題はOut of Thin Airなのでややミスリーディングな邦題なのだがちゃんと釣られたのでよしとします。
この10年ほどのシミュレーションの進化で古生代の酸素濃度が分かってきておりそこから出た仮説。
曰く酸素濃度の変化に適応するように進化や絶滅が起こった。平地のほとんどの生き物は高山での活動に対応出来ないので、大幅な酸素濃度の低下が絶滅と関わると言う仮説は説得力がある。
原始的な動物は酸素を直接細胞に取り込んでいるがこれは効率が悪く、次にエラが発生した。カンブリア紀の大爆発で節足動物が生まれたが、体節ごとに左右各2本の脚が有り一つはエラ、もう一つが移動用と言うのが共通して見られるデザインだ。水中は空気中より酸素濃度が低いが二酸化炭素が速やかに排出されるという利点もある。エラの進化は水の流れと逆向きに血液が流れることにより、血中に溶け込む酸素を増やしていく。
二酸化炭素濃度が高く暑い地上では植物が大型化したがそれに伴う根の発達は無くすぐに倒れ地中に埋没する。腐敗せずに炭化しこれが石炭の元になるとともに酸素濃度が上昇する。
未発達な肺でも高い酸素濃度下で生き延びる事ができ、地上に動物が増えて行く。後に酸素濃度が低下すると多くの生物が絶滅したが、一部は適応進化を遂げ効率的な呼吸システムを作り上げて行く。一つはポンプ式の哺乳類などの肺であり、もう一つは鳥類の気嚢と隔壁式の肺である。また心臓は静脈血と動脈血が混ざらないように進化した。
肺の効率に限れば鳥類が哺乳類より明らかに優れており、空気の薄い高空を飛ぶという非常にエネルギーを使う行為を可能としている。秘密は肺の中を空気が一方向に流れ、血液が逆向きに流れること。ポンプ式の肺では一呼吸の間に新鮮さが薄れるのに鳥の肺は常に新鮮な空気と接触する。
一部の恐竜はこの鳥と同じ肺を持っていたらしいことが化石からわかってきている。暖かい三畳紀の恐竜は外温性で優れた呼吸システムを持つものが有利で大型化したというのが著者の説である。恒温動物は基礎代謝が高く外温動物より多くのエネルギーを必要とするし、暑い気候で大型化すると熱の発散からも不利になる、また一部は比較的過ごしやすい海に戻ったようだ。三畳紀の終わりに酸素濃度が低下すると多くの動物が絶滅し種の数を減らしたが優れた呼吸システムを持つ竜盤類恐竜は多くが生き延びジュラ紀は恐竜の天下となる。そして恒温性を獲得した恐竜から鳥類が派生し高空を飛ぶようになる。
酸素濃度が低下するとそれに適応するように新しい形質を獲得するように進化が進み、酸素濃度が上昇すると同じ系統に属する種が増大するというアイデアをベースに豊富なデータを元に新しい進化論が提唱された。 -
地球誕生以来、大気の酸素濃度は、一定ではなかった。昆虫が、陸上へ進出する時代は、酸素濃度は低く、地上は植物で覆われていた。当然、二酸化炭素濃度が高くて温暖である。動物のサイズを決める重要なファクターは、呼吸システムなのだ。酸素を身体の最深部まで、到達させるためには、昆虫の拡散という呼吸法では、サイズが限定されてしまう。大気の酸素濃度が、今以上に高くなれば、大型の昆虫も出現するのだとか。
動物の中でも、鳥類は酸素濃度が低くても、生命に極端な影響を受けないらしい。酸素濃度が、低い時代のシステムをそのまま継承している。同じ時代に生きた恐竜も、低酸素時代に出現し、酸素濃度が高い時代には、体が巨大化した。鳥類と恐竜は、呼吸システムが同じであり、恐竜の中にも、骨の中が空洞の種類もいたのだとか、恐竜が鳥に進化したとしても、不思議ではないと結論づける。 -
壮大な生物進化の仮説。低酸素の時代を生き抜くため、生物は様々なボディラインを獲得した。そして高酸素の時代には繁栄、巨大化する。再び酸素濃度が下がると大絶滅が起こる。この繰り返しの中で、多様な鰓や肺が進化した。鳥に特徴的な気ほうも、恐竜の一種から進化した低酸素下で非常に効率のいい肺。だから鳥は低酸素の高山でも生存できる。
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たいへんおもしろい。進化の様々な側面を、酸素濃度という切り口で説明していく。そういう本なので当然そういう例だけを説明しているので、「全部それで説明するのか」という感情がうかびがちだが、酸素濃度で説明できる部分をかき集めてきたらこんなにあった、というところであり、全部というわけではないだろう。
ただ、例が多すぎるのと、結構細かい議論に立ち入っているので、読み終えたいま、大部分が抜け落ちてしまっている。日本語版で図版や絵を足したと言うことだけど、もっともっとあっても良かったなあと思った。まあ、いいたいことはタイトルにつきていてその例を丁寧に紹介するという本なのだから、タイトルに納得できればそれでいいんだろうけど。 -
これはおもしろかった。個人的には「ワンダフル・ライフ」を超えたかも。酸素濃度が低下すると、生物の大量絶滅が引き起こされるが、基本デザインは増加する。そして酸素濃度が上昇すると、生物の多様性が増加するという仮説を基に、カンブリア紀からの生命の進化を描き直すという意欲作。
ジオカーブサーフ・モデル、ウィルソン・サイクル。 -
副題の通り、絶滅も進化も酸素濃度が決めた、という内容の本。
まさに自分の無知さゆえに楽しめなかった本でした。
絶滅も進化も酸素濃度が決めた、と言われ、すんなりとそうだろうな、と思え、そこに反発や驚きもないので、何度も仮説が繰り返されても、もぅわかったよ、、という気分になってしまいました。
やっぱり、ある程度の知識がないと読書は楽しめないんだぁと改めて思いました。反省反省。
Nov, 2011 -
従来はあまり注目されていなかった「大気の酸素濃度」という武器によって、生命進化の謎を解き明かそうとする一冊。
酸素濃度をキーワードに、「なぜ進化には(カンブリア紀大爆発のような)複数のボディ・プランを生み出す進化と、単一のボディ・プランの中で多様性を増やす進化の二種類があるのか?」「恐竜は温血動物だったのか冷血動物だったのか?」「ペルム紀大絶滅はなぜ起きたのか?」といったナゾにバッサバッサと切り込んでいく様は爽快で、知的好奇心を十分に満足させてくれる。
しかし、残念なのは、この邦題。原著には、"Out of Thin Air" という素晴しく幻想的で、的確なタイトルが付けられているのだが、邦題は何が悲しいのか「〜はなぜ〜のか」の竿竹屋調。確かに、ベストセラーになった本に似たタイトルを付けると売れ行きが伸びるという出版社の都合もあるのだろうが、あまりにもセンスがない。そもそも、この本は恐竜がなぜ鳥に進化したかを書いた本ですらない(鳥が現在もエベレストの山頂を遥かに越える上空を平然と飛翔できるのは、鳥の先祖である恐竜(竜盤類)が低酸素濃度の時代に気嚢と呼ばれる呼吸システムを獲得したからではないか、という仮説は提示されているが、その話は本書の数あるテーマのうちの一つに過ぎない)。 -
生物の進化と絶滅に地球の酸素濃度が関係しているという主張が主題の本。
恐竜にフォーカスをあてたお話かと思いきや、生物全体のお話でした。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3355471.html -
生物の進化を大気中の酸素濃度から読み解いた。たしかに大気はずっと同じものと考えがち。その前提をとっぱらったらこんなにも興味深い仮説がうかんできた。
川崎悟司のイラストもいい。
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